ブラックフライデー2025は本当に好調だったのか?データと「推し消費」から見るEC市場の未来
2025年のブラックフライデー市場データを深掘り。インフレ下の消費動向と、今後のECビジネスで重要になる「推し消費」について、経営者・荒木淳平が解説します。
CHAPTERS
- 00:00ブラックフライデー2025は好調だったのか?
- 00:50アメリカ市場の全体的な結果と内容
- 02:45今後、ECはどう安売りを避けるべきか?
- 03:30「推しストア」の重要性と消費の二極化
- 05:00「推しストア」になるための具体的な方法
今年のブラックフライデーは、全体的には「まあまあ良い」という結果だったんですけど、その内容を見ると、手放しで喜べるような状況ではなかった、というのが僕の正直な感想ですね。
ブラックフライデー2025、アメリカ市場の全体像は?
まずアメリカの小売り売上高全体(車を除く)で言うと、前年比でプラス4.1%でした。インフレの影響で厳しいかも、という見方もありましたが、数字としては伸びています。その内訳を見ると、オンラインがプラス10.4%と非常に好調だった一方で、実店舗はプラス1.7%と平均を下回る伸びに留まっています。オンラインが全体を牽引した構図ですね。
しかし、売れた商品の種類を見ると、その実態が見えてきます。結局、大きく割引された商品ばかりが売れていて、通常のプロパー商品(定価販売品)はあまり動かなかったんですよ。消費者がインフレによって価格にシビアになっている、という状況が浮き彫りになったと言えるでしょう。
最終的にこの消費を支えたのは、高所得者層だったというデータもあります。お金持ちが割引商品を買い支える形で、なんとか前年並みの売上を維持できた、という見方もできますね。アメリカのインフレ率を考えると、売上高が4.1%伸びたとしても、実質的な成長とは言い難いんじゃないかと僕は思っています。
特に割引が大きかったジャンルは、おもちゃ、家電が30%前後、衣料品も25%OFFといった具合でした。平均的な割引率が28%引きというのは、かなり大きい数字ですよね。粗利が30〜40%の商品が多い中で、28%引きで売れたとしても、お店に残る利益はほとんどない、というケースも少なくなかったはずです。値引きしないと売れない、という状況は、景気としては決して良いサインではないと感じています。
ライブコマースの配信
今後、価格競争は避けられないのか?
安くするのは一時的に売上を伸ばす一つの方法だとは思います。でも、それを継続的にやるのは不可能なんですよね。だって、利益が薄くなってしまっては、ビジネスとして成り立ちませんから。だから、今後の方向性としては、日本もそうだと思うんですけど、「推し」の文化が世界的にやっぱりあるんですよ。
これからのECでは、「推しストア」になるべきだと僕は考えています。消費は大きく二極化していると思っていて、一つはAmazonのようなサイトで、いつも同じような商品を「超簡単に買いたい」というニーズ。もう一つは、たまにしか買わないような商品や、少し特別なものを「自分の好きなお気に入りのお店で買いたい」というニーズです。
この二極のうち、Amazonのような「超簡単」を目指しても、正直、勝ち目はないと僕は思っています。AmazonにYahoo!ショッピングや楽天市場だって勝てていないわけですから、僕らがAmazonに勝とうとするのは、まあまあ難しいですよ。そう考えると、もう片方の「推し」の方を目指した方が良いんじゃないかと。
だから、消耗品やコモディティ(差別化が難しい汎用的な商品)をオンラインで売るのは、これからさらに厳しくなっていくでしょう。オンラインで勝負するのであれば、際立った商品を扱うか、お客さんから「選ばれる」ようなお店になることが、これから売れるための鍵になると思うんです。
うちもライブコマースをやっていて感じるんですけど、推しのインフルエンサーが出てきて、その人が売るから買う、という消費行動が実際にありますよね。この「このストアから買いたい」という気持ちが、1〜2%でも利益率を上げるためのコツになってくるんじゃないかな。自分が何か買いたい時って、「ここからなんとなく買いたい」という気持ち、ありますよね。その「なんとなく」が、すごく大事だと思うんですよ。
EC・オンライン物販
「推しストア」になるには、何をすべきか?
「推しストア」を作る一番分かりやすい方法は、今の時代だとやっぱりライブコマースですね。うちでもやっていますけど、インタラクティブな(双方向の)コミュニケーションができるのが良いんですよ。そうすることによって、「ここで買いたい」と思わせるきっかけが生まれるんです。
ただ、全員がライブコマースをできるわけではありません。eBayのライブコマースは使えますが、Shopifyのようなプラットフォームだと、まだそういった機能が充実していないケースもあります。そういう時に僕がおすすめしたいのは、やっぱり「顔を出す」ということじゃないでしょうか。
例えば、スタッフが和気あいあいと働いている写真を出すとか、スーパーで農家さんが「私が作りました」と顔写真を出しているのと同じですよね。あれも買う要因になっているじゃないですか。お店の雰囲気や、そこで働く人の顔が見えることで、安心感が生まれて「ここで買いたい」という気持ちにつながるんです。インプラントのクリニックなんかも、顔を出して安心感を醸成する戦略を取っていますよね。
結局は、お客さんとの「コミュニケーション」だと思うんです。顔を見せて腹を割って話す、とまではいかなくても、メールで「今寒いのでお体にお気をつけください」と一言添えるだけでも、受け取った方は嬉しいじゃないですか。そういうちょっとした心遣いや、お店だったら話しかけてあげること。その一言が、次もまたこのお店で買おうか、という分かれ道になってくるはずです。皆さん、ぜひそういった工夫をどんどんしていってほしいですね。
FAQ
Q.ブラックフライデー2025のアメリカ市場の全体的な動向はどうでしたか?
Q.なぜブラックフライデーの売上は手放しで喜べない状況だったのですか?
Q.今後のEC市場で「価格競争」は避けられないのでしょうか?
Q.ECにおける「推しストア」とは具体的にどのようなお店を指しますか?
Q.「推しストア」になるためには、どのような施策が有効ですか?
Q.消費の二極化とはどういうことですか?
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