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2026.08.27越境ECトランプ関税アメリカ関税

トランプ関税の深層と越境EC戦略:変化する世界で生き残るには

トランプ関税が国によって異なる背景を越境EC経営者が解説。政治的な思惑や経済状況が複雑に絡む現状を紐解き、日本企業が取るべき多角的な戦略を提示します。

CHAPTERS

  • 00:00アメリカ以外の国で売る重要性
  • 00:23トランプ関税と国別関税の背景
  • 01:00アフリカ諸国の低い関税率の理由
  • 01:50政治・紛争が絡む国の高関税
  • 02:40ブラジルの高関税とアメリカ依存率
  • 04:00東南アジアの高関税と中国対策
  • 05:20アパレル産業保護と労働集約型ビジネス
  • 06:30ベトナムと中国の関係性
  • 07:00台湾の高関税と中国関連
  • 07:30中東の関税状況
  • 07:45スイスの高関税の理由
  • 08:40インドの高関税とBRICS
  • 09:30トランプ関税の複合的な要素
  • 10:00日本の立ち位置と関税15%の解釈
  • 11:00アメリカ販売への意識改革の必要性
  • 11:40デミニミス廃止の可能性と影響
  • 13:00eBayセラーが取るべき戦略
  • 14:00国際政治の理不尽さと日本の対策

アメリカの関税政策は、国によって大きく異なるのが現状です。これは単純な経済合理性だけでなく、政治的な駆け引きや特定の意図が複雑に絡み合っているからだと、僕は見ています。

なぜアメリカの関税は国によって大きく異なるのか?

アメリカの関税率が国ごとに違うのは、トランプ氏の私情や政治的な思惑が色濃く反映されているからだと感じます。例えば、アフリカ諸国に対する関税は比較的低い傾向にあります。これは、アフリカからアメリカへの輸出(アメリカから見れば輸入)がそもそも少なく、産業が未発達なため、アメリカにとって「眼中」にない国だからでしょう。ここで関税を高くしてもメリットがなく、「俺は優しいだろ?」というポーズを取ることで、政治的な印象操作をしている側面もあるんじゃないかと。

一方で、政治的な対立や紛争が絡む国、例えばラオスやイラクなどは、関税が35〜40%と非常に高くなっています。これは、アメリカが特定の政治問題を解決に導くための「交渉材料」として関税を利用しているケースが多いですね。問題解決の暁には、アメリカの「お手柄」となるわけですから、そのために敢えて関税を高く設定している、と僕は見ています。

さらに特殊な例としてブラジルがあります。ブラジルからのアメリカへの輸出が少なく、アメリカへの経済的な依存度が低いことから、ブラジルの要人がトランプ氏に対して強気な姿勢を取ることがあると言われています。その結果、トランプ氏が感情的に反発し、ブラジル製品への関税が50%と非常に高い水準になっているケースもあるようです。もちろん、アメリカがブラジルから輸入したい特定の品目については枠から外す、といった都合の良い運用も行われていて、なんともずるい話だな、と感じます。

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中国対策と国内産業保護が東南アジアの関税を上げる

東南アジア諸国の関税が比較的高めに設定されている背景には、主に中国対策とアメリカ国内の産業保護という二つの大きな理由があると僕は考えています。特にベトナム、インドネシア、タイといった国々が影響を受けていますね。

現在、中国製品に対する関税は非常に高く、事実上輸出が困難なレベルになっています。そのため、中国で製造された製品を一度ベトナムやインドネシアに運び込み、そこでタグを付け替えたり、一部を組み立て直したりして「Made in ○○」を偽装する、いわゆる「Country of Origin(原産国)ロンダリング」が行われているんです。アメリカ政府もこの抜け道を把握しており、こうした行為に「協力している」と見なされる国の関税率を引き上げることで、対策を講じているわけです。

僕らが実際に越境ECで商品を取り扱っている現場でも、この原産国表示の問題は非常に重要になってきます。安易な方法で原産国を変えようとすると、後々大きな問題になりかねませんから、常に最新の情報を追うようにしています。

また、東南アジアはアパレル産業が強い地域ですが、アメリカは国内でアパレル製品を製造し、雇用を創出したいという強い思いがあります。アパレル産業は労働集約型(多くの労働力を必要とする産業)ですから、トランプ氏としては、海外に奪われた仕事をアメリカ国内に戻したい、という考えがあるのでしょう。そのため、安価な労働力でアパレル製品を生産している国の関税を高くすることで、自国産業を保護しようとしているんです。これは、アメリカ国内の下層の人々の仕事を増やしたいという意図は理解できるものの、他の国の経済成長を犠牲にするような考え方には、正直疑問を感じますね。

台湾の関税が高いのも、中国との関係が背景にあります。台湾自体は中国と政治的に対立していますが、中国製品を台湾経由で安く輸入する抜け道を塞ぐため、台湾製品の関税も高く設定されている、という見方ができます。

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感情論と政治的な駆け引きが関税率に反映されるケース

関税率の設定には、時に感情論や政治的なプライドが大きく影響することもあります。スイスが良い例です。スイスの製品、例えば高級時計や精密機械、農産物などは世界的に評価が高いですが、アメリカへの関税は39%と非常に高くなっています。これは、スイスの要人がトランプ氏の意向に逆らい、正論を主張したことでトランプ氏の怒りを買ってしまった、という話も聞かれます。

スイスは決して大きな国ではないので、この高関税は経済的に大きなダメージとなるでしょう。国際政治の舞台では、国益だけでなく、リーダー個人の感情が政策に反映されることがあるという、なんとも皮肉な現実を突きつけられます。

インドも注目すべき国です。現在、関税は25%と高めですが、これはインドがBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の中でも特に経済成長が著しく、「これから来る」とされている国だからでしょう。トランプ氏はかつてインドと友好的な関係を築いていましたが、インドが独自の路線を歩み始めたことで、アメリカ側が強気に出て、自国の味方につけたい、あるいは「弟子にしたい」という思惑から、敢えて高関税を設定している可能性も指摘されています。

このように、アメリカの関税政策は、トランプ氏の個人的な感情、政治的な駆け引き、中国からの迂回輸出防止、そして「眼中」にない国への優遇といった様々な要素が複雑に絡み合って形成されている、というのが僕の分析です。

日本の立ち位置と越境EC事業者の意識改革

では、日本はどうかというと、現在のところ関税は15%とされています。しかし、この15%が「上限」なのか、既存の税率に「追加」されるものなのかによって、日本の立ち位置は大きく変わってきます。もし既存税率に上乗せだとすれば、日本はアメリカに「舐められている」と判断せざるを得ません。この点がまだ曖昧なため、越境EC事業者としては非常にやきもきする状況です。

僕らは社内でも常に言っているんですが、最悪の場合、アメリカへの出荷や販売ができなくなる可能性もゼロではないと考えるべきです。実際、急に関税政策が変わる可能性も十分にあるわけですから。だからこそ、僕たちはアメリカ市場だけに頼るのではなく、視野を広げて他の国々への販売チャネルを強化していくべきだと強く感じています。

特に懸念しているのが、デミニミス(少額免税制度)の廃止の可能性です。これは、一定額以下の輸入商品には関税がかからない制度のことですが、もしこれが廃止され、例えば一律80ドルの関税がかかるようになれば、10ドルの商品を売っても80ドルの関税がかかる、という地獄のような状況になりかねません。そうなれば、安価な商品の越境EC販売はほぼ不可能になるでしょう。現状ではまだ確定していませんが、可能性として十分にあり得る話です。

eBayのセラーさんたちも、eBayプラットフォームが何らかの「助け舟」を出してくれることを期待するかもしれませんが、CtoC(個人間取引)が主体のeBayに対して、アメリカ政府が積極的に保護するとは考えにくいでしょう。むしろ、アメリカ国内の雇用を優先するトランプ氏の意向からすれば、海外からの安価な商品流入を抑制したいと考えるかもしれません。だからこそ、eBayだけに頼るのではなく、eBay Japanが提供する「eBay mag」のような他国への販売をサポートする機能も活用しつつ、他の販売チャネルや国への展開を真剣に考えるべき時期に来ていると、僕は思います。

国際政治は「子供の喧嘩」ではない、だが…

今回のトランプ関税の話を聞いていると、まるで子供の喧嘩を見ているような、理不尽な感情論が根底にあるように感じてしまいます。国のトップが感情的に政策を決定し、それが国際貿易に大きな影響を与えるというのは、正直、理解に苦しむ部分もあります。

ただ、アメリカ国内には反トランプ派と親トランプ派がいて、親トランプ派の人たちは彼の政策を正しいと信じているわけです。もしこの政策によってアメリカ経済が好調を維持してしまえば、彼らの主張が正当化されてしまう可能性もある。そうなれば、国際社会はますます振り回されることになるでしょう。僕たち日本企業も、ただ傍観しているだけでなく、自分たちの身を守るための戦略をしっかりと立てていかなければならない、と強く思います。

僕自身、個人的な感情としては、正直今はアメリカ製品を積極的に買いたいとは思わないですね。複雑な気持ちでバヤリースを飲んでいるのが現状です(笑)。国際情勢は常に変化しますから、僕たち経営者は、その変化の兆しをいち早く捉え、柔軟に対応していく力が問われているんだと、日々痛感しています。

【JP.Company (Monoshare) 荒木淳平プロフィール】

未経験から知識0で一人で起業し、年商70億円を達成した実業家。eBayでは日本販売実績1位を4度獲得し、現在は殿堂入り。eBayライブコマースでも日本を牽引。世界販売ランキング上位を誇る。また、古物市場で多くのバイヤーを抱え、真贋鑑定や価格査定においても業界トップクラス。

【関連情報】

JP.Companyホームページ:https://monoshare.jp

FAQ

Q.アメリカの関税が国によって異なる主な理由は何ですか?
トランプ氏の個人的な感情、政治的な駆け引き、中国からの迂回輸出防止、そしてアメリカにとって経済的影響が小さい国への優遇など、複数の要素が複雑に絡み合っています。
Q.アフリカ諸国への関税が低いのはなぜですか?
アフリカからのアメリカへの輸出が少なく、経済的な重要度が低いため、政治的な対立がない限り、敢えて高い関税を課す必要がないと判断されているためです。
Q.東南アジア諸国の関税が高いのはどうしてですか?
中国製品の「Country of Origin(原産国)」ロンダリング対策と、アメリカ国内のアパレルなどの労働集約型産業を保護し、雇用を創出したいという思惑が背景にあります。
Q.デミニミス(少額免税制度)の廃止は越境ECにどのような影響を与えますか?
もしデミニミスが廃止され、少額商品にも一律で高額な関税がかかるようになれば、安価な商品の越境EC販売は採算が取れなくなり、事実上不可能になる可能性があります。
Q.日本企業はアメリカの関税政策にどう対応すべきですか?
アメリカ市場への過度な依存を避け、他の国への販売チャネルを多角化すること、そして国際情勢の変化に柔軟に対応できる体制を構築することが重要です。
Q.eBayセラーがアメリカ以外の国に販売するメリットは何ですか?
アメリカの関税政策やデミニミス廃止のリスクを回避し、販売市場を広げることで、ビジネスの安定性と成長性を高めることができます。eBay magなどの活用も有効です。

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