越境EC・無在庫販売はもう限界?デミニス撤廃で変わる生存戦略を語る
越境ECで「リスクがない」と言われてきた無在庫販売が直面する課題を、JP.Company代表の荒木淳平が解説。デミニス撤廃、円高、配送料高騰がもたらす影響と、有在庫販売で生き残るための差別化戦略を具体的に語ります。
CHAPTERS
- 00:00無在庫販売はダメ!今後さらに厳しくなる
- 00:44無在庫販売が厳しくなる理由
- 04:54有在庫の方が勝てる?
- 05:43有在庫販売で差別化を図る「セット組」戦略
- 06:38eBayでの無在庫販売と生き残り方
近年、越境EC市場で「リスクが少ない」と謳われてきた無在庫販売ですが、今、そのビジネスモデルは大きな転換点を迎えています。特に僕が長年取り組んできたeBayのようなプラットフォームでは、今後さらに厳しい状況になるだろうと見ています。果たして、本当にリスクがないと言えるのか。そして、越境ECで生き残るために、僕たちがどう戦略を立てるべきか、実際の現場で肌で感じていることをお話ししたいと思います。
無在庫販売が今後、さらに厳しくなる根本理由とは?
無在庫販売が「リスクがない」と言われるのは、売れてから商品を仕入れるため、有在庫販売で発生する「売れ残り廃棄」のリスクがないことが主な理由ですよね。しかし、この手軽さゆえに参入者が多く、結果として価格競争が激化し、利益率が極めて低くなる傾向があります。そもそも「そんな簡単に買える物なら、わざわざeBayで買う必要があるのか?」という顧客心理も働くため、薄利多売のレッドオーシャン化が進むんです。
デミニス撤廃の大きな影響
2024年8月29日から予定されているデミニス(少額輸入免税)撤廃は、無在庫販売にとって非常に大きな打撃になると見ています。現状、無在庫販売で扱われる商品は800ドル以下の安価なものがほとんど。この撤廃により、特にEMSなどの国際郵便で送る場合、一律で80ドル程度の関税がかかる可能性が指摘されています。例えば、20ドルの商品に80ドルの関税がかかるとしたら、お客さんはまず購入しないでしょう。もし受け取り拒否が発生すれば、関税がセラー側の負担になるリスクも出てきます。半年間の定額関税期間も検討されているようですが、薄利の無在庫では致命傷になりかねません。
為替変動(円高リスク)と配送料高騰
為替の変動も無視できません。トランプ関税の話とも絡みますが、もしアメリカの景気が悪化すれば、基軸通貨であるドルが弱くなり、円高に振れる可能性が高まります。例えば、1ドル150円で売れていた30ドルの商品が4,500円だったのが、1ドル120円になれば3,600円に。900円の差は、薄利の無在庫販売では致命的です。僕の感覚だと、円安傾向で無在庫販売が増えた側面もあるので、その逆流はかなり厳しいでしょう。
また、DHLやFedEx、UPSといったクーリエの配送料も値上げ傾向にあります。これはアメリカの物価高騰に伴う人件費の上昇が背景にあります。20ドル、30ドルの安価な商品では、高い配送料はかけられませんから、安い商品を無在庫で販売するのが一層困難になるはずです。
高額商品の無在庫販売の難しさ
「なら高額商品を無在庫でやればいいじゃないか」という意見も聞きます。しかし、例えば10万円の商品を「配送に2週間かかります」と言われて買う人はほとんどいません。在庫がないことへの不信感、誰かの画像を借りた出品画像への不信感も大きいでしょう。さらに、高額商品は在庫数が少ないため、在庫切れリスクも高まります。在庫切れは顧客満足度を著しく低下させるため、極力避けるべきだと僕たちは考えています。
eBay規約の厳格化とコンプライアンスリスク
そもそも、無在庫販売はeBayの規約で「ドロップシッピング会社からの直送以外」は禁止されています。無在庫販売が横行し、プラットフォームの評判が悪くなれば、eBayも当然取り締まりを強化するでしょう。無理な出品、例えばコピー品などが横行すれば、法律違反のリスクも高まります。コンプライアンスリスクを冒してまでやるビジネスではないと、僕は思いますね。
EC・オンライン物販
無在庫の限界を乗り越え、越境ECで生き残る「有在庫販売」の可能性
デミニス撤廃で安い商品は厳しくなるため、必然的に商品単価を上げていく必要があります。単価の高い商品は、お客さんも安心感を求める傾向が強いため、在庫をしっかり持って販売する方が圧倒的に有利です。僕の会社(モノシェア)が力を入れているラグジュアリーリユースのように、ヴィンテージ品や一点物の商品は、それが唯一無二の価値を持つため、価格競争に巻き込まれにくいという強みがあります。これは有在庫でしか実現できない戦略なんです。
たとえ新品を扱う場合でも、無在庫は規約違反のリスクがありますし、在庫を持っていれば迅速な発送が可能となり、お客さんからの信頼を得やすくなります。結局のところ、無在庫は厳しくなり、有在庫でないと生き残れない時代が来ると、僕は肌で感じています。
リユース・二次流通
有在庫販売で差別化を図る「セット組」という戦略
有在庫販売の大きなメリットの一つは、自分だけの「一点物」を作りやすいこと。例えば、新品の商品でも、複数のアイテムを組み合わせて「セット組」として販売することができます。カメラ本体に三脚、予備バッテリー、レンズキャップなどを加えてセットにする。この組み合わせは、セラーのセンスや個性が光る部分であり、無在庫販売ではこうした柔軟なセット組は難しいですよね。
デミニス撤廃で安い商品は売りにくくなる。単価を上げようと思っても、単品では限界があります。だからこそ、複数の商品を組み合わせた「セット組」で付加価値を高め、差別化を図る工夫が不可欠なんです。「この人から買いたい」と思わせる理由を作る上で、セット組は非常に有効な手段だと僕たちは考えています。
無在庫販売が許容されるプラットフォームと、eBayでの生き残り方
越境ECの中には、Shopeeのように無在庫販売を許容しているプラットフォームも存在します。そうしたプラットフォームは、偽物への取り締まりが緩かったり、お客さん側の期待値がeBayとは異なる場合もあります。しかし、長期的な視点で見ると、コンプライアンス違反のリスクや、ブランドイメージの低下に繋がりかねないという側面も忘れてはなりません。
eBayで事業を継続するなら、無在庫販売ではなく有在庫販売が基本です。そして、「どうやって人と違う物を売るか」「どうやって人と違う売り方をするか」を追求することが何よりも重要になります。例えば、売れやすい時間帯を分析し、あえて競合が少ない時間に販売してみる工夫。僕たちも取り組んでいますが、eBayでもライブコマースの動きは広がっていくでしょう。商品の魅力をリアルタイムで伝え、お客さんとのエンゲージメントを高めることも有効です。
アメリカ市場が厳しくなるなら、別の市場や別の売り方を考える。eBayの中でやれることを最大限にやる。この心構えが、これからの越境ECで生き残る鍵だと僕は信じています。
FAQ
Q.無在庫販売はeBayで禁止されていますか?
Q.デミニス撤廃とは何ですか?
Q.デミニス撤廃は無在庫販売にどう影響しますか?
Q.円高は越境ECに不利ですか?
Q.有在庫販売のメリットは何ですか?
Q.越境ECで差別化するにはどうすればいいですか?
Q.eBayで無在庫販売以外にできることは?
Q.ライブコマースは越境ECでも有効ですか?
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