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2026.01.14ブラックフライデー越境ECEC市場

ブラックフライデー2025は本当に好調だったのか?データと「推し消費」から見るEC市場の未来

2025年のブラックフライデー市場データを深掘り。インフレ下の消費動向と、今後のECビジネスで重要になる「推し消費」について、経営者・荒木淳平が解説します。

CHAPTERS

  • 00:00ブラックフライデー2025は好調だったのか?
  • 00:50アメリカ市場の全体的な結果と内容
  • 02:45今後、ECはどう安売りを避けるべきか?
  • 03:30「推しストア」の重要性と消費の二極化
  • 05:00「推しストア」になるための具体的な方法

今年のブラックフライデーは、全体的には「まあまあ良い」という結果だったんですけど、その内容を見ると、手放しで喜べるような状況ではなかった、というのが僕の正直な感想ですね。

ブラックフライデー2025、アメリカ市場の全体像は?

まずアメリカの小売り売上高全体(車を除く)で言うと、前年比でプラス4.1%でした。インフレの影響で厳しいかも、という見方もありましたが、数字としては伸びています。その内訳を見ると、オンラインがプラス10.4%と非常に好調だった一方で、実店舗はプラス1.7%と平均を下回る伸びに留まっています。オンラインが全体を牽引した構図ですね。

しかし、売れた商品の種類を見ると、その実態が見えてきます。結局、大きく割引された商品ばかりが売れていて、通常のプロパー商品(定価販売品)はあまり動かなかったんですよ。消費者がインフレによって価格にシビアになっている、という状況が浮き彫りになったと言えるでしょう。

最終的にこの消費を支えたのは、高所得者層だったというデータもあります。お金持ちが割引商品を買い支える形で、なんとか前年並みの売上を維持できた、という見方もできますね。アメリカのインフレ率を考えると、売上高が4.1%伸びたとしても、実質的な成長とは言い難いんじゃないかと僕は思っています。

特に割引が大きかったジャンルは、おもちゃ、家電が30%前後、衣料品も25%OFFといった具合でした。平均的な割引率が28%引きというのは、かなり大きい数字ですよね。粗利が30〜40%の商品が多い中で、28%引きで売れたとしても、お店に残る利益はほとんどない、というケースも少なくなかったはずです。値引きしないと売れない、という状況は、景気としては決して良いサインではないと感じています。

ライブコマースの配信ライブコマースの配信

今後、価格競争は避けられないのか?

安くするのは一時的に売上を伸ばす一つの方法だとは思います。でも、それを継続的にやるのは不可能なんですよね。だって、利益が薄くなってしまっては、ビジネスとして成り立ちませんから。だから、今後の方向性としては、日本もそうだと思うんですけど、「推し」の文化が世界的にやっぱりあるんですよ。

これからのECでは、「推しストア」になるべきだと僕は考えています。消費は大きく二極化していると思っていて、一つはAmazonのようなサイトで、いつも同じような商品を「超簡単に買いたい」というニーズ。もう一つは、たまにしか買わないような商品や、少し特別なものを「自分の好きなお気に入りのお店で買いたい」というニーズです。

この二極のうち、Amazonのような「超簡単」を目指しても、正直、勝ち目はないと僕は思っています。AmazonにYahoo!ショッピングや楽天市場だって勝てていないわけですから、僕らがAmazonに勝とうとするのは、まあまあ難しいですよ。そう考えると、もう片方の「推し」の方を目指した方が良いんじゃないかと。

だから、消耗品やコモディティ(差別化が難しい汎用的な商品)をオンラインで売るのは、これからさらに厳しくなっていくでしょう。オンラインで勝負するのであれば、際立った商品を扱うか、お客さんから「選ばれる」ようなお店になることが、これから売れるための鍵になると思うんです。

うちもライブコマースをやっていて感じるんですけど、推しのインフルエンサーが出てきて、その人が売るから買う、という消費行動が実際にありますよね。この「このストアから買いたい」という気持ちが、1〜2%でも利益率を上げるためのコツになってくるんじゃないかな。自分が何か買いたい時って、「ここからなんとなく買いたい」という気持ち、ありますよね。その「なんとなく」が、すごく大事だと思うんですよ。

EC・オンライン物販EC・オンライン物販

「推しストア」になるには、何をすべきか?

「推しストア」を作る一番分かりやすい方法は、今の時代だとやっぱりライブコマースですね。うちでもやっていますけど、インタラクティブな(双方向の)コミュニケーションができるのが良いんですよ。そうすることによって、「ここで買いたい」と思わせるきっかけが生まれるんです。

ただ、全員がライブコマースをできるわけではありません。eBayのライブコマースは使えますが、Shopifyのようなプラットフォームだと、まだそういった機能が充実していないケースもあります。そういう時に僕がおすすめしたいのは、やっぱり「顔を出す」ということじゃないでしょうか。

例えば、スタッフが和気あいあいと働いている写真を出すとか、スーパーで農家さんが「私が作りました」と顔写真を出しているのと同じですよね。あれも買う要因になっているじゃないですか。お店の雰囲気や、そこで働く人の顔が見えることで、安心感が生まれて「ここで買いたい」という気持ちにつながるんです。インプラントのクリニックなんかも、顔を出して安心感を醸成する戦略を取っていますよね。

結局は、お客さんとの「コミュニケーション」だと思うんです。顔を見せて腹を割って話す、とまではいかなくても、メールで「今寒いのでお体にお気をつけください」と一言添えるだけでも、受け取った方は嬉しいじゃないですか。そういうちょっとした心遣いや、お店だったら話しかけてあげること。その一言が、次もまたこのお店で買おうか、という分かれ道になってくるはずです。皆さん、ぜひそういった工夫をどんどんしていってほしいですね。

FAQ

Q.ブラックフライデー2025のアメリカ市場の全体的な動向はどうでしたか?
小売売上高全体は前年比+4.1%と伸びましたが、オンラインが牽引し、実店舗は伸び悩みました。売れたのは割引商品が中心で、インフレによる消費者の価格志向が鮮明になりました。
Q.なぜブラックフライデーの売上は手放しで喜べない状況だったのですか?
売上の伸びは主に割引商品によるもので、プロパー商品が不調でした。また、高所得者層が消費を支え、インフレ率を考慮すると実質的な成長とは言い難い状況だったためです。
Q.今後のEC市場で「価格競争」は避けられないのでしょうか?
安売りは一時的な戦略でしかなく、継続は困難です。これからは価格競争ではなく、「推し」の文化を活かし、顧客に選ばれる「推しストア」を目指すことが重要だと考えています。
Q.ECにおける「推しストア」とは具体的にどのようなお店を指しますか?
単なる商品販売だけでなく、顧客が「ここで買いたい」と感情的に思えるようなお店です。Amazonのような利便性とは異なり、特別な体験や共感を提供できる場所を指します。
Q.「推しストア」になるためには、どのような施策が有効ですか?
ライブコマースのようにインタラクティブなコミュニケーションを取るのが効果的です。また、スタッフの顔を見せる、手書きメッセージを添えるなど、人間味のある接客や情報発信で信頼と親近感を築くことが重要です。
Q.消費の二極化とはどういうことですか?
一つはAmazonのように「超簡単に買いたい」という利便性を求める層。もう一つは、自分の好きなお店で「特別なものを買いたい」という体験や感情を重視する層の二つに消費行動が分かれていることを指します。

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