越境ECの利益を守る!DHL値上げの背景とセラーが今すぐ取るべき対策
越境ECセラーに忍び寄るDHLの送料値上げ。その背景にあるトランプ関税やインフレ、そしてセラーが今すぐ取るべき具体的な対策を、現役経営者の荒木淳平が解説します。
越境EC事業者の皆さん、急な話なんですが、DHLが9月から送料を一律3%値上げするみたいなんですよ。僕らがやっている越境EC、特にアメリカ向けなんかは、この物流コストの変動が直接利益に響いてくるので、決して無視できない問題だと思っています。
正直なところ、「たった3%でしょ?」と思う人もいるかもしれないんですけど、年間を通して見るとかなりのインパクトになるし、特に単価の低い商品を扱っているセラーさんにとっては死活問題になりかねないんですよね。今回は、この値上げの背景と、僕たち越境ECセラーが今すぐやるべき対策についてお話ししていきたいと思います。
なぜ今、越境ECの物流コストは高騰しているのか?
今回のDHLの値上げには、いくつかの複合的な背景があると感じています。僕自身の経験や、業界内で耳にする話を総合すると、主に3つの要因が挙げられるんじゃないでしょうか。
1. トランプ関税の影響と通関処理の複雑化
まず大きいのが、かつてのトランプ政権時代に導入された関税、いわゆる「トランプ関税」の影響がまだ色濃く残っていることですね。これによって、特にアメリカ向けの貨物の**通関処理(国際貨物の税関手続き)**がものすごく複雑になりました。
具体的には、米国向けの税金表示や申告作業が追加されたりして、配送会社側の業務量が大幅に増えているんですよ。やることが増えれば当然、それを処理する人件費もかかりますから、DHLのような国際物流を担う企業にとっては大きな負担増になっているのは間違いないと思います。
2. 世界的なインフレと人件費の上昇
次に、世界的なインフレとそれに伴う人件費の上昇も無視できません。これは皆さん肌で感じていることだと思うんですけど、燃料費はもちろん、各国での最低賃金の上昇もあって、物流業界全体でコストが上がっているんです。
特に航空貨物なんかは、専門的なスキルを持つパイロットや地上スタッフの確保が難しくなっていて、そのぶん人件費も高騰しています。僕も現場で話を聞くと、人員確保の苦労をよく耳にしますね。こうしたコスト増は、最終的に送料に転嫁されるのは避けられない流れなんですよ。
3. 年末の物流ピークに向けた先行対応
そして、もう一つは、毎年恒例の「年末の物流ピーク」に向けた先行対応という側面もあるんじゃないかと見ています。例年、11月から12月にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、eコマースの需要が爆発的に増える時期ですよね。
この時期にいきなりドカンと値上げするよりも、少しずつ段階を踏んで値上げをしていく方が、利用者へのインパクトも少ないし、計画的な価格調整という意味合いもあるんじゃないかと思っています。毎年1月〜2月にも値上げがありますから、その前に調整を入れておく、という感じでしょうか。
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DHL 3%値上げが越境ECセラーに与える具体的な影響とは?
「たった3%」と侮ってはいけない、という話をしましたが、具体的な影響についてもう少し深く掘り下げてみましょう。
利益率への直撃
例えば、送料が30ドルの場合、3%増えると30.90ドルになるわけです。一見するとわずかな差に見えますが、これが積み重なると大きな額になります。特に、僕たちが扱っているようなラグジュアリーリユース品の中には、単価がそこまで高くない商品もたくさんあるんですよ。
そういった商品の場合、送料が利益に占める割合はかなり大きいんです。3%の値上げが、そのまま利益の3%減、あるいはそれ以上に響いてしまうケースも少なくありません。うちでも色々な商品の利益率を再計算してみて、改めてこの影響の大きさを実感しているところです。
アメリカ宛の「関税+送料」ダブルパンチ
さらに深刻なのが、アメリカ宛の貨物です。先ほど触れたトランプ関税に加えて、今回の送料値上げが重なると、「関税+送料」という形でダブルパンチになるんですよね。これによって、僕たちの商品が「売れない」というよりは、「売れても儲からない」という状態に陥りやすくなってしまうんです。
僕も実際にアメリカ市場を長く見ていますが、このコスト増は本当に頭の痛い問題です。価格競争が激しい中で、送料と関税で他社との差が広がってしまうと、いくら良い商品でも厳しい戦いを強いられることになります。
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他の配送業者も追随する可能性が高い理由
「DHLだけなら、他の配送業者に切り替えればいいか」と考える人もいるかもしれません。しかし、残念ながら、他の主要な配送業者も追随して値上げする可能性は非常に高いと見ています。
コスト構造の共通性
FedExやUPS、そして日本郵便などの国際配送サービスも、基本的なコスト構造はDHLと共通している部分が多いんですよ。世界的なインフレや人件費の高騰、燃料費の変動といった外部要因は、どの配送業者にとっても同じように影響します。
特に、アメリカ向けの関税処理の増加による負担は、国際配送を手掛ける全ての会社に共通する課題だと言えるでしょう。一社だけがコスト増に耐え続けるのは難しい、というのが僕の正直な見立てです。
過去の傾向
僕がこの業界で長くやってきて感じるのは、大手配送業者は互いの料金体系をかなり意識している、ということです。一社が値上げに踏み切ると、他社も追随して値上げを行う、というパターンはこれまでも何度も見てきました。
早ければ10月〜11月にも、他の配送業者が値上げを検討しているという声も耳にしています。ですから、「DHLだけの話」と捉えずに、全体的な動向として警戒しておくべきだと僕は考えています。
越境ECセラーが今すぐ取り組むべき5つの対策
では、このような状況下で、僕たち越境ECセラーは何をすべきでしょうか。具体的な対策を5つ提案したいと思います。
1. 送料込み表示への切り替えを検討する
一つ目は、商品価格に送料を含める「送料込み表示」への切り替えを検討することです。購入者からすると、後から送料が加算されるよりも、最初から総額が提示されている方が安心感がありますよね。
送料を商品価格に含めることで、値上げの影響を吸収しやすくなる側面もあります。もちろん、価格競争力とのバランスも重要なので、慎重な検討が必要ですが、僕も実際にこの方法で価格設定を見直すことが多いです。
2. 配送方法別の利益率を再計算する
次に、現在利用している複数の配送方法について、それぞれの利益率を改めて計算し直してみてください。DHLの値上げだけでなく、他の配送方法でも今後値上げがある可能性を考慮して、どの配送方法が最も効率的かを見極めることが重要です。
僕たちも、定期的に各配送会社の料金プランやサービス内容を比較検討しています。特に、商品サイズや重量、届け先国によって最適な配送方法は変わってくるので、現状に合わせた最適解を見つける作業は欠かせません。
3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする
どうしても送料が上がってしまうなら、そのぶん商品単価を上げたり、一度に販売する数量を増やしたりして、利益率をカバーするという方法もあります。例えば、関連商品をセットにして販売する「バンドル販売」なんかも有効な手段ですね。
単価が上がれば、送料が利益に占める割合を相対的に下げることができます。顧客にとっての価値を高めつつ、いかに効率よく利益を確保するか、という視点がこれからはより重要になると思います。
4. アメリカ依存を下げる(販路の分散)
これは長期的な視点での対策になりますが、アメリカ市場への依存度を下げ、販路を分散することも重要です。アメリカは魅力的な市場ですが、関税や物流コストの問題が慢性化している以上、他の国にも目を向けるべきだと僕は考えています。
例えば、ヨーロッパやアジアの成長市場など、まだ開拓の余地がある国はたくさんあります。リスクヘッジのためにも、特定の国に偏りすぎない販売戦略を構築することが、これからの越境ECには不可欠だと感じています。
5. SpeedPAKなどeBay公式配送との比較もしておく
最後に、eBayを利用しているセラーさんなら、eBayが提供している公式配送サービスである**SpeedPAK(スピードパック)**などの活用も検討してみてください。これらのサービスは、eBayプラットフォーム内での利用に特化しているため、一般の国際配送サービスとは異なる料金体系やメリットがある場合があります。
僕も他の配送サービスと比較検討する際、SpeedPAKのような公式サービスは必ずチェックするようにしています。特に、特定の国向けであれば、コスト面で有利になるケースもあるので、一度調べてみる価値はあると思いますよ。
まとめ:変化に対応し、ビジネスモデルを最適化する
今回のDHLの値上げは、越境ECを取り巻く環境が常に変化していることを改めて僕たちに突きつける出来事だと感じています。物流コストの高騰は、残念ながら今後も続く可能性が高いと見ていますし、僕たちセラーは、その変化に柔軟に対応していく必要があります。
大切なのは、現状を嘆くのではなく、今できる対策を一つ一つ実行していくこと。利益率の再計算、価格戦略の見直し、販路の分散など、打てる手はたくさんあります。ぜひ今回の話を参考に、皆さんの越境ECビジネスをさらに最適化していってもらえれば嬉しいです。
