米国メルカリは「失速」じゃない。MAU減でも売上増、成熟市場で学ぶべき成長戦略
米国メルカリがユーザー数減少にも関わらず売上を伸ばす理由を、越境EC経営者・荒木淳平が解説。成熟市場における既存顧客深掘り戦略とカテゴリ集中戦略の重要性を探ります。
CHAPTERS
- 00:00オープニングトーク
- 00:00①今、米国メルカリで起きていること
- 00:00②なぜユーザー数が伸びないのか?
- 00:00③なぜGMVは伸びているのか?
- 00:00④メルカリUSが取っている施策
- 00:00⑤eBayセラーへの示唆
- 00:00エンディング
米国メルカリの現状を見ると、アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比で約4%減少しているんですが、総取引額(GMV)は前年比12%増の約1億9600万ドルと大きく伸びていて、黒字も維持しているんですよね。
これ、一見すると「ユーザーが減ってるのに売上が伸びるってどういうこと?」って不思議に思う人もいるかもしれません。僕も最初は驚きました。でも、ここが今日のポイントなんです。今のメルカリUSは「人を増やすフェーズ」じゃなくて、「今いるユーザーからどれだけ売買してもらうか」というフェーズに入っているんですよ。
米国メルカリに今、何が起きているのか?失速ではない成長モデルの転換
まず、今の米国メルカリで何が起きているのかを整理してみましょう。ポイントは3つあると思っています。
GMVは前年同期比で12%成長し、約1億9600万ドルに達しています。そして、利益もしっかり黒字を維持している。一方で、MAUは前年同期比で約4%の減少傾向なんですよね。これはつまり、成長の源泉が「新規ユーザーの増加」ではなく、「既存ユーザー1人あたりの取引額や取引頻度の上昇」にある、ということなんです。
僕らが越境EC事業をやっていると、どうしても新規ユーザー獲得に目が行きがちです。でも、成熟した市場では、既存顧客の深掘りが安定成長の鍵になるということを、このデータが示していると思います。
なぜ新規ユーザーは伸び悩むのか?成熟市場の現実
「でも、なぜ新規ユーザーは増えないんですか?」ってよく聞かれるんですけど、これはアメリカのC2C(個人間取引)市場が非常に成熟しているからなんです。既に強力なプラットフォームがいくつも定着しているんですよね。
例えば、eBayは検索力、信頼性、カテゴリの網羅性で圧倒的な強さを持っています。Facebook MarketplaceはSNSからの流入や、ローカルな取引に非常に強い。こうした環境で、新規ユーザーにとって「わざわざ新しくメルカリを使う強い理由」を作り出すのは、正直かなり難しいんですよ。
僕も新しい市場に参入する際、既存プレイヤーの牙城を崩す難しさを痛感することがあります。だからこそ、メルカリUSが今、新規獲得よりも既存ユーザーの深掘りに注力しているのは、非常に合理的な判断だと感じています。
GMV成長の鍵は「カテゴリ戦略の集中」にある
では、ユーザー数が横ばいなのに、何がGMVを押し上げているのか。その最大の理由は、メルカリUSの「カテゴリ戦略の集中」にあると僕は見ています。具体的に彼らが力を入れているのは、以下のカテゴリです。
- トレーディングカード
- ホビー/コレクティブル
- 再販価値のあるファッション
これらのカテゴリは、単価が高く、回転が早く、そしてリピート率も高いという特性があるんです。例えば、限定スニーカーやレアなトレーディングカードは、一度売買すると、その体験が次へと繋がることが多いんですよね。ユーザー数が増えなくても、1人あたりの取引密度が上がれば、GMVは着実に伸びていく。成熟市場では“人数”より“密度”が重要だということを、メルカリUSは示してくれています。
うちのMonoshareでも、どのカテゴリに注力するかは常に議論の中心です。特にリユース品は、商品のライフサイクルや再販価値を見極めるのが重要で、このメルカリUSの戦略は非常に参考になりますね。
「習慣ユーザー」を育てるメルカリUSの施策とは
メルカリUSが具体的にどんな施策をしているかというと、派手な広告で新規を呼び込むというよりは、地道な積み上げ型の改善を重視している印象です。主な施策としては、こんなものがありますね。
- 出品/購入履歴に基づいたCRM(顧客関係管理)クーポンの提供
- カテゴリ別リコメンドの強化
- 売れやすいカテゴリへの導線最適化
- 売り手向けツールの改善
これらの施策の目的は、「1回使って終わり」ではなく、定期的に売買する「習慣ユーザー」を増やすことなんです。僕らも事業をやっていて強く感じるんですが、新規獲得はコストが高い。それよりも、一度利用してくれたお客様に何度も使っていただく方が、結果的にコストパフォーマンスが高いし、安定した成長に繋がります。その結果、MAUが横ばいでもGMVと利益が改善している、ということなんですよね。
越境ECセラーが学ぶべき「成熟市場の勝ち方」
このメルカリUSの事例は、eBayセラーの皆さんや、これから越境ECを始めようとしている方々にとっても、非常に大きなヒントになると思っています。
まず、新規集客はコストが高いという現実です。リスティング広告やSNS広告に多額を投じても、なかなか費用対効果が合わないケースも少なくありません。それよりも、既存顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化することの方が、安定成長には繋がります。
そして、カテゴリ集中と高回転モデルの重要性。何でも屋になるのではなく、特定の高単価・高回転なカテゴリに特化し、そこで深い顧客関係を築く。これはeBayに限らず、越境EC全体に通じる話だと僕は考えています。成熟市場では、ただ「アクセスを増やす」という視点だけではなく、「誰に、何を、どれだけ売るか」という設計をすることが、より重要になってくるんですよ。
米国メルカリの事例は、決して失速ではなく、市場の成熟度に合わせて成長モデルを転換した好例だと言えるでしょう。ユーザー数よりも取引密度を高める戦略は、これからの越境ECにおいて、ますます重要になってくるんじゃないかと思っています。
FAQ
Q.米国メルカリのユーザー数は減っているのに、なぜ売上が伸びているのですか?
Q.米国メルカリが新規ユーザーを獲得しにくいのはなぜですか?
Q.米国メルカリが注力しているカテゴリは何ですか?
Q.メルカリUSは具体的にどのような施策でGMVを伸ばしていますか?
Q.越境EC事業者が米国メルカリの事例から学べることは何ですか?
Q.LTV(Life Time Value)とは何ですか?
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