越境ECで成功する価格設定の極意:eBay流「心理戦」を制するプロの技
越境ECで「売れる価格」を見つけるには?eBayで日本販売実績1位の荒木淳平が、定額販売とオークション形式におけるプロの価格設定戦略と心理戦を解説。
CHAPTERS
- 00:00プロがやっている出品する値段の決め方
- 00:30定額販売の考え方
- 02:00レアな物の価格設定
- 03:12キャッシュフローが大事な理由
- 03:47末尾の桁の心理効果
- 05:54オークション形式の考え方
- 07:051ドルスタートの理由
- 09:37Starting Priceのポイント
- 11:25価格設定は心理戦
越境ECで商品を販売する際、「一体いくらで出せば売れるんだろう?」と悩む人は少なくないと思います。価格設定は単なる数字の羅列ではなく、買い手の心を動かす「心理戦」なんですよね。特にeBayのようなプラットフォームでは、定額販売(Buy It Now)とオークション形式のどちらを選ぶか、そしてその金額をどう設定するかで、結果が大きく変わってきます。
今回は、僕がこれまで越境ECで培ってきた経験から、どのように価格を決定しているのか、その考え方をお話ししたいと思います。
定額販売(Buy It Now)で「買いたい」と思わせる価格の作り方
定額販売で成功するための価格設定で、まず一番大事なのは、やはり徹底的なリサーチです。これは商売の基本じゃないでしょうか。
eBayやメルカリのようなプラットフォームでは、過去にその商品がいくらで売れたか、何個売れているかまで調べることができます。これって、めちゃくちゃ楽なんですよ。僕の場合、このリサーチツールを使えば、もう8割から9割は価格の答えが出ると考えています。それを参考に、相場と同じくらいの価格で出すのが基本ですね。
レア商品や相場不明品の価格戦略
ただし、今まで売れたことがないようなレアな商品や、ヴィンテージで価値があるけれど相場がいまいち分からない物だと、リサーチしようがありません。こういうケースは難しいんですけど、僕の経験では中途半端に安くするよりも、めちゃくちゃ高くつける方がいいと判断しています。
高く設定することで、まず注目度を集めるんです。そうすると、ウォッチ数(お気に入り登録)が増えて、お客さんからの質問やビュー数(閲覧数)で反応が見えてきます。3ヶ月、半年、1年と持っておく間に、値段交渉が来ることもありますし、それでOKなら売るというパターンもアリです。売らない戦略、とでも言えばいいでしょうか。あえて中途半端な値段にしない方が、結果的に良い反応が得られることがありますね。
中古品における価格調整とキャッシュフロー重視の考え方
中古品の場合は、全く同じ状態の物というのはほぼありません。なので、相場を基準にしながら、商品の状態が良ければ少し上乗せしたり、悪ければ少し下げたりします。お客さんも購入前にリサーチしている可能性が高いので、相場より明らかに高いと「なんで?」と思われ、敬遠されてしまうことが多いですね。僕自身もメルカリで買い物する時、相場より高いと「絶対買わない」って思っちゃいますから(笑)。
僕の会社では、キャッシュフローを重視するタイプなので、在庫回転率を高めるために相場より若干下で出すのが基本です。早く売って、また新しい商品を入れる方が効率的だと思っているんですよ。お客さんにお得感を感じてもらい、早めに売って次の仕入れに繋げる。これが、僕らの越境ECビジネスにおける定額販売の基本的な戦略ですね。
末尾の桁が与える心理効果
価格設定の細かい部分ですが、末尾の桁をどうするかというのも、実はすごく大事なんです。例えば、49,980円にするか、50,000円にするか、といった違いですね。
一般的には49,800円のように端数にした方が安く見えるケースが多いと思います。でも、相場がいまいち分からないような商品だと、50,000円や100,000円といった「キリ番」の方が、売り手側の「男気」が感じられて、かえって安く感じる場合があるんですよ。相場が見えやすい商品でこれをやると「なんで高いの?」となるので注意が必要ですが、相場がふわっとしている商品には有効な心理戦です。
周りがみんな49,800円で出しているなら、僕なら49,700円や49,500円にすることもあります。利益は削られますが、そこで差別化を図ることもできる。電化製品のように価格競争が激しい商品は難しいですが、中古品などでは価格のつけ方を工夫する余地が大いにあると感じています。
EC・オンライン物販
オークション形式(Auction)で高値を引き出す「入札の心理」
次にオークション形式ですが、これは定額販売とは全く異なる戦略が必要です。オークションで高値がつくためには、その商品を「欲しい」と思う人が2人以上いることが大前提なんですよ。
需要が少ない商品はオークションに向かない
例えばアパレルや靴のようにサイズがある一点物や、あまりにも珍しいレアな物は、オークションに向きません。需要が少ないと、誰も競り合わず、1ドルスタートで1ドルで終わってしまう「恐ろしい」事態になりかねないんです。僕らの会社でも、過去にそういった失敗は経験しています。需要が少ないと予測できる商品は、オークションよりも定額販売の方が良いでしょう。
Starting Price(開始価格)の戦略
僕らのeBayでのオークションでは、0.99ドルや1ドルスタート(ヤフオクなら1円スタート)で始めるケースが多いです。なぜそんなに安く始めるのか、不思議に思う人もいるかもしれませんね。
実は、10,000円で売りたい商品を9,000円スタートにすると、かえって注目されにくいんです。バイヤーは入札数(ビット数)をよく見ていますから、ビットがつきづらい高額スタートだと、そもそも入札する人が現れにくいんですね。
1ドルスタートだと、「ワンチャン安く買えるかもしれない」という心理が働き、入札してみようと思う人が増えます。特に、オークションは残り1分や2分といった最終盤で入札が集中する傾向があります。ビット数が増えることで、さらに多くの客が集まるという相乗効果が生まれるんです。僕らの経験上、これが高値に繋がりやすいパターンですね。
中途半端なStarting Priceの落とし穴
逆に5,000円スタートのように中途半端な価格だと、買い手は「なぜこの値段?」と疑心暗鬼になります。何か理由があって定額ではなくオークションにしたように見えてしまうと、「10,000円の物が5,000円なら買いたいかも」とギリギリの値段で入札され、結果的に5,000円で終わってしまうリスクが高いんです。これだと出品者としては損ですよね。
また、定額で売れなかった商品をオークションに切り替えて、少しずつ値段を下げていくという方法もありますが、僕の経験では、一度定額で売れなかったものがオークションで劇的に高値を付けることはあまりありません。もちろん商品にもよるので一概には言えませんが、オークションは「最初から需要を喚起する」戦略が重要だと考えています。
リユース・二次流通
最適な価格を見つける「勘」と「実践」の重要性
結局のところ、最適な価格を見つけるための確実な方法というのは、「自分でやってみる」以外にないというのが僕の正直な感想です。特にオークションのStarting Priceは、中途半端な値段をつけないことが大事ですが、その需要予測は一筋縄ではいきません。
リサーチの限界と「勘」の磨き方
リサーチで過去の販売価格や入札数を見ることはできますが、その背景にある「どのようにビットされたか」までは分かりません。例えば、過去にたまたま2人が激しく競り合って高値になった「ラッキーパンチ」のケースもあるからです。それを鵜呑みにして自分も同じように出しても、もし買い手が1人しかいなければ、高くは売れません。
ライブコマースを見ていると、お客さんのリアルな反応が見やすいので、これは価格設定のヒントになることがありますね。ただ、オークションの結果だけを見るようなリサーチだと、あくまで予測の域を出ないんです。
「値ごろ感」を演出する心理戦
最終的に重要なのは、商品を見た瞬間に「高!」と思わせないこと。でも、「高いけど、これは面白い!」「買いたい!」と思わせるような「値ごろ感」をいかに演出できるか、です。これはまさに心理戦なんですよ。
例えば、僕らは出品している商品の組み合わせで心理戦を仕掛けることもあります。10,000円均一のラインナップの中に、一つだけ1,000円のものを混ぜて出す、とかですね。「あれ?この人、桁を間違えてるんじゃないか?」と思わせて、衝動買いを誘うような戦略です。色々な心理戦があるので、ぜひ皆さんもご自身のビジネスで試してみてほしいですね。
価格設定は、経験を重ねることで「勘」が磨かれていく部分が大きいです。数をこなして、顧客の反応を肌で感じることが、成功への一番の近道だと僕は思っています。
FAQ
Q.越境ECで最初に価格設定する際のポイントは?
Q.eBayの定額販売でリサーチできないレア商品の価格設定は?
Q.中古品の価格は相場とどう調整すれば良いですか?
Q.オークション形式でStarting Price(開始価格)を低く設定する理由は何ですか?
Q.オークションでStarting Priceを中途半端な価格にするとどうなりますか?
Q.定額販売からオークションに切り替えるのは効果的ですか?
Q.最適な価格設定を見つけるための最終的なアドバイスは?
Q.価格設定における「心理戦」とは具体的にどういうことですか?
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