越境ECの利益を激減させる物流コスト変化の背景と対策【荒木淳平】
越境ECセラーを悩ませる物流コスト高騰。DHLの3%値上げを皮切りに、その背景にあるトランプ関税やインフレ、そしてセラーが今すぐ取るべき5つの対策をJP.Company代表の荒木淳平が解説。
CHAPTERS
- 00:00越境ECセラーに忍び寄る物流コストの変化
- 00:45DHL値上げの背景と理由
- 02:103%の値上げが与える影響
- 03:00他配送会社も追随の可能性
- 03:40越境ECセラーが今やるべき対策
越境ECビジネスを手掛ける皆さんにとって、物流コストは常に頭を悩ませる課題の一つだと思います。特に最近、DHLが送料を一律3%値上げするというニュースは、多くのセラーにとって大きな衝撃だったんじゃないでしょうか。僕もこの業界に長く身を置いていますが、物流コストの変動は利益に直結するので、常に注視しているポイントなんですよね。
越境ECセラーに忍び寄る「物流コスト高騰」の現実
「たかが3%」と思うかもしれませんけど、越境ECで利益を積み重ねていく上で、この3%は決して無視できない数字なんですよ。特に単価の低い商品を扱っている場合は、送料の値上げがそのまま利益を削り取ってしまいますから。僕らのような中小企業にとって、数パーセントの変動は事業計画に大きな影響を与えるんです。実際、うちでもコスト変動のたびに利益率を再計算して、販売戦略を見直す作業は欠かせません。
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DHL値上げの背景にある3つの要因とは?
今回のDHLの値上げには、いくつかの複雑な要因が絡み合っていると見ています。単なる一企業の都合だけではない、世界的な潮流が背景にあるんですよね。
1. トランプ関税の影響による通関処理の複雑化
まず一つは、アメリカの「トランプ関税」が原因だと考えています。これは、米国向けの輸入品に対して追加で課される関税のことです。これによって、通関処理がものすごく複雑になりました。税金表示や申告作業が追加されて、DHL側もその業務量が増大し、それに伴って人件費も上がってしまうんですよね。実際に現場では、これまで以上に細かな情報確認が必要になっていて、その負担は決して小さくないと感じています。
2. 世界的なインフレと人件費の上昇
二つ目は、世界的なインフレと人件費の高騰です。特に航空貨物業界では、燃料費の上昇はもちろん、人員の確保も以前より難しくなってきているんですよ。コロナ禍以降、物流の需要が急増した一方で、それに伴う人手不足が深刻化しています。人件費が上がれば、当然、運賃にも転嫁されてくるのは避けられない流れなんです。
3. 年末の物流ピークに向けた先行対応
そして三つ目は、毎年恒例の「年末の物流ピーク」への先行対応という側面もあると思います。例年11月から12月にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、eコマースの需要が爆発的に増える時期ですよね。この時期に荷物が集中すると、物流網がパンクするリスクが高まります。DHLとしては、一気に値上げするよりも、段階的に価格調整を進めることで、年末の混乱を最小限に抑えようとしているんじゃないかと見ています。毎年1〜2月に値上げするケースが多いので、今回は少し早い動きなんですよね。
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3%の値上げが越境ECの利益に与える具体的な影響
「たった3%」と侮ってはいけません。例えば、送料が30ドルの場合、3%増で30.90ドルになります。この0.90ドルが、積み重なると非常に大きな金額になるんですよ。特に僕らが扱うようなラグジュアリーリユース品は高単価なものが多いですが、一方で単価の低いアクセサリーなどを大量に販売しているセラーにとっては、この3%がダイレクトに利益を圧迫します。
アメリカ宛の場合は、関税に加えて送料も上がるわけですから、「関税+送料」のダブルパンチですよ。これでは「売れない」というより、「儲からない」状態に陥ってしまうんですよね。僕の周りのセラーさんからも、「このままだと利益が出ない」という声が多数上がっています。
DHLに追随する他配送業者の動向と市場への波及
今回のDHLの値上げは、おそらく他の配送業者も追随する可能性が高いと僕は見ています。FedExやUPS、そして日本郵便などの国際郵便サービスも、DHLと共通のコスト構造を抱えていますからね。特にアメリカ向けの関税処理の増加は、どの配送会社にとっても共通の負担です。
早ければ10月から11月にかけて、他社も値上げを検討しているという話も耳にします。つまり、今回のDHLの動きは、越境EC業界全体の物流コスト上昇の序章に過ぎないかもしれない、という危機感は持っておくべきだと思います。
今すぐ始めるべき越境ECセラーの5つの対策
では、僕たち越境ECセラーは、この状況に対してどう対処していけばいいのでしょうか。いくつか具体的な対策を提案したいと思います。
1. 送料込み表示に切り替えるか検討する
一つ目は、商品価格に送料を含める「送料込み表示」への切り替えを検討することです。購入者から見れば、最終的な支払い額が明確になり、心理的なハードルが下がることが期待できます。送料を別途請求するよりも、値上げの影響を吸収しやすいというメリットもありますね。うちでも、一部の商品でこの表示方法を試しています。
2. 配送方法別の利益率を再計算する
二つ目は、利用している配送方法ごとの利益率を改めて計算し直すことです。DHLだけでなく、FedEx、UPS、EMSなど、それぞれの配送サービスでいくら利益が出ているのかを正確に把握することが重要です。値上げによってどの配送方法が最も効率的でなくなるのかを特定し、場合によってはメインの配送方法を見直す必要が出てくるかもしれません。
3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする
三つ目は、商品単価を上げるか、一度に購入される数量を増やすことで、利益率をカバーする方法です。例えば、関連商品をセット販売したり、高付加価値な商品にシフトしたりするのも一つの手です。送料は荷物一つにかかる費用なので、単価や数量が上がれば、相対的に送料の負担割合を下げることができます。
4. アメリカ依存を下げる
四つ目は、販売先の国・地域の分散です。特に今回はアメリカ向けの関税が値上げの大きな要因の一つですから、アメリカ市場への依存度が高いセラーは、他の成長市場に目を向けるべきです。ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど、多様な市場にリスクを分散することで、特定の国・地域の物流コスト変動による影響を軽減できます。実際に僕も、シンガポールなどのアジア市場にも注目していますね。
5. SpeedPAKなどeBay公式配送との比較もしておく
五つ目は、eBayが提供する「SpeedPAK」のような公式配送サービスとの比較検討です。SpeedPAKは、eBayのセラー向けに最適化された配送サービスで、比較的安価に利用できるケースもあります。他の配送業者との料金や配送スピード、追跡機能などを比較し、自社の商品や顧客層に合った最適な選択肢を見つけることが大切です。
まとめ:変化に柔軟に対応する越境EC戦略を
越境ECの世界は、常に変化し続けています。今回の物流コストの値上げも、その変化の一つとして捉え、柔軟に対応していくことが僕たち経営者には求められています。正直なところ、eBayさんにもう少し送料を下げてほしいという気持ちは常に持っているんですけど(笑)、現状を変えることは難しいので、僕たち自身が戦略を変えていくしかないんですよね。
今後も、このような市場の変化にいち早く対応し、皆さんの越境ECビジネスがより成長していくための情報を提供していきたいと思っています。ぜひ、今回の記事を参考に、皆さんのビジネス戦略を見直してみてください。
FAQ
Q.越境ECの物流コスト値上げの主な原因は何ですか?
Q.DHLの値上げ幅はどのくらいですか?
Q.他の配送業者も物流コストを値上げする可能性はありますか?
Q.越境ECセラーが送料込み表示に切り替えるメリットは何ですか?
Q.越境ECでアメリカ市場への依存を下げるにはどうすれば良いですか?
Q.SpeedPAKとはどのような配送サービスですか?
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