MONOSHARE
2026.09.30越境EC物流コストDHL

越境ECの物流コスト高騰、利益を守るための戦略と具体的な対策

越境ECセラーに忍び寄る物流コスト値上げの波。DHLの値上げを皮切りに、その背景から具体的な影響、そして利益を守るための5つの対策を荒木淳平が解説します。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:30値上げの背景と理由
  • 02:00今回の値上げ、どれくらい影響するのか?
  • 03:15他の配送会社も“追随”の可能性大
  • 04:00越境ECセラーが今やるべき対策
  • 06:00エンディング

越境ECビジネスをされている皆さんにとって、物流コストの変動は常に大きな関心事だと思います。先日、大手配送業者であるDHLが9月から送料を一律3%値上げすると発表しました。これは、越境ECセラーや法人にとっては決して無視できない動きなんですよね。

僕自身、JP.Company (Monoshare) で越境ECに長年携わってきて、物流コストの動向には常にアンテナを張っています。今回の値上げは、単なる一企業の料金改定に留まらず、業界全体に広がる大きなトレンドの兆候だと捉えています。

なぜ今、物流コストは上がり続けているのか?

今回のDHLの値上げだけでなく、ここ数年、物流コストは上昇傾向にあります。その背景にはいくつかの複合的な要因があるんですよ。

1. トランプ関税の影響と通関処理の複雑化

まず一つは、前アメリカ大統領のトランプ氏が導入した関税の影響です。これにより、米国向けの通関処理が非常に複雑化しました。具体的には、税金表示や申告作業が追加され、DHLのような配送業者側の業務量が大幅に増えたんです。業務が増えれば当然、それを処理する人件費もかさみます。僕らセラーも通関情報の入力にこれまで以上に神経を使っていますし、この負担増は現場で肌で感じている部分ですね。

2. 世界的なインフレと人件費の高騰

次に、世界的なインフレと人件費の上昇が挙げられます。燃料費はもちろん、世界中で物価が上がり、人件費も高騰しています。特に航空貨物を扱う業界では、専門的なスキルを持つ人材の確保が非常に困難になってきていると聞きます。需要は増えるのに、それを支えるリソースのコストが上がる。これは避けられない流れなんですよね。

3. 年末の物流ピークに向けた先行対応

そして、もう一つ見逃せないのが「年末の物流ピーク」に向けた先行対応という側面です。例年11月から12月にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、eコマースの需要が爆発的に高まります。物流が集中する時期に一気に値上げすると、セラーや消費者へのインパクトが大きすぎますよね。だからこそ、DHLは毎年1月や2月に値上げをする傾向があるんですが、今回は少し早めに段階的な値上げに踏み切った、と僕は見ています。これも、いかに物流コストのプレッシャーが大きいかを示しているんじゃないでしょうか。

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3%の値上げが越境ECの利益に与える具体的な影響

「たかが3%」と思う方もいるかもしれません。でも、この3%が越境ECの利益に与える影響は決して小さくないんですよ。特に低単価の商品を扱っているセラーにとっては、かなり直接的な打撃になります。

例えば、送料が30ドルの商品があったとします。3%の値上げで、送料は30.90ドルになりますよね。たった90セントかもしれませんが、これが毎日、毎月、何百と積み重なると、年間ではかなりの額になります。特に、もともと利益率が低い商品の場合、この数パーセントで利益がほぼ消し飛んでしまうケースも出てくるんです。うちの顧客でも、数十ドル程度の商材を扱っている方は、今回の値上げで利益構造の見直しを迫られていますよ。

さらに、アメリカ宛ての商品に関しては「関税+送料」のダブルパンチです。単に「売れない」というよりは、「売れても儲からない」という非常に厳しい状況に陥ってしまう可能性があります。これは越境ECのビジネスモデルそのものに影響を及ぼす話だと僕は思っています。

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DHLだけじゃない。他の配送業者も値上げに追随する可能性

「DHLだけなら、他の業者を使えばいい」と考えるかもしれませんが、残念ながらそう単純な話ではないと僕は見ています。FedExやUPS、そして日本郵便などの配送業者も、DHLと根本的なコスト構造は共通しているからです。

特に、米国向けの関税処理の増加や、世界的なインフレ、人件費の高騰といった要因は、どの配送業者にとっても共通の負担です。DHLが動けば、他の業者も追随する可能性は非常に高いと考えています。僕の肌感覚では、早ければ10月から11月にかけて、他の大手業者も値上げを検討する動きが出てくるんじゃないかと予想していますね。常に複数の配送オプションを比較検討しておくことが重要になります。

越境ECセラーが今すぐ取るべき5つの具体的な対策

このような状況下で、越境ECセラーとして何も手を打たないわけにはいきません。僕が考える、今すぐ実践できる対策を5つご紹介します。

1. 送料込み表示への切り替えを検討する

まず検討したいのは、商品価格に送料を含める「送料込み表示」への切り替えです。送料が別途かかるとなると、お客様は購入をためらうことがありますよね。送料込みにすることで、お客様から見れば「追加料金なし」となり、心理的なハードルが下がります。僕らのビジネスでも、この表示方法一つでコンバージョン率(CVR)が変わった事例は少なくありません。

2. 配送方法別の利益率を再計算する

次に、すべての配送方法、そして国別の利益率をもう一度洗い出し、再計算することです。どの配送方法が、どの国向けに、どの価格帯の商品で最も利益が出るのかを正確に把握する必要があります。これは地道な作業ですが、現状を正しく理解するための必須プロセスだと僕は考えています。

3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする

送料が上がるのであれば、商品の単価を上げるか、一度に購入される数量を増やすことで、相対的に送料の割合を下げることができます。例えば、セット販売を強化したり、より高付加価値な商品をラインナップに加えたりするのも有効な戦略です。梱包サイズや重量あたりの送料効率を最大化する視点も重要になりますね。

4. アメリカ依存度を下げる

米国向けの関税と送料のダブルパンチを考えると、アメリカ市場への依存度を少しずつ下げていくことも検討すべきです。欧州やアジア、特にシンガポールやオーストラリアといった成長市場に目を向け、販路を多角化していくことは、リスクヘッジにも繋がります。新しい市場を開拓するのは労力がかかりますが、長期的な視点で見れば非常に重要な投資だと僕は考えています。

5. eBay公式配送サービスとの比較もしておく

最後に、eBayの公式配送サービスであるSpeedPAK(スピードパック)など、プラットフォームが提供する配送オプションも常に比較検討の対象に入れておくべきです。これらのサービスは、プラットフォームの交渉力によって、比較的安定した料金を提供している場合があります。うちでも常に複数の選択肢を比較し、その時々で最適なものを選んでいますよ。

まとめ

越境ECにおける物流コストの高騰は、今後も続く可能性が高いと僕は見ています。しかし、これはビジネスを続ける上で避けられない現実です。だからこそ、いち早く現状を把握し、具体的な対策を講じることが、これからの越境ECセラーには求められるんじゃないかと思っています。

「売れない」のではなく「儲からない」という状態を避けるためにも、今回お話しした対策をぜひ参考にしてみてください。変化の激しい時代ですが、適切な戦略をもって一緒に乗り越えていきましょう。

FAQ

Q.越境ECの物流コストが上がっている主な理由は何ですか?
米国向け通関処理の複雑化による業務量増加、世界的なインフレと人件費の高騰、そして年末の物流ピークに備えた先行対応などが主な理由だと僕は見ています。
Q.DHL以外の配送業者も送料を値上げする可能性はありますか?
はい、その可能性は高いです。FedEx、UPS、日本郵便などもDHLと同様のコスト構造を抱えており、特に米国向け関税処理の増加は共通の負担であるため、追随する動きが出てくるかもしれません。
Q.3%程度の送料値上げが、越境ECの利益にどれくらい影響しますか?
低単価の商品を扱っている場合、3%でも利益に直結し、場合によっては利益がほぼ消し飛んでしまうこともあります。特に米国向けは関税と送料のダブルパンチで「儲からない」状況になり得ます。
Q.越境ECセラーが今すぐできる具体的な対策は何ですか?
送料込み表示への切り替え検討、配送方法別の利益率再計算、商品単価・数量を上げて利益率をカバー、アメリカ依存度を下げる、eBay公式配送サービスとの比較検討などが挙げられます。
Q.米国以外の市場にはどのような可能性がありますか?
米国市場への依存度を下げるため、欧州やアジア、特にシンガポールやオーストラリアなどの成長市場に目を向けることは、リスクヘッジと新たなビジネスチャンスに繋がると僕は考えています。

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