越境ECで失敗しない値上げ戦略:消費者の心理を読み解く「20%の壁」
越境ECで「売れる価格」を見極めるには?JP.Company代表の荒木淳平が、米英豪の最新データから消費者が値上げを許容する限界と心理的分岐点「20%の壁」を解説。失敗しない価格戦略の秘訣をお伝えします。
CHAPTERS
- 00:00越境ECの値上げは難しい?今なら許容される背景
- 01:30売れる価格の分岐点:20%の壁とは?
- 03:00消費者の購買行動変化:レビューと海外ブランド
- 04:30巧妙な値上げ戦略と心理:身近な事例から学ぶ
- 08:00越境EC事業者が意識すべき値上げのポイント
値上げって、越境ECに限らず、やっぱり難しいものなんですよ。だけど、今の世の中はインフレのムーブメントがあるから、ある程度は「しょうがないよね」という空気感がある。この「しょうがない」と思ってもらえるタイミングをどう捉えるかが、僕らの商売では非常に大事だと感じています。
越境ECで「売れる価格」の心理的限界はどこにあるのか?
僕らが色々なレポートや現場の感覚から見ていると、販売価格を20%以上上げると、お客さんは途端に買わなくなるというデータがあるんですよ。特にアメリカのレポートでは、この20%という数字が明確に出ていました。これは僕らが日々越境ECをやっている中で、関税が20%かかってしまうと消費者が購入をためらう、という感覚と非常に似ているんです。
もちろん、100円のものが120円になるのと、10万円のものが12万円になるのとでは、消費者の心理的なインパクトは違うと思うんですよ。高額商品ほど、20%という数字が重くのしかかるのは当然ですよね。だから、この20%という数字は、単なる絶対値としてではなく、商品の価格帯や顧客の「欲しい」という気持ちの強さとのバランスで考える必要があると僕は見ています。
EC・オンライン物販
消費者の購買行動に変化はあるか?データが示す実態
ここ数ヶ月の消費者行動を見ても、変化は顕著に出ているんですよ。あるデータによると、過去6ヶ月間で、もっと安い物を買おうとか、まとめ買いしようと考えている人が全体の67%もいるんです。これは、多くの人がお財布の紐を締めている証拠ですよね。以前は気にしなかったけれど、今は「少しでも安く」という意識が強くなっている。この変化は、僕らの価格設定に直結する重要な視点だと感じています。
また、購買決定の要因としても、70%もの人が買い物をする際にレビューを参考にしているという結果が出ています。これは日本人だけでなく、世界中で共通の傾向なんですよね。商品そのものの魅力だけでなく、他の購入者のリアルな声が、購買の後押しになっている。越境ECにおいても、商品の品質はもちろん、丁寧な顧客対応やレビュー収集が、価格戦略と同じくらい重要になってきているんですよ。
さらに興味深いのは、50%以上の人が海外ブランドの購入に対してポジティブに考えているという点です。今の時代、自分の国のものだけで生活を完結させるのはほぼ不可能じゃないですか。食べ物も洋服も、多くのものが海外から来ています。だから、海外のブランドであること自体が、購入の障壁になることはほとんどない。むしろ、選択肢の広がりとして歓迎されているんだと僕は捉えています。
経営・チーム
巧妙な値上げ戦略と消費者の心理
僕らが普段の生活で感じる値上げの中にも、巧妙な戦略が隠されているケースが多々あるんですよ。例えば、おにぎり。お米の価格が上がったから値上がりしたけど、お米の価格が落ち着いてもおにぎりの価格は下がらない、なんてことはよくありますよね。これはもう、下げる気がないんだな、と正直思っちゃいます。
あとは、清涼飲料水やスナック菓子。昔は100円だった缶ジュースが今では120円、140円になっていたり、内容量が減らされている「ステルス値上げ」(実質的な値上げ)も多い。うちのスタッフも「エアリアルとかカールとか、めちゃくちゃ量が減ってる!」って怒ってましたけど、あれはまさに相対的な値上げですよね。消費者は賢いので、こういうやり方は一時的には通用しても、ファンを失うリスクもあると僕は考えています。
一方で、タバコの値上げは、ある意味で巧妙な例だと僕は見ています。僕も20代半ばまで吸っていたんですが、当時は260円とか300円くらいでした。それが今や550円を超えて、さらに上がる予定だと聞きます。倍近い値段になっても、吸い続ける人は多い。これは、一気に大幅に上げるのではなく、長い時間をかけて少しずつ、そして定期的に上げていくことで、消費者が「しょうがない」と感じるラインを少しずつ引き上げているんだと思うんですよね。依存性の高い商品だからこそ成り立つ戦略ですが、値上げの「見せ方」としては非常に参考になります。急激な変化は反発を招くけど、段階的な変化は受け入れられやすい。これは、僕らの越境ECでも応用できる視点じゃないでしょうか。
もう一つ、ちょっとずるいやり方ですけど、ウォーターサーバーの料金設定なんかもそうですね。12リットルでいくら、みたいな形で、暗算でパッと計算しづらい金額にしている。これって、消費者に「高い!」と思わせないための工夫なんじゃないかと僕は見ています。割り算がしやすかったら、すぐに「あれ、結構高いな」って気づいちゃいますからね。これもマーケティングの巧みな戦略の一つだと思います。
越境EC事業者が意識すべき値上げのポイント
結局、僕らが越境ECで値上げを考える上で一番意識すべきは、やはり**「20%の心理的分岐点」**だと僕は思います。このラインを超えると、お客さんの購買意欲は大きく下がってしまう。だから、例えば一度に値上げをするなら、15%程度に抑えるのが賢明だと考えています。
そして、タバコの例からも分かるように、一気に大幅な値上げをするのは危険です。去年の米の価格みたいに、急激な値上がりは消費者に「高すぎる!」という強い印象を与え、別の商品に流れてしまうリスクがある。時流に乗って値上げできるタイミングだとしても、スピードは慎重に見極めるべきなんです。
量を減らす「ステルス値上げ」や、暗算しづらい金額設定も一つの手ではありますが、これらは消費者に見抜かれた時に、ブランドへの信頼やファンを失う可能性があります。僕らが目指すべきは、小手先のテクニックではなく、消費者が「この価格なら納得できる」と感じる価値を提供し続けること。その上で、適切なタイミングで、適切な幅の値上げを行う。これが、持続可能なビジネスを築く上でのキーポイントだと僕は考えています。
値付けは、商売において最も重要な要素の一つです。商品やターゲット、市場の状況によって最適な価格は常に変動しますから、僕らも日々のデータ分析と現場の感覚を大切にしながら、最適な価格戦略を模索し続けています。皆さんの越境ECビジネスでも、ぜひこの「20%の壁」を意識して、賢い価格設定をしてみてください。
FAQ
Q.越境ECで値上げをする際の心理的限界はどこですか?
Q.消費者は値上げに対してどのような反応を示していますか?
Q.なぜ20%の値上げが心理的限界となるのですか?
Q.越境ECで海外ブランドは不利になりませんか?
Q.どのような値上げ方法が消費者に受け入れられやすいですか?
Q.「ステルス値上げ」は越境ECでも有効ですか?
Q.値上げ以外に価格戦略で工夫できることはありますか?
Q.越境ECにおける価格設定で最も重要なことは何ですか?
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