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2026.09.21越境EC関税デミニミス

トランプ関税15%の真実:越境ECに潜む誤解とデミニミス撤廃の衝撃

トランプ関税15%は「一律引き上げ」ではない。越境EC事業者が知るべき新ルールと、デミニミス撤廃がもたらす影響を、経営者・荒木淳平が解説。

CHAPTERS

  • 00:00関税の新ルール:上乗せから上限設定へ
  • 00:00影響を受ける商品と「一律15%」の誤解
  • 00:00デミニミス撤廃が越境ECに与える衝撃

米国が導入を発表した「トランプ関税15%」というニュースは、多くの越境EC事業者にとって大きな関心事だと思います。ただ、この「15%」という数字には、実は多くの誤解が潜んでいるんですよ。僕の周りの経営者仲間からも「いよいよ関税が全品15%になるのか」という声を聞くことが多いんですが、実態は少し違います。今回は、この新関税ルールと、越境ECにとってより大きな影響をもたらす「デミニミス撤廃」について、僕なりの視点でお話ししたいと思います。

トランプ関税15%は本当に「引き上げ」なのか?越境EC事業者が知るべき新ルール

まず、多くの人が勘違いしているのが、この「15%」が単なる関税引き上げだと捉えている点です。実際は、相互関税(報復関税)の上限を15%に設定する、というのが今回の新ルールの本質なんですよ。これまでの方式とは大きく異なっています。

具体的に言うと、2025年7月31日までは、通常の関税に加えて相互関税が「上乗せ」される方式でした。例えば、通常関税が5%の商品に相互関税10%が上乗せされれば、合計で15%の関税がかかっていたわけです。しかし、2025年8月1日以降は、「通常関税と相互関税の合計が最大15%まで」という「上限設定方式」に変わるんです。これは、赤澤亮正経済再生担当相の公式発表でも明言されています。

つまり、MFN税率(最恵国待遇税率:WTO加盟国間で適用される原則的な関税率)が15%未満の商品であれば、MFN税率に相互関税が加算され、合計が15%になるまで引き上げられる可能性があります。一方で、MFN税率がすでに15%以上の商品に関しては、MFN税率のみが適用され、相互関税は不適用となるんですよ。DHLなどの主要な物流事業者も、この見解を提示していますから、この解釈で間違いないと考えています。これは「一律引き上げ」というよりも、むしろ「相互関税の透明化と上限設定」と捉えるべきだと僕は見ています。

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どんな商品が影響を受ける?「一律15%」ではない真実

「関税が15%になる」と聞くと、すべての商品が一律で15%になると思われがちですが、これも大きな誤解です。実際には、今回の新ルールで影響を受ける商品は一部に限定されると考えています。

例えば、高級ブランドのバッグ類やアパレル商品などは、現行の関税水準とほぼ変わらない、あるいは軽微な影響にとどまるケースが多いでしょう。元々MFN税率が高い商品は、上限15%ルールによって相互関税が適用されないため、実質的な変化が少ないんですよ。うちで扱っている商材も、このカテゴリーが多いので、今のところは大きな打撃にはなっていないですね。

一方で、影響が出る可能性が高いのは、自動車パーツやデジタルカメラ、小型家電といった、これまで比較的低関税だったジャンルの商品です。これらの商品のMFN税率が低い場合、相互関税が加算されて合計が15%になるまで引き上げられる可能性があるため、注意が必要なんです。僕も、こうした低関税ジャンルを扱っている事業者の方々には、今後の動向を注視するようアドバイスしています。

今回の変更は、「2025年3月以前の税体系とほぼ同じ水準に戻っただけ」という見方もできます。ただ、政府は四半期ごとの見直しを実施予定だと発表していますから、次回以降の見直しで税率や対象品目が拡大するリスクは常に頭に入れておく必要があるでしょう。

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「デミニミス撤廃」こそが越境ECの致命傷になりうる理由

正直なところ、今回の「トランプ関税15%」のニュースよりも、僕が越境EC事業者にとってより深刻だと考えているのが、2025年8月29日に予定されているデミニミス(少額免税制度)の撤廃なんです。これは本当に大きな影響を及ぼすと見ています。

デミニミスとは、一定金額以下の輸入貨物に対しては関税や消費税を免除するという制度のことです。米国ではこれまで、輸入貨物の価格がUSD800以下であれば、原則として関税が免除されていました。この制度があったからこそ、多くの越境EC事業者が、高額ではない商品を気軽に米国に輸出できていたんですよ。

しかし、このデミニミスが撤廃されると、2025年8月29日以降は、米国に輸入されるUSD800以下のすべての貨物に、一般関税、国際緊急経済権限法関税、その他適用されるすべての関税が課せられることになります。つまり、これまでは免税だった少額商品にも、もれなく関税がかかるようになるわけです。これは越境ECのビジネスモデルを根本から揺るがしかねない変更だと僕は思います。

例外として、外国の個人からアメリカの個人に向けたUSD100未満のギフトや贈り物、アメリカへの海外からの旅行者が持ち込むUSD200以下の私物や家庭用品は引き続き免税の対象となりますが、ビジネスとしての越境ECにはほとんど関係ありません。これまでUSD800以下の商品を主力としていたセラーは、関税コストの増加分を価格に転嫁するか、利益を圧縮するかの選択を迫られることになります。これは、価格競争力に直結する問題なので、早急な戦略の見直しが必要になるでしょう。

僕自身も、うちの会社で扱っている商材の価格帯や物流コストを改めて見直す時期だと感じています。このデミニミス撤廃は、越境EC業界全体に大きな構造変化をもたらす可能性を秘めていると、強く感じていますね。

まとめ:変化を正しく理解し、戦略を練り直す時

今回の「トランプ関税15%」と「デミニミス撤廃」のニュースは、越境EC事業者にとって非常に重要な節目になると思います。表面的な情報に惑わされず、その真意と具体的な影響を正しく理解することが、今後のビジネスを成功させる鍵です。

特にデミニミス撤廃は、少額商品の価格競争力を大きく変える可能性があります。今こそ、自社の商材ポートフォリオやターゲット市場、物流戦略を見直し、変化に対応できる強いビジネスモデルを構築していく時期だと僕は考えています。変化を恐れず、むしろチャンスと捉えて、一緒に乗り越えていきましょう。

FAQ

Q.トランプ関税15%とは具体的に何が変わるのですか?
従来の「通常関税+相互関税」という上乗せ方式から、「通常関税と相互関税の合計が最大15%まで」という上限設定方式に変わります。一律引き上げではありません。
Q.「相互関税の上限15%」とはどういう意味ですか?
MFN税率が15%未満の商品には、MFN税率に相互関税が加算され、合計が15%になるまで引き上げられる可能性があります。MFN税率が15%以上の場合は相互関税は不適用です。
Q.MFN税率とは何ですか?
MFN税率(Most Favored Nation rate:最恵国待遇税率)とは、WTO加盟国間で適用される原則的な関税率のことです。多くの国に対して適用される基本となる関税率を指します。
Q.どんな商品が関税引き上げの影響を受けやすいですか?
自動車パーツやデジタルカメラ、小型家電など、これまでMFN税率が低かったジャンルの商品が、相互関税の加算で合計15%まで引き上げられる可能性があり、影響を受けやすいでしょう。
Q.デミニミス撤廃とは何ですか?
米国で2025年8月29日以降、これまでUSD800以下だった少額輸入貨物に対する関税免除制度が廃止されることです。これからは少額商品にも関税が課せられます。
Q.デミニミス撤廃で越境ECはどう変わりますか?
USD800以下の商品にも関税が課せられるため、越境EC事業者は関税コストの増加を考慮する必要があります。商品の価格競争力に影響が出やすく、戦略の見直しが不可欠です。
Q.今後の関税動向で注意すべき点はありますか?
米国政府は関税について四半期ごとの見直しを実施予定です。今後の見直しで、税率や対象品目が拡大するリスクがあるため、常に最新情報を追うことが重要です。

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