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2026.07.28越境EC米国関税対日関税

米国「対日12.5%関税案」の真実:越境EC経営者が今、知るべきリスクと備え

米国が検討する「対日12.5%関税案」は越境EC事業者に何をもたらすのか。JP.Company代表・荒木淳平が、提案の現状、米国の「証明責任」という本質的なリスク、そして今すぐできる対策を解説します。

CHAPTERS

  • 00:00米国「対日12.5%関税案」の現状と本質
  • 01:30越境EC事業者が本当に恐れるべき「米国の証明責任」
  • 03:15新関税リスクに備えるための実務的なアプローチ
  • 04:45まとめと今後の展望

米国が日本に対し、最大12.5%の追加関税を課すという「対日12.5%関税案」。越境ECで米国市場をターゲットにしている僕らにとって、これは無視できない大きなテーマです。まだ提案段階ではあるものの、その背景にある真のリスクを理解し、今のうちから対策を打っておくことが、事業を継続していく上で非常に重要だと考えています。

米国「対日12.5%関税案」は本当に決まるのか?現状と本質

まず、一番大事なこととしてお伝えしたいのは、この12.5%関税案は現時点では米通商代表部 (USTR) が進めている「提案段階」だということです。まだ確定したわけではないので、まずはここを冷静に受け止める必要がありますね。ただ、提案だからといって全く気にしなくていいかというと、それは違います。水面下では着々と準備が進んでいると見るべきでしょう。

では、なぜ日本がこの関税の対象になっているのか。その背景には、中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題があるんです。アメリカ側から見ると、日本は「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」と見なされ、追加関税のグループに入れられてしまった、という状況なんですね。これは、僕ら日本人が思っている以上に、国際的なサプライチェーンの透明性に対する米国の目が厳しいという証拠だと感じています。

関税率については、単純に今の関税に「+12.5%」が上乗せされるわけではないようです。実効税率は「上限15%」に収まる見込みだと言われています。つまり、今まで関税0%だった商品は12.5%に、すでに数%かかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高い、ということですね。うちの会社でも、この上限15%という数字を念頭に置いて、コストシミュレーションを始めていますよ。

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越境EC事業者が本当に恐れるべき「米国の証明責任」とは

「なんだ、まだ提案なんですね。じゃあ、もう少し様子見でいいか」と思う人もいるかもしれません。しかし、僕が本当に恐れるべきだと考えているのは、関税のパーセンテージ以上に、米国特有の「証明責任」という法的な壁なんです。

今回の提案の根拠となっている「通商法301条措置」というものがあります。これは法的な安定性が非常に高く、一度実施されてしまうと、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴があるんですね。つまり、もしこの措置が発動されたら、長期的に影響が続く可能性が高いということです。

そして、日本とアメリカの法律で大きく違うのが、この「証明責任」の考え方です。日本の法律は「疑わしきは罰せず」というスタンスが基本ですよね。でも、アメリカの税関は真逆なんです。「少しでも怪しいならまず輸入をストップし、問題がないことを『企業側』に証明させる」という、めちゃくちゃ厳格なスタンスなんですよ。実際に、過去にも日本企業の商品が「材料の出所が証明できない」という理由で税関で差し止められた事例もあるんです。僕ら越境EC事業者にとって、これは致命的なリスクになりかねません。

うちの会社でも、この「証明責任」をクリアするために、サプライヤーとの契約内容を見直したり、原材料のトレーサビリティ(追跡可能性)を強化したりといった対策を検討し始めています。特にラグジュアリーリユース品を扱う僕らの場合、商品の真贋だけでなく、その商品の流通経路や過去の所有歴まで透明性を求められる可能性もゼロではないので、かなり慎重に動いていますね。

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新関税リスクに備えるための実務的なアプローチ

では、このリスクに対して、僕らは具体的にどう備えていけばいいのでしょうか。僕が考える実務的なアプローチをいくつか紹介したいと思います。

1. サプライチェーンの透明性確保とリスク評価

まずは、自分の扱っている商品のサプライチェーンを徹底的に見直すことです。どこで製造され、どんな原材料が使われているのか。強制労働と関連する可能性のある地域や企業からの調達がないか、改めて確認する必要があります。うちの会社では、仕入れ先のデューデリジェンス(適正評価)を強化し、サプライヤーに対しては、より詳細な情報開示を求めるようにしています。万が一、税関から「証明しろ」と言われたときに、すぐに提示できる体制を整えておくことが重要なんです。

2. 多角的な市場への分散投資

米国市場は非常に魅力的ですが、今回の関税リスクを考えると、一つの市場に依存しすぎるのは危険です。僕らも、シンガポールやヨーロッパなど、他の有望な越境EC市場への展開を加速させています。リスクを分散させることで、特定の市場での問題が、会社全体の経営に与える影響を最小限に抑えることができると考えています。もちろん、新しい市場への参入にはそれなりのコストと労力がかかりますが、長期的な視点で見れば、これは必要な投資だと判断しています。

3. 最新情報の継続的な収集と専門家との連携

米国の関税政策は、常に変動する可能性があります。だからこそ、最新の情報を継続的に収集し、変化に素早く対応できる体制を整えておくことが不可欠です。僕も、米通商代表部 (USTR) の発表はもちろん、業界ニュースや専門家の分析には常にアンテナを張っています。また、必要であれば、国際貿易法に詳しい弁護士やコンサルタントといった外部の専門家と連携することも検討すべきでしょう。独力で全てをカバーしようとするのではなく、プロの知見を借りることも賢明な戦略だと思います。

4. コスト構造の見直しと価格戦略の再検討

もし追加関税が課されることになれば、当然ながらコストが増加します。そのコストをどこまで吸収できるのか、価格に転嫁するのか、あるいはサプライヤーとの交渉でコストダウンを図るのか、といった戦略を事前に練っておく必要があります。僕らは、商品の原価計算をより細かく行い、関税が上乗せされた場合の利益率の変化をシミュレーションしています。いざという時に、迅速に価格戦略を調整できるよう準備しておくことが大切ですね。

まとめ

米国「対日12.5%関税案」は、まだ確定したわけではありませんが、越境EC事業者はその動向を注視し、最悪のシナリオも想定して準備を進めるべきだと僕は考えています。特に、米国の「証明責任」という考え方は、日本のビジネス感覚とは大きく異なるため、この点を深く理解し、サプライチェーンの透明性確保や市場の分散といった具体的な対策を講じることが重要です。どんな状況でも対応できるようにしておくこと。これが、変化の激しい越境ECの世界で生き残っていくための僕らの哲学なんです。


FAQ

Q.米国「対日12.5%関税案」は確定したのですか?
現時点では、米通商代表部(USTR)による「提案段階」であり、まだ確定はしていません。しかし、成立に向けて動きが進んでいると理解し、備えを進めるべきだと僕は考えています。
Q.なぜ日本がこの関税の対象になっているのですか?
主に中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が背景にあります。米国は日本を「強制労働で作られた部品や素材の流入を防げていない国」と見なしているためです。
Q.12.5%がそのまま上乗せされるのでしょうか?
単純に上乗せされるわけではなく、関税全体の上限が15%に抑えられる見込みです。現在0%の商品が12.5%に、数%かかっている商品も合計で最大15%程度に調整される可能性があります。
Q.「通商法301条措置」とは何ですか?
米国が不公正な貿易慣行に対抗するために発動する法律で、一度実施されると大統領が変わっても覆りにくい、法的安定性の高い措置です。
Q.米国税関の「証明責任」とはどういう意味ですか?
日本の「疑わしきは罰せず」とは異なり、米国税関では少しでも疑わしい商品をまず輸入停止し、企業側が「問題がないこと」を証明する責任を負う、非常に厳格なルールです。
Q.越境EC事業者は具体的にどのような対策をすべきですか?
サプライチェーンの透明性確保、原材料のトレーサビリティ強化、多角的な市場への分散投資、最新情報の継続的な収集、そしてコスト構造の見直しと価格戦略の再検討が考えられます。

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