MONOSHARE
2026.09.30越境EC米国関税通商法301条

越境EC事業者はどう備える?米国新関税12.5%案と日本企業が直面する「証明責任」の壁

米国が日本に対し12.5%の追加関税案を提案。越境EC事業者はどう対応すべきか。荒木淳平が「提案段階」である現状から、「証明責任」の恐ろしさまで徹底解説。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:30現状と仕組み:12.5%関税は「決定」ではない?
  • 02:00恐怖のルール:米国特有の「証明責任」と法的な壁
  • 04:00エンディング

米国が日本に対して12.5%の追加関税案を検討しているというニュースが、越境EC業界で波紋を広げています。まだ決定ではないとはいえ、これが現実になった場合、日本の越境EC事業者には大きな影響が出るのは避けられません。特に、僕らが日頃から意識しておくべきは、単なる関税率の上昇だけではない、米国特有の「証明責任」という壁なんです。

米国新関税12.5%案は「決定」ではない。まずは冷静な現状把握から

まず、一番大事なことなんですけど、現時点で米通商代表部(USTR: United States Trade Representative)が進めているこの12.5%の関税案は、あくまで「提案段階」なんですよね。まだ確定したわけではない、ということを冷静に受け止める必要があります。報道だけを見ると、もう決まったかのように思ってしまうかもしれないんですが、この認識は非常に重要です。僕も最初、このニュースを聞いた時は「ついに来たか」と思ったんですけど、詳細を確認すると、まだ議論の途中なんですよ。

もちろん、提案されたからには現実になる可能性も十分にあるわけで、だからこそ、僕らは今からしっかりと準備をしておく必要がある。リスクマネジメントの基本ですよね。越境EC事業は常に国際情勢と隣り合わせですから、最悪のシナリオを想定して動くのが、経営者としては当然のスタンスだと思っています。

国際物流・貿易国際物流・貿易

なぜ日本が狙い撃ちに? 背景にある強制労働問題と通商政策の現実

「なぜ日本が?」って、僕も最初は疑問に思ったんですよ。でも、この背景には、中国の新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題があるんです。アメリカ側から見ると、日本は「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなされていて、追加関税のグループに入れられてしまった、という見方が強いんです。これは、僕らが海外ビジネスをやる上で避けて通れない、非常にデリケートな国際問題が絡んでいるんですよね。

正直、僕らのビジネスだけを見ていると、なかなか見えにくい部分ではあります。ただ、世界中でサプライチェーンが複雑に絡み合っている中で、どこかの国で起きた問題が、巡り巡って日本の越境EC事業に影響を与える。これが今のビジネスの現実なんだ、と改めて感じます。だからこそ、自分の事業のサプライチェーンがどこまで見通せるか、ということが今後ますます重要になってくるんじゃないかと思っています。

EC・オンライン物販EC・オンライン物販

単純な上乗せではない? 実効関税率が「上限15%」に収まる見込みとは

この12.5%という数字を聞くと、「今の関税にそのまま上乗せされるのか?」って心配になると思うんですけど、どうやらそう単純な話ではないようです。現時点で言われているのは、関税の上限が15%に抑えられる見込みだということ。つまり、今まで関税が0%だった商品は12.5%になる可能性が高いですが、すでに数%の関税がかかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高いと言われているんですよ。

これは一見すると、ちょっとした安心材料に見えるかもしれません。しかし、これまで関税がかかっていなかった商品に新たに12.5%のコストが上乗せされるというのは、利益率に直結する大きな変化ですよね。特に、競争が激しい越境ECの世界では、数パーセントのコスト増でも、価格競争力に大きく影響します。うちのようなラグジュアリーリユース品を扱う事業でも、このコスト増は無視できない要因になることは間違いありません。価格改定や仕入れの見直しなど、あらゆる選択肢を検討する必要が出てくるでしょう。

なぜそこまで恐れるのか? 米国通商法301条の長期的な影響

今回の提案の根拠となっているのが、米国の「通商法301条」という法律です。この法律が厄介なのは、一度実施されてしまうと、法的な安定性が高く、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴があることなんですよ。つまり、もし今回の関税が導入されてしまうと、かなり長期間にわたってその影響が続く可能性がある、ということなんです。

僕らが越境ECをやっていると、どうしても日々の売上や利益に目が行きがちですけど、こういう国際法や通商政策の動向は、事業の根幹を揺るがす可能性があります。特に、米国市場は日本の越境EC事業者にとって非常に大きなマーケットですから、そのルールが変わるとなると、長期的な事業戦略にも影響を与えます。過去にも、様々な形で貿易摩擦が起きてきましたが、通商法301条が絡むと、一過性のものとは考えにくいと判断しています。

日本と真逆! 米国税関の「疑わしきはまず止める」という厳格なスタンス

そして、僕が今回の関税案以上に恐ろしいと感じているのが、米国税関の「証明責任」という考え方なんです。日本の法律は「疑わしきは罰せず」が基本ですよね。でも、アメリカの税関は真逆。「少しでも怪しいなら、まず輸入をストップし、問題がないことを『企業側』に証明させる」という、めちゃくちゃ厳格なスタンスなんです。ここが、本当に大きな壁なんですよ。

実際に、うちの取引先でも、過去に日本企業の商品が「材料の出所が証明できない」という理由で、税関で差し止められたケースがあるんです。あれは本当に肝を冷やしました。商品が税関で止まってしまうと、納期は遅れるし、保管料はかかるし、最悪の場合は返送や廃棄になる可能性もある。関税のパーセンテージ以上に、この「疑わしきはまず止める」というスタンスと、企業側に課せられる「証明責任」が、越境EC事業者にとっては大きなリスクなんです。特に、多様なサプライヤーから商品を仕入れている場合、全ての調達ルートを明確に証明するのは、想像以上に手間がかかる作業になります。

越境EC事業者が今すぐ取り組むべき「証明責任」への対策

じゃあ、僕らは具体的に何をすべきか、ですよね。一番重要なのは、やはり「サプライチェーンの透明化」と「書類の整備」です。具体的には、

  1. サプライヤーとの契約内容の厳格化: 原材料の調達先や製造工程に関する情報を、契約書に明記し、いつでも提示できるようにしておくべきです。
  2. 原産地証明の徹底: 商品の原産地を明確に証明できる書類(原産地証明書など)を、常に準備しておくこと。これは、輸入国側の要請があればすぐに提出できるようにしておく必要があります。
  3. 複数調達ルートの検討: 特定のサプライヤーや地域に依存しすぎず、リスクヘッジのために複数の調達ルートを確保しておくことも有効です。
  4. 専門家との連携: 国際貿易法や関税に詳しい弁護士やコンサルタントと連携し、最新の情報を入手し、適切なアドバイスを受けることも非常に重要です。

僕らが普段から意識しているのは、やはり「見える化」なんです。お客様に安心して商品をお届けするためにも、そして何より、ビジネスを継続していくためにも、こうした地道な努力が不可欠だと考えています。今回の関税案は、越境EC事業のあり方そのものを考え直す良い機会だと捉えるべきかもしれません。

まとめ

米国による対日12.5%の追加関税案は、まだ提案段階ではありますが、越境EC事業者にとっては決して無視できないリスクです。特に、単なる関税率の上昇だけでなく、米国税関の「疑わしきはまず止める」という厳格なスタンスと、企業側に課せられる「証明責任」こそが、事業継続における最大の脅威となり得ます。

僕らは、国際情勢の動向を冷静に見極めつつ、今からサプライチェーンの透明化や書類の整備といった具体的な対策を進めていく必要があります。これからの越境EC事業は、単に良い商品を安く売るだけでなく、どこから来て、どう作られたのか、そのストーリーを明確に語れることが、成功の鍵を握る時代になっていくんじゃないかと思っています。不確実性の高い時代だからこそ、足元を固め、変化に対応できる柔軟な経営体制を築いていきましょう。

FAQ

Q.米国新関税12.5%は確定ですか?
いいえ、現時点では米通商代表部(USTR)による「提案段階」であり、まだ確定したものではありません。しかし、現実になる可能性も十分にあるため、準備が必要です。
Q.なぜ日本が追加関税の対象になっているのですか?
中国の新疆ウイグル自治区での強制労働問題が背景にあります。米国は、日本が強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない、とみなしているためです。
Q.関税は単純に12.5%上乗せされるのですか?
単純な上乗せではなく、関税の上限は15%に抑えられる見込みです。これまで0%だった商品は12.5%に、既存の関税がかかっている商品も合計で最大15%程度に調整される可能性があります。
Q.通商法301条とは何ですか?
米国の通商法で、外国の不公正な貿易慣行に対し制裁措置を講じることを可能にする法律です。一度発動されると、法的な安定性が高く、大統領が変わっても覆りにくい特徴があります。
Q.米国税関の「証明責任」とは具体的にどういうことですか?
米国税関は、輸入商品に少しでも疑義があれば、まず輸入をストップし、その商品に問題がないことを企業側(輸入者側)に証明させるという厳格なスタンスを取ります。
Q.越境EC事業者はどのような対策をすべきですか?
サプライチェーンの透明化、原材料の調達先や製造工程に関する書類の厳格な整備、原産地証明の徹底、複数調達ルートの検討、国際貿易の専門家との連携が重要です。
Q.新関税が導入された場合、大統領が変われば撤廃されますか?
今回の根拠となる通商法301条は法的な安定性が高く、一度実施されると、大統領が変わってもそう簡単には覆らない特徴があります。長期的な影響を考慮する必要があります。

関連クエリ:

米国新関税 12.5% 越境EC日本 追加関税 USTR通商法301条 影響越境EC 証明責任米国税関 厳格化サプライチェーン 透明化 越境EC荒木淳平 越境EC 関税モノシェア 関税対策

CONTACT / VIEW SERVICES

SHARING JAPAN'S FINEST
WITH THE WORLD.

ご質問・お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。