米国メルカリはなぜ「人を増やさず」成長するのか?越境EC経営者が語る、トレカ特化と物流戦略の可能性
米国メルカリがユーザー数減少でも売上を伸ばす背景を、越境EC経営者・荒木淳平が解説。トレカ特化戦略と物流インフラ構築の重要性を深掘りします。
CHAPTERS
- 00:00米国メルカリが“人を増やさず”伸びている理由
- 00:54現状を整理するとどんな状態?
- 02:37米国メルカリが伸びているのは何?
- 05:50なぜ日本のプラットフォームは海外で弱い?
- 08:50米国メルカリは今後大きくなる?
米国メルカリが、アクティブユーザー数を減らしながらも売上を伸ばしているという話、皆さんも耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
正直、僕も最初聞いたときは「どういうこと?」って思いましたね。でも、この数字の裏側には、今のEC市場の厳しさや、日本企業が海外で戦う上でのヒントが隠されているんですよ。
米国メルカリが「人を増やさず」売上を伸ばすカラクリとは?
現状を整理すると、米国メルカリの総流通額(GMV: Gross Merchandise Value / プラットフォーム上での取引総額)は前年比で12%も増えているらしいんですね。金額にすると約2億ドル、日本円で約300億円規模です。これだけ聞くとすごい成長に見えますよね。一方で、アクティブユーザー数は4%減っているという事実があるんです。
これはどういうことかというと、メルカリUSは今、お客さんの数を伸ばすフェーズから、すでに参加している人がどれだけもっと売買できるか、というところに注力しているように見えます。なぜなら、人を増やすフェーズって、広告費がものすごくかかるんですよね。僕の感覚だと、広告をかけないと人は増えないのがECの常識です。
つまり、今のメルカリUSは広告費を削って、見た目上の数字、特に「利益」を重視しているんだと思います。赤字を黒字にしたい、あるいは赤字の額を減らしたいという、株主や投資家への「帳尻合わせ」の戦略なんじゃないかなと僕は見ています。実際、広告費をゼロにすれば、システム費などを除けばビジネスモデル的には黒字にはなるはずですからね。だけど、広告費をかけなければ拡大はできない。これは大人の事情というか、一時的な株主対策なんだろうな、と感じます。
経営・チーム
米国メルカリの成長を牽引する「日本ブランド」の力
では、アクティブユーザーが減っているのに、なぜ総流通額は伸びているのか。何が伸びているのかが大事なんですが、それがトレーディングカード(トレカ)など、日本のものが多いジャンルみたいなんですよね。今、トレカ市場は世界的に熱いですし、特に日本のトレカは人気が高いです。
アメリカのEC市場って、日本なんかとは比べ物にならないくらい多様なプラットフォームがひしめき合っているレッドオーシャンなんですよ。特に最近はライブコマースもすごい勢いで流行しています。その中で、なぜアメリカのユーザーがわざわざメルカリを選ぶのかというと、やっぱり「日本感」が大事なんだと思います。日本のトレーディングカードを買うならメルカリ、という選択肢になっているんじゃないかと。
正直、僕がメルカリの経営者だったら、もうトレーディングカードに特化する戦略を考えると思います。メルカリという名前を「トレカ専門」とわかるような名前に変えてもいいくらい。なんでも取引できます、という「何でも屋さん」戦略は、日本なら通用しても、これだけ激戦のアメリカ市場では難しい。一点突破で、日本のトレカに特化したライブコマースをやる、みたいな方向性が、今の現状を考えると正しいんじゃないかと僕は思いますね。
EC・オンライン物販
越境EC成功の鍵を握る「物流インフラ」の課題と解決策
トレーディングカードに特化し、日本からの出品を増やすという戦略を考える上で、避けて通れないのが物流の問題です。今、日本からアメリカへトレーディングカードを送るのって、配送方法がすごく難しいんですよ。
以前は日本郵便で手軽に送れたものが、今は100ドル以下の「ギフト」でないと送れないケースが多いんです。そうなると、クーリエ便(FedExやDHLなどの国際宅配便)を使わざるを得なくなるんですが、これはコストが高い。僕らのような越境EC事業者は、このコストに頭を悩ませています。インフラを整えるにもお金がかかってしまうから、メルカリもなかなか手が出せない状況なのかもしれません。
僕の想像ですが、メルカリは本来、日本で出品されている商品をアメリカで売れるような仕組みを作りたかったんだと思います。でも、ちょうどそのタイミングでトランプ政権の関税問題などが起こり、インフラ整備が難しくなったんじゃないかな、と。eBayはSpeedPAKという独自の配送網を持っていますが、これは本当に強い。メルカリも自社でそういった物流の仕組みを作るべきだと僕は思います。
国内ではヤマトや日本郵便と提携していますが、Amazon FBA(フルフィルメント by Amazon / Amazonが商品の保管から発送までを代行するサービス)のような自社で物流施設を持って管理する会社ではありません。僕がもしメルカリUSを担当するなら、アメリカに自社倉庫を構え、日本のセラーがそこに商品を送るだけで、あとはメルカリが保管・発送を代行するFBA的な仕組みを作るでしょう。TikTok Shopも倉庫を持って物流を強化しているように、BtoCの越境ECも「ハブ」を持つのが今の世界的なトレンドだと感じますね。
米国EC市場で日本プラットフォームが生き残るための戦略
アメリカの国民性として、デジタル産業に関しては「アメリカ産を使いたい」というこだわりが強い印象があります。日本のデジタルプラットフォームがアメリカで広く使われるというのは、かなり難しい挑戦なんですよね。メルカリはそうした中で頑張っていると思いますが、ブランド力という点ではまだ弱いと言わざるを得ません。
日本と同じ「何でも屋さん」戦略のローカライズだけでは、この激戦区で大きな成功を掴むのは難しいと僕は思います。強みは何なのか、どう戦うのかを明確にしないと、限界が来てしまうでしょう。出品のしやすさも、ジャンルを絞り込めばより効率的にシステムを構築できますし、顧客体験も向上するはずです。
結局、米国メルカリが今後もっと大きくなるかどうかは、この二つの戦略にかかっているんじゃないかと僕は見ています。一つは「ジャンルの絞り込み」、特に日本のトレーディングカードに特化すること。もう一つは「物流インフラの構築」、具体的にはアメリカ国内に倉庫を持ち、日本からの出品を効率的に取り込む仕組みを作ることです。この二つを本気でやらないと、他の戦略で全体的にうまく活かすのは、今の状況からだと難しいんじゃないかな、というのが僕の正直な見解ですね。
今後もメルカリUSの動向は注目していきたいと思っています。
FAQ
Q.米国メルカリの現在の状況は?
Q.米国メルカリの売上を伸ばしている主な要因は何ですか?
Q.なぜ荒木淳平は米国メルカリに「トレーディングカード特化」を推奨するのですか?
Q.越境ECにおいて物流インフラが重要視される理由は何ですか?
Q.米国EC市場で日本のプラットフォームが成功するための条件は何ですか?
Q.米国メルカリは今後さらに成長できると思いますか?
関連クエリ:
