荒木淳平が語る2026年リユース市場の未来:売上は伸びても利益は厳しい現実
JP.Company代表・荒木淳平が2026年のリユース市場を予測。インフレ下で中古品需要は高まる一方、新規参入による「物の取り合い」が激化し、売上は伸びるも利益確保が難しくなる実態を解説します。
CHAPTERS
- 00:002026年中古市場はどうなる?
2026年のリユース市場は、売上だけを見れば成長を続ける可能性が高いと僕は見ています。しかし、リユース事業者が実際に手元に残る「利益」という視点で見ると、むしろ厳しさが増すだろうというのが僕の正直な見解なんですよ。
なぜリユース市場は拡大を続けるのか?
まず、国内・海外問わず、世界的なインフレが大きな背景にありますよね。特に日本はデフレ大国と言われてきましたが、ここに来てインフレが進んでいて、新品の価格が高騰しているんです。株価は上がっていても、実体経済、特に輸入系の商売や国内消費を見ていると、多くの企業が厳しい状況に置かれているじゃないですか。
海外でもアメリカやヨーロッパはインフレが深刻ですし、東南アジアは市場が拡大しているとはいえ、全体的に新品が売れにくい環境になってきているんですよね。そうなると、消費者は「買いたいけど買えない」という状況に直面します。そこで選択肢として浮上するのが、リユース品なんです。
日本人は特に価格に敏感な国民性だと僕は思っています。インフレに対する感度が高いというか、賢いんですよね。だからこそ、新品の価格高騰を背景に、賢くリユース品を選ぶという消費行動は今後も増えていくんじゃないかな、と予測しています。
経営・チーム
リユース各社の戦略から見えてくる課題と未来
リユース経済新聞で各社のトップが今年の展望を語っていましたが、それぞれ興味深い視点がありましたね。僕なりの解釈と、現場で感じることを交えて話していこうと思います。
BOOK-OFF社長の「体験と共感」
BOOK-OFFの社長は、「ただ商品を並べるだけでは利用者数が伸び悩むフェーズに入った」と指摘し、インバウンド需要(訪日外国人による消費)やアニメ・漫画などの知的財産(コンテンツ)を取り込み、店舗での「宝探し的な体験や共感」の提供が不可欠だと語っています。安さは大前提として、その上に付加価値をどう乗せるか、という視点はすごく大事だと僕も思いますね。
Valuence社長の「意味的価値とAI活用」
うちと同じ業界のValuence社長は、「安いから買う」から「物の背景やストーリーに共感して選ぶ消費、意味的価値へ変化している」と述べています。そして、AIを活用した真贋鑑定(本物か偽物かを見分けること)や精微な相場算出によって、信頼できる適正価格を提示できる企業が勝つ、と。これは高級品や一点物の世界では確かに言えることだと思うんですよ。
ただ、リユース市場って上から下まで幅広いじゃないですか。例えば古着屋さんで、この服をどんな人が着ていたか、なんて正直あまり気にしないですよね。むしろ知りたくない部分も多い。そこは「物」としての価値で選ぶわけで、誰かのストーリーは不要なんです。Valuenceさんの戦略は、良いものをより高く売るという方向性なんだろうなと感じます。でも、一般のリユース品まで含めて考えると、効率よく売るためのAI活用、という側面の方が大きいのかもしれませんね。
Sofmap社長の「中古スマホ・PCと玉不足」
Sofmapの社長は、デジタル家電領域では中古スマホが成長を牽引し、新品価格の高騰を受けてスマホやPCが「資産」として強く認識され始めた点に勝機を見ているようです。これは確かにその通りで、パソコンやスマホの価格は今後も上がるでしょうから、中古品が選ばれる機会は増えると思います。
ただ、今の問題は「中古のスマホ・PCの価格が高すぎる」ことだと僕は感じています。新品に比べて安いのはもちろんですが、コストパフォーマンスを考えると微妙な物も少なくない。実はうちの会社でも以前、中古スマホを購入したことがあるんですが、選んで買ったものでも「これなら新品を買った方がいいかも」と思うようなケースもありましたね。中古品価格が高騰しているのは、高くても買う人がいるからであり、結果的に買取価格も上がって「物の取り合い」になっているんです。Sofmap社長が言う「玉不足」は、今年特に強く感じる課題になるんじゃないでしょうか。
TAY TWO社長の「トレカ市場と出口戦略」
TAY TWOはホビー分野でトレカ(トレーディングカード)を軸に、デジタル時代でも価値を持つ物理的商材に注力する、と説明しています。価格変動が激しいため、「在庫管理と出口戦略(在庫をどのように販売し、利益を確保するかの方針)が成否を分ける」というのは、まさにその通りだと思いますね。持っていない人が欲しがれば値段が上がる、というシンプルな構造ですから、仕入れと販売のタイミングの見極めは非常に難しいでしょう。
ただ、トレカはもはやブームというよりも「文化」になってきていると感じます。趣味性が強く、物理的に扱いやすい(郵送しやすいなど)商材なので、比較的安定して伸びる業界なんじゃないかなと僕は見ています。下がる要素も少ないですし、リユースとしても扱いやすい堅調な市場だと思いますね。
GEO社長の「海外展開と人材・在庫確保」
日系リユース企業として最も海外出店が進んでいるGEO(セカンドストリート)は、グローバルな中古アパレル市場拡大を背景に出店を加速しており、「人材と在庫確保」が最大の課題だとしています。在庫確保は、Sofmapの件でも話しましたが、リユース事業における永遠の課題でしょう。売るのも大事ですが、仕入れはそれ以上に大事ですからね。
海外、特にアメリカなどに出店すると、家賃もそうですが人件費の高騰が大きな負担になります。いかに効率的に、少人数で店舗を運営し、売上を上げていくかが課題になるんじゃないでしょうか。AIの活用もずっと言われていますが、デスクワークでのAI活用は進んだものの、物理的な世界でAIとロボットをどう活用していくか、もう一歩踏み込んだところがリユース業界の今後の鍵を握ると思っています。
SODA(スニーカーダンク)社長の「真贋鑑定とテクノロジー」
スニーカーダンクを運営するSODAは、プラットフォーマーとして真贋鑑定とテクノロジーで市場の信頼を底上げすることが成長の基盤になると見ているようです。ただ、真贋鑑定に関しては、まだ人間の力、特に「経験値」に頼らざるを得ないのが現状だと僕は考えています。
正直なところ、スニーカーダンクさんの真贋鑑定の経験値は、古物市場に出入りしているうちのバイヤーや他の業者の方が圧倒的に高いんじゃないかな、と感じています。偽物も含めて、どれだけの量を「見て」「触っているか」というサンプル数の違いが、そのまま経験値の差になるんですよね。だから「真贋鑑定を売りにする」というのは、まだ難しい部分があるんじゃないかと思います。テクノロジーの活用も、AI鑑定のような方向性だと、まだ時期尚早で、力を入れるべきはそこじゃない、というのが僕の率直な意見です。
EC・オンライン物販
2026年、リユース業界が直面する「物の取り合い」問題
僕が考える2026年のリユース市場の未来は、先ほども言いましたが「売上は伸びるけど、中身(利益)は残りにくい」という状況がさらに加速するだろう、というものです。この「物の取り合い」が激化している背景には、新品の世界の景気が悪いことが大きく影響しています。
新品の売れ行きが悪いから、多くの企業が景気の良いリユース市場に参入してくるんですよね。特に新規参入の企業は、利益率が薄くても、ヘタをすれば利益がなくても「まずは参入するぞ」というモチベーションで動くことが多い。そうなると、買取合戦が過熱して相場がブレイクし、結果的に買取価格が高騰してしまうんです。
リユース経済新聞などで発表される市場規模の「何兆円」という数字は、確かに売上ベースで考えれば増えていくでしょう。しかし、それはあくまで売上の話であって、事業者の手元にどれだけの利益が残るか、という視点で見ると、その割合はどんどん下がっていくと僕は見ています。
プラットフォーム事業者やサードパーティー(第三者サービス提供者)のような手数料商売をしているところは、市場が盛り上がれば盛り上がるほど売上が伸びるので、彼らは「伸びる」と言うでしょうし、実際に伸びるはずです。しかし、実際に商品を仕入れて販売する「プレイヤー」側の企業にとっては、利益が何よりも大事です。その観点から見ると、2024年、2025年と比べて、2026年の利益は間違いなく落ちるはずだと僕は予想しています。
リユースは確かに景気が悪い時に強いビジネスモデルだとは思います。でも、結局は世の中の景気が良くならないと、この「物の取り合い」が落ち着かず、プレイヤーが減らない限り、リユース事業の「やりづらさ」は変わらない。これが2026年、そしておそらく2027年も続くであろう、僕が肌で感じているリユース市場のリアルな未来なんです。
FAQ
Q.2026年のリユース市場は成長しますか?
Q.リユース市場が伸びる背景は何ですか?
Q.なぜ中古スマホやPCの価格が高騰しているのですか?
Q.トレカ市場は今後も伸びるのでしょうか?
Q.海外展開を進める上で最も重要な課題は何ですか?
Q.リユース業界におけるAIの活用はどう進むべきですか?
Q.2026年にリユース事業者が直面する最大の課題は何ですか?
Q.リユース市場の売上は伸びても利益が減るのはなぜですか?
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