越境EC撤退の「正しい」判断基準とは?DDP問題の今、僕が考える継続の道
DDP問題で越境ECからの撤退を考える事業者が増える中、JP.Company代表の荒木淳平が、撤退の判断基準と継続の可能性を語ります。
CHAPTERS
- 00:00越境EC撤退の判断基準
- 00:50ビジネスにおける撤退のタイミング
- 01:20DDP問題と売上への影響
- 02:00越境ECの壁とチャンス
- 02:45「売れない」と嘆く人の特徴
- 03:30自己責任と努力の重要性
- 04:50撤退前にやるべきこと
- 05:40今から越境ECを始めるのは大変か?
- 06:30国内ECと越境ECの両立のメリット
- 07:30越境EC完全撤退はもったいない?
- 08:15縮小継続という選択肢
- 09:00関税制度の今後と柔軟な判断
越境ECを運営していると、DDP問題(Delivered Duty Paid、関税・消費税を売主が負担する配送条件)のような大きな壁に直面することがありますよね。実際にこの関税の変更で、売上が落ち込んで撤退を考える事業者が増えていると聞きます。僕自身も、これまでに楽天オークションやビッターズ、楽天市場など、様々なプラットフォームから撤退してきた経験があるので、その気持ちはよく分かるんですよ。
ビジネスを続けていく中で、ずっと同じやり方が通用するわけじゃない。撤退のタイミングというのは、事業の優先順位や市場の変化によって必ず訪れるものだと僕は思っています。今回は、この越境ECを撤退するかどうか、その判断基準について僕なりの考えをお話ししたいと思います。
越境ECの「壁」は本当に撤退理由になるのか?
DDP問題が顕在化して、本体価格や送料に関税分を上乗せする形になったことで、単純にお客さんから見た支払い金額はデミニミス(少額輸入免税制度)があった頃と比べて増えてしまっているのは事実です。これによって「売れない」と感じる人が増えるのは、ある意味当然のことだと思います。
ただ、越境ECに限らずビジネス全般に言えることなんですが、元々売れていたものが何らかの外部要因で売れなくなったとしても、また復活する可能性って十分にあるじゃないですか。お客さんの支払い金額が少し増えたとしても、それが慣習として定着すれば、また以前のように売れるようになるかもしれない。越境ECって色々な壁があるからこそ、変化の要素も多く、その変化の中にこそ新たなチャンスが生まれる可能性を秘めていると僕は考えているんですよ。
EC・オンライン物販
「売れない」と嘆く前に、本当に「やり切った」と言えるか?
僕は、無理して続ける必要はないとも思っています。ただ、売れないと嘆く人の中には、プラットフォームのせいにしたり、従業員のせいにしたり、物のせいにしたりと、外部に責任を転嫁しがちな人が非常に多いと感じています。自分のやり方が悪かったとしても、それをなかなか認めようとしないんですよね。
実際に古物市場なんかに行っていると、「最近あいつ見ないよね」って人がいるんですけど、そういう人って最後の方に決まって「全然最近売れねえよ」ってぼやいているんですよ。この「売れねえよ」っていう言い方が僕は気になるんです。責任が自分じゃなくて、どこか外にあるような、他力本願な響きがあるじゃないですか。「最近全然ダメなんだよね」だったら、まだ自分にベクトルが向いていると思うんですけどね。
そういう人たちの売り方を分析してみると、やっぱり工夫が足りていないケースがほとんどなんです。リサーチを徹底的にやったり、色々な商品を試してみたり、売り方を改善してみたり、そういう努力をせずに「売れない」と言っている。残っている人たちは、努力もそうですし、センスも持ち合わせている。もしセンスがないなら努力すればいいのに、それもせず売れないと嘆くのは、正直、厳しいと思います。
だから、撤退を考える前に、まず何がいけないのかを徹底的に洗い出して、考えられることを全部やり切ることが大事だと僕は思います。商品をリサーチし直して、価格を見直して、出品方法を工夫して、それでもダメだったら、それはもうしょうがない。その時はプラットフォームや時代のせいにしても良いんじゃないかな。でも、たった一人でもうまくいっている人がいる限り、言い訳はできないと僕は思っています。
国際物流・貿易
今から越境ECを始めるのは「大変」か?それとも「チャンス」か?
「これからeBayを始めるのは大変ですか?」ってよく聞かれるんですけど、一言で言えば「大変」ですよ。でも、ビジネスってそもそも大変なものじゃないですか。国内ECに比べれば、越境ECは英語でのやり取りや国際配送、関税の問題など、参入障壁が高いのは確かです。でも、だからこそ、利益率が高い商品を見つけやすかったりもするわけです。
もし、あなたが越境ECに挑戦しようとしているなら、そもそも国内ECよりも高いハードルを乗り越えようとする「志」があるはずです。英語に抵抗がなかったり、海外との取引に興味があるなら、僕は「やったら良いんじゃないの?」と率直に思います。一番大変なハードルをクリアしようとしている時点で、うまくいく可能性は十分にあるんですよ。
それに、国内と海外、両方やるメリットも大きいと僕は考えています。国内で得られる知識やスキルもあれば、越境ECでしか得られない知識やスキルもある。両方やってみることで、リスクヘッジにもなるし、「こういうものも売れるんだ」って新しいヒントが見つかることもあります。ヤフオクの出品者から「この売り方はうまいな」と学ぶこともあれば、その逆もある。両方やっていた方が、確実にビジネスチャンスは広がると思いますね。
完全撤退は「もったいない」選択肢かもしれない
DDP問題を受けて、eBayから完全に撤退してしまう人もいるようですが、僕としては「もったいない」と感じる部分があるんです。もちろん、ご自身でやり切ったと感じて撤退を決断するなら、それは一つの考え方として尊重すべきだとは思います。
ただ、リアルな話、この先の関税制度がどうなるかはまだ分からないじゃないですか。裁判の結果次第でまた変更があるかもしれないし、他の国の動きだって影響する可能性はあります。トランプさんの発言一つで大きく変わることもある世界ですから、例えばデミニミスが部分的にでも復活する、なんてこともあり得ない話じゃないと思うんですよ。
そう考えると、今このタイミングで完全に撤退してしまうのは、時期尚早な気がするんですよね。もし続けるのが大変なら、規模を小さくしてでも「騙し騙し」で続けておくという選択肢もあるんじゃないかなと。eBay mag(eBayが提供する特定の国・地域に特化した販売ツール)を使ってみたり、取り扱う商品をガラッと変えてみたり、あるいはShopeeやTikTok LIVEのような別のプラットフォームに挑戦してみるのも良いと思います。
一度完全に辞めてしまうと、いざ市場が回復した時に戻るのがなかなか難しいものです。だから、完全撤退ではなく、縮小してでも継続しておくことで、将来的にまたチャンスが巡ってきた時にスムーズに再開できる。そういう柔軟な考え方も、今の時代は必要なんじゃないかなと僕は思いますね。
もちろん、みんながみんな同じ考え方をする必要は全くありません。ヤフオクやメルカリに集中したい人もいれば、色々なプラットフォームでチャレンジしたい人もいる。自分のビジネススタイルや、これまでの経験、そして何より「自分を信じて」撤退するか、細々と続けるか、あるいはこれまで通りやるかを判断して、行動してみてください。
FAQ
越境ECのDDP問題とは何ですか?
DDP(Delivered Duty Paid)問題とは、越境ECにおいて商品の販売者が輸入国の関税や消費税を負担し、購入者に届ける制度変更のことです。これにより、販売者は商品価格や送料に関税分を上乗せする必要が生じ、売上減少の一因となっています。
越境ECから撤退を判断する主な基準は何ですか?
主な基準は、考えられる改善策を全て試したにも関わらず、事業の継続が困難であると判断した場合です。外部環境のせいにせず、徹底的なリサーチや販売戦略の見直し、商品ラインナップの変更など、自社の努力を尽くした後に決断することが重要です。
売上が伸び悩んだ時、まず何をすべきですか?
まずは、売上が伸び悩んでいる原因を徹底的に分析することが重要です。商品リサーチの不足、価格設定の誤り、出品方法の問題など、自社に原因がないか洗い出し、考えられる改善策を一つずつ実行し、効果を検証していくべきです。
国内ECと越境EC、両方やるメリットはありますか?
はい、両方やることでビジネスチャンスの拡大、リスクヘッジ、新たな知識やスキルの習得といったメリットがあります。国内と海外それぞれの市場から得られる知見を相互に活用し、多角的な視点でビジネスを成長させることが可能です。
越境ECを完全撤退せず、規模を縮小して継続するメリットは何ですか?
完全撤退せず規模を縮小して継続することで、将来的に関税制度が変更されたり、市場が回復したりした際に、スムーズに再参入できるというメリットがあります。一度撤退すると再開のハードルが高くなるため、将来的な選択肢を残しておくことができます。
これから越境ECを始めるのは難しいですか?
参入障壁は国内ECより高いですが、決して不可能ではありません。英語スキルや海外取引への意欲があれば、高利益率の商品を見つけられる可能性もあります。困難を乗り越える「志」があるなら、挑戦する価値は十分にあると僕は思います。
関税制度は今後変わる可能性はありますか?
はい、今後関税制度が変わる可能性は十分にあります。国際情勢や各国政府の政策変更、あるいは裁判の結果などによって、デミニミス制度の部分的な復活など、現在の状況から変化するシナリオは考えられます。
EDITOR'S NOTE — 笹原さんのおすすめポイント
越境ECを続けるか辞めるかの判断基準の企画に変更
FAQ
Q.越境ECのDDP問題とは何ですか?
Q.越境ECから撤退を判断する主な基準は何ですか?
Q.売上が伸び悩んだ時、まず何をすべきですか?
Q.国内ECと越境EC、両方やるメリットはありますか?
Q.越境ECを完全撤退せず、規模を縮小して継続するメリットは何ですか?
Q.これから越境ECを始めるのは難しいですか?
Q.関税制度は今後変わる可能性はありますか?
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