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2026.09.04越境ECデミニミス撤廃eBay

デミニミス撤廃と米国宛郵便停止の衝撃 | 越境EC個人セラーが取るべき対策

米国宛郵便物の一時停止とデミニミス撤廃は、越境ECセラーに大きな影響を与えています。個人セラーが取るべき対策と、今後の市場動向について荒木淳平が解説します。

CHAPTERS

  • 00:00デミニミス撤廃と日本郵便の一時停止
  • 01:00デミニミス撤廃の経緯と商業用荷物の扱い
  • 02:30個人セラーへの影響とクーリエの課題
  • 03:45個人セラーの対策「SpeedPAK」とDDP
  • 05:00関税上乗せによる商品価格への影響
  • 06:30米国政府の思惑とバイヤーへの打撃
  • 08:00デミニミス撤廃による市場の混乱予測
  • 09:30国際クーリエ便への影響と過去の教訓

先日、日本郵便が米国宛の商業用荷物の一時引き受け停止を発表しました。これは、アメリカが7月末に発表した大統領令による「デミニミス(少額免税措置)撤廃」の影響なんですよね。8月29日からデミニミスが撤廃されることになり、それに先駆けての措置だと見ています。

米国宛郵便物の一時停止、その背景にある「デミニミス撤廃」とは?

今回の一時停止措置は、郵便物そのものというより、商業的な荷物が対象になっています。つまり、僕らがeBayで販売しているような商品が該当するわけです。

デミニミスとは、一定金額以下の輸入貨物に対して関税や消費税が免除される制度のこと。アメリカではこれまで800ドル以下の輸入貨物がこの免税対象だったんですけど、これを全ての国に対して停止するというのが大統領令の内容でした。日本郵便の停止は、これまでデミニミスに当たっていたものが非対象になったことで、混乱を避けるための予防措置だと僕は考えています。

具体的に言うと、お母さんがアメリカに住む子供に送るような「ギフト」であれば、100ドル以下なら送れるケースもあるみたいです。でも、eBayのような越境ECで商品を売る場合、商業目的とみなされると基本的にデミニミスは適用されません。100ドルなんて、あっという間に超えちゃいますからね。

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個人セラーへの「大打撃」は避けられない

今回の措置は、eBayの個人セラーにとっては本当に大打撃だと思います。僕の予測では、eBayの出品量が1割くらい減ってしまうんじゃないかと。だって、送ることができなければ、出品もできないわけですからね。

影響を受けるのはセラーだけじゃなくて、アメリカのお客さんも同じです。今まで日本から買えていたものが買えなくなるわけですから、バイヤーの選択肢が狭まることになります。特に、日本からじゃないと手に入らないような商品を探しているバイヤーにとっては、かなり深刻な問題じゃないかなと思っています。

DHLやUPS、FedExといった国際クーリエは現状、止まっていません。ただ、これらのクーリエは法人契約が基本なので、個人セラーが気軽に利用できるわけではないのが現状の課題ですね。今まで日本郵便のEMSなどを利用していた個人セラーにとっては、今回の停止は発送手段を失うことを意味します。

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個人セラーが今すぐ取るべき対策「SpeedPAK」

じゃあ、個人セラーはどうしたらいいのか? 現状、個人の方でも契約できる発送手段としては「SpeedPAK(スピードパック)」が有力な選択肢になってきます。SpeedPAK Economyなどを利用して、まずは発送手段を確保するのが先決ですね。

ただし、SpeedPAKを利用する際にはいくつかの制約があります。特に重要なのが「DDP(Delivered Duty Paid)」という関税の支払い条件です。通常、関税は受け取り人(バイヤー)が支払うものですが、SpeedPAK Economyではセラーが事前に関税を支払う仕組みになっているんですよ。

つまり、商品代金に関税分を上乗せしないといけないんです。さらに、送料も今まで使っていたEMSなどと比べて上がる可能性が高いですし、DDPの手数料も数%かかってきます。僕の試算だと、トータルで商品価格の30%くらいは上乗せしないと採算が合わなくなるんじゃないかなと思っています。

例えば、今まで50ドルで売っていた商品を65ドルで売ってトントン、というイメージです。こうなると、よほど日本からでないと買えないような商品でない限り、価格に敏感なバイヤーは購入をためらうようになるでしょう。結果的に、商品の売れ行きは悪くなる可能性が高いですよね。アメリカのバイヤーにとって、いいことであるはずがないんです。

デミニミス撤廃がもたらす「混乱」と「構造変化」

今回のデミニミス撤廃は、アメリカ政府が税収増を狙ったものだと思いますが、市場の現実はそう単純ではありません。全体的に商品価格が上がれば、当然売上は落ちます。売上が落ちれば、税収も結局フラットになるんじゃないか、と個人的には思っています。

アメリカ政府は「安く買おうとする商品は買わなくていい」という考え方なのかもしれません。でも、アメリカでは物価高が続いていて、少しでも安く買おうとeBayのような中古品市場を探している人がたくさんいるわけです。その選択肢が狭まるというのは、貧富の差がさらに広がることに繋がりかねない、と危機感を感じています。

そして、この制度変更がアメリカのバイヤーにどこまで知られているかというと、おそらくほとんどの人はまだ知らないんじゃないでしょうか。市場全体に情報が浸透するまでには1〜2ヶ月はかかるでしょうし、その間に混乱は避けられないはずです。

さらに、国際クーリエ便も無関係ではありません。現状は動いていますが、デミニミス撤廃によって、今まで関税を払わずに受け取れていたバイヤーが関税を請求されることになります。そうすると、当然「受け取り拒否」が増えるんですよね。うちの会社でも、今年の4〜5月に同様のルール変更があった際に、たくさんのお客さんからクレームを受け、商品が大量に戻ってきたという経験があります。

受け取り拒否が増えれば、クーリエ側の処理負担が増大し、遅配や通関のストップといった問題が発生する可能性があります。通関では、中古品でも「リバリュエーション(再評価)」されて、想定以上の関税を請求されるケースも出てくるかもしれません。日本郵便の一時停止は、ある意味で予防措置だったのかもしれない、とさえ思っています。

今後の越境EC市場はどうなるのか?

クーリエ各社も、今後ポリシーを変更して、個人向けの荷物を受け付けなくなる可能性もゼロではありません。各社のポリシーは異なるので、常に最新の情報を追っていくことが重要です。うちの会社でも、何か新しい情報が得られ次第、発信していこうと思っています。

越境ECを取り巻く環境は常に変化しています。今回のデミニミス撤廃は大きな転換点ですが、情報収集と柔軟な対応で乗り越えていきましょう。

FAQ

Q.デミニミス撤廃とは何ですか?
デミニミスとは、一定金額以下の輸入貨物に対する関税・消費税の免除制度です。アメリカではこれまで800ドル以下が対象でしたが、大統領令により全ての国に対するこの免税措置が停止されました。
Q.日本郵便の米国宛荷物の一時停止はなぜ起きたのですか?
アメリカのデミニミス撤廃に伴い、これまで免税だった商業用荷物に関税がかかるようになるため、混乱を避ける目的で日本郵便が一時的に引き受けを停止しました。
Q.個人セラーがアメリカに送る方法はありますか?
日本郵便が停止している間、個人セラーが利用できる現実的な選択肢としてSpeedPAK Economyがあります。個人でも契約可能ですが、関税の支払い条件などに注意が必要です。
Q.SpeedPAK Economy利用時の注意点は何ですか?
SpeedPAK Economyでは、通常バイヤーが支払う関税をセラーが事前に支払う「DDP」が適用されます。そのため、商品価格に関税分を上乗せする必要があります。
Q.商品価格はどれくらい上がる可能性がありますか?
DDPによる関税負担、送料の上昇、DDP手数料などを考慮すると、商品価格は元の価格から約30%程度上乗せする必要があると考えています。
Q.デミニミス撤廃でバイヤーにはどのような影響がありますか?
今まで日本から免税で購入できていた商品に関税がかかるため、購入価格が大幅に上昇します。これにより、バイヤーの選択肢が狭まり、購入を控えるケースが増えるでしょう。
Q.国際クーリエ便も影響を受けますか?
はい、クーリエ便自体は止まっていませんが、バイヤーが関税を拒否する「受け取り拒否」が増える可能性があります。これにより、遅配や通関の混乱、さらにはクーリエのポリシー変更も起こり得ます。
Q.今後の越境EC市場はどうなると予想されますか?
商品価格の上昇による売上減、バイヤーの購買意欲低下、物流の混乱などが予想されます。セラーは常に情報収集を行い、柔軟な発送戦略を立てていくことが重要になります。

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