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2026.07.12越境EC米国関税貿易政策

米国新関税案12.5%が越境ECに与える影響と対策:荒木淳平の視点

越境EC経営者・荒木淳平が、米国が提案する対日12.5%関税案の現状と越境EC事業者が取るべき対策を解説。法的な安定性や米国特有の「証明責任」の壁について深掘り。

今、越境ECで米国市場をターゲットにしている事業者の方々にとって、非常に気になるニュースがありますよね。それは、米国が日本に対して提案している「対日12.5%の追加関税案」です。

正直なところ、この話を聞いて「うちのビジネスはどうなるんだ?」と不安に感じている方も少なくないと思います。僕も毎日、この情報にはアンテナを張っていますが、まずは冷静に現状を把握することが大切だと考えています。

対日12.5%関税案、現状の理解と冷静な対応

まず、一番大事なことからお話ししますね。この「対日12.5%の関税案」というのは、現時点では米通商代表部(USTR)が進めている「提案段階」であって、まだ確定したわけではないんです。ここを誤解してしまうと、不必要な混乱を招きかねませんから、まずは冷静にこの事実を受け止める必要があります。

もちろん、提案だからといって無視していいわけではありません。むしろ、この提案が現実になる可能性を十分に考慮し、今から対策を講じておくべきだと僕は考えています。特に越境EC事業者は、情報収集と迅速な対応が命ですからね。

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なぜ日本が狙われるのか?背景にある強制労働問題と実効税率

では、なぜ日本がこの追加関税の対象になり得るのか。その背景には、中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が大きく関係していると言われています。アメリカ側から見ると、日本は「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなされ、追加関税のグループに入れられてしまった、というのが現状の解釈です。

この話を聞くと、「え、そんなことまで影響するの?」と思うかもしれません。しかし、国際貿易の世界では、サプライチェーン全体の人権問題や環境問題への対応が、ビジネスの可否を左右する時代になっているということなんです。僕ら事業者は、自社の商品がどこで、どのように作られているか、その透明性を常に意識していく必要があると痛感しています。

実効税率は「上限15%」に収まる見込み

もう一つ、関税のパーセンテージについても補足しておきましょう。単純に今の関税に「+12.5%」が上乗せされるわけではない、という見方が強いです。関税の上限は15%に抑えられる見込みなんですね。つまり、今まで関税0%だった商品は12.5%になる可能性が高いですが、すでに数%かかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高いと言われています。これは、いわゆる「実効税率」の話で、一見すると大きな数字に見えても、全体の枠組みの中での調整が行われるということですね。

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米国特有の「証明責任」が越境EC事業者に突きつける壁

「なんだ、まだ提案段階だし、上限もあるなら、そこまで気にしなくてもいいんじゃないか?」

そう思われた方もいるかもしれません。しかし、残念ながらそうは問屋が卸さない、というのが僕の正直な感想です。この関税案には、パーセンテージ以上に恐ろしい壁が潜んでいるんです。

長引く「301条措置」の法的安定性

今回の提案の根拠となっているのは、米国の「通商法301条」という法律です。この301条措置は、一度実施されてしまうと、その法的な安定性が非常に高く、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴があります。つまり、もしこの関税が発動されてしまうと、長期にわたって僕らのビジネスに影響を及ぼし続ける可能性がある、ということなんです。一時的な対応で済む話ではない、と覚悟しておくべきでしょう。

日本と真逆!「疑わしきはまず止める」という税関のスタンス

そして、僕が最も懸念しているのが、米国税関の「疑わしきはまず止める」という極めて厳格なスタンスです。日本の法律は「疑わしきは罰せず」が基本ですが、アメリカの税関は真逆なんです。

少しでも怪しい、あるいは提出された書類に不備があると感じたら、まず商品を輸入ストップします。そして、問題がないことを「企業側」に証明させる、というめちゃくちゃ厳しい対応を取るんです。これを「証明責任」と言いますが、この責任を負うのが、僕たち越境EC事業者なんです。

実際に、過去にも日本企業の商品が「材料の出所が証明できない」という理由で税関で差し止められた事例は枚挙にいとまがありません。僕はこれまで様々な越境ECの現場を見てきましたが、この「証明責任」こそが、関税のパーセンテージ以上に恐ろしい壁になると感じています。

たとえ関税が12.5%になったとしても、その商品が税関で止められてしまえば、売上はゼロになってしまいますし、最悪の場合、商品が廃棄されたり、返送コストがかかったりするリスクもあります。僕らのビジネスにとって、これは致命的な打撃になりかねません。

まとめと今後の対策

今回の「対日12.5%の関税案」は、まだ提案段階ではありますが、越境EC事業者は決して軽視してはいけない問題です。特に、米国特有の「証明責任」の厳しさを理解し、サプライチェーンの透明性を高める準備を今から進めることが重要だと思います。

具体的には、商品の原材料や製造工程のトレーサビリティを確保し、税関から求められた際に迅速に証明できる体制を整えること。そして、常に最新の情報をキャッチアップし、状況に応じて柔軟に対応できるビジネスモデルを構築していくこと。これらが、僕たち越境EC事業者が生き残っていくための鍵になるんじゃないかと考えています。

もちろん、僕もこの状況を注視しながら、皆さんに役立つ情報や具体的な対策を今後も発信していきたいと思っています。不確実な時代だからこそ、情報を共有し、共に乗り越えていきたいですね。

FAQ

Q.米国が提案する対日12.5%関税案は既に決定事項ですか?
いいえ、現時点では米通商代表部(USTR)による「提案段階」であり、まだ確定したわけではありません。しかし、越境EC事業者は現実となる可能性を考慮し、対策を検討すべきです。
Q.なぜ日本が追加関税の対象として検討されているのですか?
中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が背景にあります。米国側は、日本が強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていないと見なしているためです。
Q.関税が12.5%上乗せされると、実質的にどれくらいの税率になりますか?
単純に12.5%が上乗せされるわけではなく、関税の上限は15%に抑えられる見込みです。既存の関税と合わせて、合計で最大15%程度に調整される可能性が高いとされています。
Q.「通商法301条措置」とは何ですか?
米国の通商法301条に基づき、他国の不公正な貿易慣行に対して制裁を課す措置です。一度実施されると法的安定性が高く、大統領が変わっても覆りにくい特徴があります。
Q.米国税関の「証明責任」とは具体的にどういうことですか?
米国税関は、少しでも疑わしい輸入貨物に対して、問題がないことを企業側が自ら証明するよう求めます。証明できない場合、商品の輸入が差し止められたり、廃棄されたりするリスクがあります。
Q.越境EC事業者は、この関税案に対してどのような対策を取るべきですか?
商品の原材料や製造工程のトレーサビリティを確保し、税関の要求に迅速に対応できる体制を整えることが重要です。また、常に最新情報を収集し、柔軟なビジネスモデルを構築することが求められます。

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