米税関の厳格化とAI監視の真実:越境EC事業者が知るべき「貿易詐欺タスクフォース」の全貌
越境ECを運営する上で避けて通れないアメリカ税関の厳格化。AIによる監視強化、デミニミス廃止、貿易詐欺タスクフォース設立の背景と、事業者が知るべき対策を解説します。
越境ECでアメリカを相手にビジネスをしていると、ここ数年で税関の取り締まりが格段に厳しくなっていると感じている方は多いんじゃないでしょうか。
僕が肌で感じるのは、2021年頃から厳格化の動きが始まり、最近になってさらにその精度が上がってきたということです。これはもう、僕たち越境EC事業者にとって「逃げられない」状況になってきている、と正直思っていますね。
アメリカ税関はなぜ厳格化したのか?背景にあるトランプ関税とシステム刷新
そもそも、アメリカ税関がここまで変わった大きなきっかけは、やっぱりトランプ政権時代の関税政策の影響が大きいと見ています。特に印象的だったのが、2023年の4月末から5月頭にかけて、一度アメリカ税関が機能停止に近い混乱状態に陥った時期があったことです。
この混乱期に、おそらくシステムの大規模な刷新や、人員の増強が行われたんじゃないかと僕は想像しています。膨大な量の貨物データを効率的に処理するためには、システムを抜本的に見直す必要があったはずですからね。そして、この時にAI(人工知能)の導入も進んだことで、不正を見つける精度が飛躍的に向上したんだと思います。
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800ドル以下の免税措置「デミニミス」廃止の衝撃
税関の厳格化を象徴する出来事の一つが、「デミニミス」(De Minimis)ルールの事実上の廃止です。デミニミスとは、800ドル以下の少額輸入貨物に対しては関税・消費税を免除し、簡易的な手続きで通関させる制度のことでした。これまでは多くの越境EC貨物がこの恩恵を受けていたんです。
しかし、このルールが廃止されたことで、800ドル以下の少額貨物もすべてがチェック対象となりました。これまでスルーされてきたものが、一つ残らずデータで管理・審査されるようになったわけです。これを可能にしたのも、やはりAIによるデータ処理能力の向上に他なりません。膨大な数の貨物を人間がすべてチェックするのは物理的に不可能ですが、AIならそれができるようになった、ということなんですよね。
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米司法省が「貿易詐欺タスクフォース」を設立した狙い
さらに、アメリカの取り締まり姿勢の強さを物語るのが、2023年8月に米司法省と国土安全保障省が連携して設立した「貿易詐欺タスクフォース」(Trade Fraud Task Force)です。直訳すると「貿易詐欺対策部隊」となる、ちょっと格好いい名前の専門チームですね。
このタスクフォースの主な目的は、データ分析を駆使して貿易詐欺、特に金銭的な不正や消費税のちょろまかしといった行為を見つけ出し、摘発することだと聞いています。これまでは関税の修正(リバリュエーション)で済んでいたケースでも、今後は詐欺罪として刑事訴訟される可能性も出てくるという話です。僕ら事業者にとっては、かなりの抑止力になっていると感じています。
HSコード(Harmonized System Code:輸出入される貨物を分類するための国際的な品目コード)の詐欺や、原産国による関税の違いを利用した迂回輸出なども、彼らの監視対象になっているはずです。実際にどこまで刑事訴訟に発展するかは未知数な部分もありますが、タスクフォースの存在自体が、不正に対する強い警告になっているのは間違いないでしょう。
AIはどのように不正を見抜くのか?現状と課題
では、AIは具体的にどのように不正を見抜いているのでしょうか。基本的に、AIは「何の商品をいくらで売ったか」というデータをチェックしています。そして、「この商品がこんな価格で売られるはずがない」という異常値を検出するんです。
例えば、ある商品の相場が100ドルなのに、5ドルで申告されていたら、AIがそれをリストアップし、実際に税関で貨物を開けてチェックする、という流れですね。極端に安いものが狙われやすい傾向にあると感じています。状態が悪い商品で安くなった場合でも、「言いがかり」のように価格修正を求められるケースは、うちでも実際に経験しています。
正直な話、僕らが「嘘はついていません」と証明しようとしても、なかなか聞いてくれないのが現状です。ランダムで開けられて、一方的に判断されることも少なくありません。このあたりの「民主的ではない」と感じる部分が、現在の国際貿易における大きな課題だと僕は思っています。
越境EC事業者が今、取るべき対策と将来への提言
このような状況下で、越境EC事業者がまず取るべき対策は、当然ながら「真面目に、正確に申告すること」に尽きます。アンダーバリュー(過少申告)やHSコードの詐欺などは、もはや通用しないどころか、大きなリスクを伴う行為だと認識すべきです。
ただ、僕らの経験上、真面目にやっていても税関で引っかかり、不当な価格修正を求められるケースはゼロではありません。そうした場合、泣き寝入りせざるを得ないのが現状で、僕らも正直、歯がゆい思いをしています。日本の税関とも連携して、もっとスムーズなやり取りができるようになればと願うばかりです。
このAI全盛時代に、国境を越える税関システムがもっと効率的に、そして国際的に標準化されるべきではないかと強く感じます。今はまだ、各国がそれぞれの事情で動いている状況ですが、将来的に世界がより一つになっていく流れの中で、税関のあり方も大きく変わっていく可能性はあるんじゃないかと僕は見ているんです。その時を待つだけでなく、僕ら事業者も声を上げていく必要があるんじゃないでしょうか。
FAQ
Q.アメリカ税関の取り締まりが厳しくなったのはなぜですか?
Q.「デミニミス」廃止とは何ですか?
Q.「貿易詐欺タスクフォース」とはどんな組織ですか?
Q.アンダーバリューやHSコード詐欺は今でも通用しますか?
Q.AIはどのように不正を見抜くのですか?
Q.真面目に申告していても税関で引っかかることはありますか?
Q.越境EC事業者は今後どのような対策を取るべきですか?
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