トランプ関税の最高裁判決後、越境EC事業者はどう動くべきか?現役経営者が語る最新情報と対策
トランプ関税の最高裁判決で相互関税が違法とされた後、即座に導入された新関税10%の現状と、今後の見通しをJP.Company代表の荒木淳平が解説。越境EC事業者が取るべき具体的な対策を語ります。
CHAPTERS
- 00:00【ついに決着】トランプ関税最高裁判決がついに決まった!実際の関税はどうなる?
- 00:50今ハッキリしていることだけ教えてほしいです
- 01:10新関税10%は上乗せなのか?最も有力な見方は?
- 02:30日本政府の交渉と80兆円の行方
- 03:15新関税への再裁判の可能性
- 04:00MFN+10%の可能性と現場の混乱
- 05:00eBayセラーは、この不透明な状況にどう対応すべきか?
- 06:00150日の期限が意味するものとは?今後のシナリオ
- 07:00過去の関税返還は現実的なのか?
2024年の2月2日頃、アメリカの最高裁で「相互関税」が違法と判断され、一旦停止、0%になったというニュースは、越境ECに携わる皆さんにとって大きな出来事だったと思います。しかし、その判決が出た途端、即日で「新関税」として10%の関税が適用されたんです。これには正直、僕も驚きました。まるで、違法になったからといってすぐに別の手を打ってきた、という印象を受けます。
「トランプさんだから仕方ない」と割り切れない部分もありますが、正直なところ、それをOKとしてしまうアメリカの仕組み自体にも、最近は疑問を感じています。日本で同じことが起きたら、まず無理じゃないでしょうか。情報も整理されておらず、明確なルールが明文化されているわけでもないので、現状は非常にフワフワした状態が続いています。しかし、この不透明な状況でも商売は続けていかなければなりません。僕なりに現状を整理し、今後の対策についてお話ししたいと思います。
「トランプ関税」最高裁判決後、何が確定しているのか?
まず、現時点でハッキリしていることだけを整理しましょう。2月2日頃に裁判で相互関税が違憲判決となり、一旦停止されました。これにより相互関税は0%になったわけです。これは皆さんご存知の通りだと思います。
しかし、問題はその直後です。判決が出たその日のうちに、名前すらまだ決まっていない「新関税」として10%が即座に適用されている、というのが現状です。僕たちが分かっているのは、ここまでなんですよね。このスピード感には、日本の商習慣とは異なる、アメリカ独特の強引さを感じざるを得ません。
EC・オンライン物販
新関税10%は「上乗せ」なのか?最も有力な見方は?
ここからが未確定情報というか、僕の推測も含まれる部分なんですが、一番有力な情報として見ているのは、「従来のHSコード別関税(MFN: Most-Favored-Nation、最恵国待遇関税)に、この新関税10%が上乗せされる」という可能性が高い、という点です。
以前の相互関税は、上限が15%と決まっていたので、むしろ助かっていたケースも多かったんです。例えば、靴のように元々20%近い高関税がかかる商品でも、相互関税の下では15%で済む、といった具合です。しかし、この新関税には今のところ上限に関する話が出ていないんですよね。これは越境EC事業者にとって、かなり不安な要素だと思います。
具体的に言うと、以前のHSコード別関税が2%だった商品なら、それに10%が上乗せされて12%になる。アパレル系で元々10%前後だった商品なら、プラス10%で20%になる、といったイメージです。つまり、ジャンルによっては以前よりも関税が高くなってしまうケースが、かなり出てくるんじゃないかと思っています。僕のところでも、クーリエ(国際輸送業者)の方に聞いたり、JETRO(日本貿易振興機構)で調べたりと色々な情報収集を試みましたが、明確な回答は得られないのが実情です。通関はアメリカ側でされるので、直接問い合わせることも難しいんですよね。だから、結局は「やってみないと分からない」というのが正直なところなんです。
うちでも、実際にテストで商品をいくつか送ってみて、どういう関税が取られるのかをウォッチングしています。最初の混乱期だけ高かったり、後からルールが変わったりといったことも、アメリカでは往々にしてあるので、本当に正しい情報というのはまだ誰にも分からないんじゃないかな、というのが僕の肌感覚です。学術書のような完全非課税品目にまで10%が適用されるのか、といった疑問も残りますし、もしそうなら、いろんな団体からアメリカ政府が怒られるんじゃないかと見ています。一番パニックしているのは、通関業務を代行するクーリエさんたちだと思いますよ。
経営者の視点
eBayセラーは、この不透明な状況にどう対応すべきか?
eBayで越境ECを展開しているセラーの皆さんも、今、かなり混乱されているんじゃないでしょうか。僕が考える現時点での最善策は、やはり「前の関税スタイルに戻ってプラス10%」という最も有力なシナリオを前提に動くことだと考えています。
具体的には、まずテスト発送をしてみて、実際にどれくらいの関税が取られるのかをウォッチングすることです。eBayの場合、DDP(Delivered Duty Paid、関税込み配送)で発送することが多いので、最終的な金額を見て判断する形になります。もし元々の関税率が5%と想定される商品なら、15%くらいの関税がかかるかもしれない、という見方をするわけです。
そして、その最悪のケースを想定して、商品価格や送料にあらかじめ上乗せしておくのが、一番安全なやり方だと僕は思います。「上乗せじゃない説」で進めて、いざ蓋を開けてみたら20%も取られていた、なんてことになったら地獄じゃないですか。ビジネスをやっていく上で、一番自分にとって都合の良い方向で考えがちですが、そうすると失敗する可能性が高い。だからこそ、最悪のことを考えて動くべきだと考えています。
150日の期限が意味するものとは?今後のシナリオをどう読むか?
今回の新関税には「150日」という期限が設けられています。トランプ氏のこれまでのやり方を見ていると、具体的な期限を設けることは珍しいんですよ。普通なら「こうします」と一方的に宣言するタイプです。
だから、この150日という期間には、何らかの意味があるんじゃないかと僕は考えています。もしかしたら、この150日間は各国との交渉期間であり、暫定的な措置なのかもしれません。この間にアメリカ政府が各国と交渉し、最終的な関税の形を決めようとしている、と。そして、その交渉の結果、また新たな相互関税が始まったり、今回懸念されている「上限なし」の問題が解消されて、例えば上限15%といったルールが設けられたりする可能性もゼロではないと思っています。
つまり、この150日という期間が終わった後、再び関税のルールが変わる可能性も十分にある、ということです。越境EC事業者は、この期間も常にアンテナを張り、情報収集と対策の準備を怠らないことが重要になります。
過去の関税返還は現実的なのか?
違法と判断された過去の相互関税について、「返還されるのか?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、正直なところ、現実的に返還されるのは非常に難しいんじゃないかと僕は見ています。
なぜなら、お金を返すという実務は想像以上に大変だからです。例えば、関税だけでなく、その時に発生した手数料なども含めて返還となると、計算が複雑になりすぎます。おそらく、相当な会計体制を持つ大企業でないと、実際に返還請求を行うのは困難でしょう。中小企業や個人セラーにとっては、なかなか難しい問題だと思います。アメリカ側も、そう簡単に返還に応じるような甘い話はないでしょうし、eBayでさえ、この状況でどこまでサポートしてくれるのかは不透明です。
だからこそ、僕たちは「誰も助けてくれない」という前提で、自分でできることをやるしかない、と考えています。今回の件をきっかけに、アメリカ以外の売り先を検討したり、販路を多角化したりといったフェーズに入ってきているんじゃないかな、と僕は思っています。
不透明な状況は続きますが、常に最悪のシナリオを想定し、安全策を講じながらビジネスを進めていくことが、越境EC事業者には求められていると僕は考えています。
FAQ
Q.トランプ関税の最高裁判決で何が変わったんですか?
Q.新しい10%の関税は、以前の関税に上乗せされるんですか?
Q.eBayセラーは、この状況にどう対応すべきですか?
Q.過去に支払った相互関税の返還は期待できますか?
Q.新関税に設定された150日の期限にはどんな意味があると思いますか?
Q.越境EC事業者は今後、どのような視点を持つべきですか?
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