米国宛郵便物停止とデミニミス撤廃:越境ECセラーが取るべき対策とは?
米国宛郵便物の一時停止とデミニミス撤廃が越境ECに与える影響を解説。荒木淳平がセラーが今すぐ取るべき価格戦略、販路分散、代替物流の具体策を語ります。
米国宛の郵便物が一時的に引き受け停止になるというニュースは、越境ECで米国市場をメインにしているセセラーさんにとっては、かなり衝撃的だったんじゃないかなと思います。僕もこの発表を聞いて、いよいよ来たか、という感覚でしたね。他の国でも米国宛の荷物の一時停止が相次いでいたので、日本も時間の問題だろうとは思っていたんです。
これは間違いなく、米国で進む「デミニミス撤廃」の動きと密接に関わっています。関税の対応もそうですが、受け取り拒否が続出する可能性が高まることへの対策でもあると僕は見ています。じゃあ、僕ら越境ECセラーはどうすればいいのか。今回は、この米国宛郵便物一時停止の背景と、今すぐ取るべき具体的な対応策について話していこうと思います。
米国「デミニミス撤廃」とは何か?何が起きたのか?
まず、今回の事態の背景にある「デミニミス撤廃」について簡単に説明させてください。「デミニミス」というのは、輸入される商品の価格が一定額以下であれば、関税や税金が免除される制度のことなんです。米国ではこの基準が800ドルと高めに設定されていたため、越境ECにとっては非常に有利な制度でした。
しかし、2025年7月30日に米国大統領令で「すべての国に対する免税措置待遇の停止」が発表され、状況は一変しました。そして、続く8月15日には米国CBP(税関・国境警備局)がガイドラインを発表したんです。これにより、これまでは免税対象だった少額貨物も関税の対象となり、運送事業者が関税保証金の納付や通関申告を担う仕組みへと変わることになりました。
ただ、この新しい制度の運用がまだ不明確な部分が多く、現場ではかなり混乱しています。特に、世界中の郵便事業体にとっては、この複雑な新制度にスムーズに対応することが非常に困難な状況だった、というのが正直なところです。
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日本郵便の対応と引受停止の対象
そうした状況を受けて、日本郵便も米国宛の荷物について、8月27日から一部の引受を一時停止すると発表しました。具体的に何が対象になるかというと、大きく分けて二つあります。
一つは、個人間の贈答品で100USD(米ドル)を超えるもの。もう一つは、消費を目的とする販売品です。これまで、例えばeBayで販売した商品を「gift」として申告することで免税扱いになるケースも一部ありましたが、そういった抜け道は基本的に使えなくなると考えていいでしょう。販売品はすべて「消費目的の貨物」として扱われることになります。
一方で、書状、はがき、印刷物、EMS(国際スピード郵便)、そして100USD以下の個人間贈答品については、引き続き引受が継続されます。つまり、僕ら越境ECセラーが主に利用してきた、小形包装物や国際eパケットライトのような安価な発送手段で、米国宛に販売品を送ることができなくなる、ということです。これは、本当に厳しい判断だと感じています。
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越境ECセラーへの具体的な影響
この引受停止は、僕ら越境ECセラーにとって非常に大きな影響を及ぼします。これまで、日本郵便の小形包装物や小包、そしてEMSを使って米国に商品を発送していたセラーさんにとっては、まさに直撃弾です。
まず、販売品はすべて「消費目的の貨物」として扱われるため、どんなに安価な商品であっても、基本的にすべて関税の対象になります。これは、購入者側に関税負担が発生する可能性が高まる、ということでもあります。
そして、これまで活用していた安価な発送手段が使えなくなることで、送料が大幅に上がってしまいます。送料が高くなれば、当然、商品の価格に転嫁せざるを得ません。そうなると、米国市場での価格競争力が低下し、売上に影響が出るのは避けられないでしょう。うちでも、これまでメインで使っていた配送方法が使えなくなることで、価格設計の見直しを急ピッチで進めているところです。
代替手段は存在するのか?
では、日本郵便のサービスが使えなくなった今、他に代替となる発送手段はあるのでしょうか。いくつか選択肢はありますが、現状で現実的なのは限られていると感じています。
一つは、大手キャリアの提供する「スピードパックエコノミー」のようなサービスです。これはアメリカ向け専用のDDP(Delivered Duty Paid:関税元払い)での輸送になるのが特徴です。DDPでは、販売者が事前に購入者の関税を負担するため、購入者側に関税のサプライズがなく、受け取り拒否のリスクを減らせるメリットがあります。ただし、これまでのDDU(Delivered Duty Unpaid:関税着払い)サービスは一時停止されています。
また、郵便局も「UGX(Universal Global Express)」という新しいサービスを推奨しています。これは米国税関規制に対応した輸送サービスだそうですが、送料は従来のEMSなどに比べて高額になる見込みです。僕も詳細を調べているところですが、やはりコスト増は避けられないだろうな、と考えています。
越境ECセラーが今すぐ取るべき対策
このような状況で、僕ら越境ECセラーが今すぐやるべきことはいくつかあります。手をこまねいているだけでは、ビジネスが立ち行かなくなってしまいますからね。
1. 価格設計の見直し
まず、一番重要になるのが「価格設計の見直し」です。これまではDDUが主流で、購入者に関税を負担してもらうケースが多かったと思いますが、今後はDDPがベースになることを想定して、商品の価格にしっかり関税コストを織り込む必要があります。関税分を上乗せするのか、利益率を調整して吸収するのか、戦略的に考えるべきです。購入者にとっての総支払額を明確に提示できるように準備しましょう。
2. 販路分散
次に、「販路分散」は本当に重要だと、ここ数年越境ECをやってきて痛感しています。米国市場は非常に大きいのは間違いないんですけど、何かあった時に一極集中しているとダメージが大きい。今回の件もそうですが、為替変動や貿易政策の変更など、リスクは常に存在します。
米国依存を避け、欧州やアジアなど、他の市場へも出品を広げることを真剣に検討してください。うちでも、米国以外の市場を強化する動きを加速させています。新しい市場を開拓するには時間も労力もかかりますが、長期的なビジネスの安定のためには不可欠な投資だと僕は考えています。
3. 最新情報の収集と迅速な対応
そして、何よりも大事なのが「情報収集」です。米国CBPのガイドラインや、各物流会社の最新情報を常にチェックするようにしてください。状況は刻一刻と変化する可能性がありますから、アンテナを高く張り、変化の兆しをいち早く捉えて、迅速に対応することが求められます。僕も、関連するニュースやアナウンスは毎日チェックするようにしています。
4. 受け取り拒否のリスク増大への備え
DDPに移行しても、購入者が関税を含んだ価格に対して「高い」と感じて受け取りを拒否する可能性は高まります。これまでは関税がかからなかったのに、急に関税がかかるようになるわけですから、購入者からすれば納得がいかない、というケースも出てくるでしょう。売る場合は、ある程度の返品を覚悟して販売する、という心構えも必要になります。返品ポリシーを明確にし、購入者への説明も丁寧に行うことが大切です。
今回の米国宛郵便物の一時停止とデミニミス撤廃は、越境ECセラーにとって大きな試練であることは間違いありません。しかし、これをピンチと捉えるだけでなく、ビジネスモデルを見直す良い機会だと前向きに捉えることもできるはずです。迅速な情報収集と対応、そして柔軟な戦略変更で、この困難を乗り越えていきましょう。
FAQ
Q.米国「デミニミス撤廃」とは何ですか?
Q.日本郵便の米国宛郵便物の一時停止で、どんな荷物が送れなくなりますか?
Q.越境ECセラーにとっての主な影響は何ですか?
Q.米国宛の代替発送手段はありますか?
Q.越境ECセラーが今すぐ取るべき対策は何ですか?
Q.DDPとDDUの違いは何ですか?
Q.受け取り拒否が増える可能性はありますか?
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