越境ECを襲う物流コスト上昇の波:DHL値上げの背景と5つの対策
越境ECで利益を出すために不可欠な物流戦略。DHLが送料を一律3%値上げする背景と、セラーが今すぐ取るべき5つの対策をJP.Company代表の荒木淳平が解説します。
CHAPTERS
- 00:00値上げの背景と理由
- 00:00今回の値上げ、どれくらい影響するのか?
- 00:00他の配送会社も“追随”の可能性大
- 00:00越境ECセラーが今やるべき対策
- 00:00まとめ
DHLの送料が9月から一律3%値上げされるというニュースは、越境ECセラーや法人にとって無視できない大きな動きだと感じています。特にアメリカ向けの越境ECを手掛けている人にとっては、今回の値上げが利益に直結しかねない、非常に切実な問題じゃないかと思っています。
僕自身もJP.Companyで越境ECを長年やってきていますから、この手のコスト増は肌で感じていますね。正直、利益率が数パーセント違うだけで事業の安定性も大きく変わってきます。今回は、この物流コストの上昇について、その背景と具体的な対策を僕の視点からお話ししたいと思います。
なぜ今、越境ECの物流コストが上昇しているのか?
今回のDHLの値上げには、いくつかの複合的な背景があると見ています。主な理由としては、「トランプ関税の影響」「インフレと人件費の上昇」、そして「年末の物流ピークに向けた先行対応」の3つが挙げられるでしょう。
1. トランプ関税の影響で通関処理が複雑化
まず大きいのは、トランプ政権時代に導入された関税政策の影響です。特に米国向けの荷物では、税金表示や申告作業が追加されて、通関処理がものすごく複雑化しているんですよ。これによって配送業者側の業務量が増え、必然的に人件費も上昇しています。
うちでも、以前はスムーズだった通関で時間がかかったり、追加の情報提供を求められたりするケースが増えました。これはDHLだけでなく、他の配送業者にとっても共通の負担になっているはずです。
2. 世界的なインフレと人件費の高騰
次に、世界的なインフレと燃料費・人件費の上昇が挙げられます。これはもう、越境ECに限らず、あらゆる業界で直面している問題ですよね。特に航空貨物業界では、パイロットや整備士、地上スタッフといった専門性の高い人員の確保が年々難しくなっていて、そのための人件費も高騰しています。
燃料費も原油価格に左右されますから、地政学的なリスクや経済情勢によって変動しやすく、安定したコストコントロールが難しい状況が続いています。僕らも、輸送コストの変動には常に神経を尖らせていますね。
3. 年末の物流ピークに向けた先行対応
そして、もう一つ見逃せないのが「年末の物流ピーク」に向けた先行対応です。毎年11月から12月にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデー、クリスマス商戦などでeコマースの需要が爆発的に高まります。この時期は荷物が集中し、配送網に大きな負荷がかかるんですよ。
DHLとしては、このピークに備えて事前に価格調整を行うことで、急激な値上げによるインパクトを避けたいという狙いもあるんじゃないかと思います。例年、年明け1月や2月に値上げを発表するケースが多いんですが、今回は少し早めの対応という印象ですね。
EC・オンライン物販
DHLの値上げが越境ECセラーに与える具体的な影響とは
「たかが3%」と思うかもしれませんが、この値上げは越境ECセラーの利益にダイレクトに響いてきます。特に、利益率が薄い商品や、アメリカ市場をメインにしているセラーにとっては、かなり厳しい状況になる可能性があるんですよ。
例えば、送料が30ドルだった場合、3%増で30.9ドルになります。一見するとわずかな差に見えるかもしれませんが、これが積み重なると大きな額になります。特に単価の低い商品を大量に販売している場合、利益が大きく削られてしまうんです。
うちで扱っている商品の中にも、利益率が数パーセントというものもありますから、そういう商材では3%の値上げは死活問題になりかねません。さらに、アメリカ宛ての場合、関税に加えて送料も上がるという「ダブルパンチ」の状態になるので、これはもう「売れない」というより「儲からない」という状況に陥りやすい。僕らは常に「売上を伸ばす」ことだけでなく「利益を確保する」ことにも注力していますが、こういうコスト増は本当に頭が痛い問題です。
経営・チーム
他の配送業者も追随する?越境EC物流の今後
今回のDHLの値上げを受けて、「他の配送業者も値上げするのでは?」と心配しているセラーさんも多いんじゃないかと思います。僕の経験から言っても、その可能性は非常に高いと考えています。
というのも、FedExやUPS、そして日本郵便などの配送業者も、DHLと同じようなコスト構造を持っているからなんですよ。先ほどお話ししたトランプ関税によるアメリカ向けの関税処理増加や、世界的なインフレ、人件費高騰といった問題は、どの配送業者にとっても共通の負担です。
実際に、業界内では早ければ10月から11月にも、他の大手配送業者が値上げを検討しているという声も聞こえてきます。過去にも、ある大手が一社値上げを発表すると、他社も追随する形で値上げを行うという動きはよく見てきました。ですから、DHLの値上げは、越境EC業界全体の物流コスト上昇の兆候と捉えるべきだと僕は思っています。
越境ECセラーが今すぐ取るべき物流コスト上昇対策5選
物流コストの上昇は避けられない流れかもしれませんが、何も対策できないわけではありません。僕らが実際に事業で実践していることも踏まえ、今すぐできる対策を5つご紹介します。
1. 送料込み表示に切り替えるか検討する
まず検討したいのは、商品価格に送料をあらかじめ含める「送料込み表示」に切り替えることです。買い手からすると、最終的に支払う金額が明確になるため、購入を検討しやすくなるメリットがあります。また、送料の値上げ分を価格に転嫁しやすくなるという側面もありますね。ただし、競合との価格比較で不利にならないよう、慎重な検討が必要です。
2. 配送方法別の利益率を再計算する
次に、現在利用しているすべての配送方法について、改めて利益率を再計算してみてください。DHLだけでなく、FedEx、UPS、日本郵便など、各社の料金プランやサービス内容を比較し、どの配送方法が最も効率的で利益を確保できるのかを洗い出すことが重要です。もしかしたら、これまで使っていなかった配送方法の方が、実はコストパフォーマンスが良いという発見があるかもしれません。
3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする
送料が上がるのであれば、商品単価を少し引き上げるか、一度に購入される数量を増やす施策を考えるのも有効です。例えば、セット販売やまとめ買い割引などを導入することで、1件あたりの送料負担を相対的に下げる効果が期待できます。僕らの経験でも、客単価が上がれば上がるほど、送料アップの影響は受けにくくなりますね。
4. アメリカ依存を下げる
今回の値上げはアメリカ向けの影響が大きいので、思い切ってアメリカ市場への依存度を下げることも視野に入れるべきです。ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど、他の成長市場への展開を検討し、販売チャネルを多様化していくことで、特定市場のリスクを分散できます。新しい市場を開拓するのは労力がかかりますが、長期的な視点で見れば安定した事業運営につながるはずです。
5. SpeedPAKなどeBay公式配送との比較もしておく
eBayで販売しているセラーさんであれば、eBayが提供している公式配送サービスである「SpeedPAK(スピードパック)」なども改めて比較検討してみる価値があります。配送業者によっては、eBayと提携していることで特別料金が適用されるケースもありますから、常に最新の情報を取り入れて、最適な配送パートナーを選ぶことが重要です。
今回の物流コスト値上げは、越境EC事業者にとって避けられない課題です。しかし、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑え、むしろ競争優位を築くチャンスにもなり得ます。常に市場の変化に対応し、柔軟な戦略を立てていくことが、これからの越境ECには不可欠だと僕は考えています。
FAQ
Q.DHLの値上げはいつからですか?
Q.値上げの主な原因は何ですか?
Q.3%の値上げはどれくらい影響しますか?
Q.他の配送業者も値上げする可能性はありますか?
Q.越境ECセラーができる具体的な対策は何ですか?
Q.アメリカ依存を下げるにはどうすればいいですか?
Q.SpeedPAKとは何ですか?
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