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2026.04.27越境EC返品eBay

【荒木淳平】越境ECの「返品問題」は経営課題?DDP導入後のコスト増加と対策

越境ECにおける返品問題は、DDP導入後も経営課題として顕在化しています。JP.Company代表の荒木淳平が、返品コスト増加の背景と対策について語ります。

CHAPTERS

  • 00:00越境ECの返品問題は経営課題?
  • 00:30DDP導入で返品は減ったのか?
  • 01:45返品率微減でもコストは増加
  • 02:50返品問題が参入障壁に
  • 03:40海外の返品文化と日本の違い
  • 04:10返品のしづらさは変化している?
  • 05:00インフレで返品コスト増
  • 05:45いつかeBayも「返品不可」に!?
  • 06:40返品ありきの価格設定が重要
  • 08:00eBayに求める返品対応の改善点

越境ECを運営する上で、「返品」は比較的に大きなリスクとして常に意識している課題の一つです。返品率自体は微減傾向にあるものの、僕の会社では越境EC全体の返品に関わるコストは増加していると感じています。

DDP導入で返品は減ったのか?コストへの影響とは

ここ数年で、越境ECの配送においてDDP(Delivered Duty Paid:関税込みの配送)が必須化されるケースが増えてきましたよね。このDDP導入によって、返品の状況も変化しているんですよ。

DDPが導入される前、DDU(Delivered Duty Unpaid:関税抜き)の時代は、お客さんが商品を受け取る際に関税を支払っていました。だから、もし商品を返品しても、支払った関税は基本的には返ってこないんですよね。この「関税が返ってこない」という事実が、お客さんにとってはある種の抑止力になっていた部分はあったと思います。だから、ちょっとくらい気に入らなくても「まあ、使っておくか」となるケースも多かったんじゃないでしょうか。

返品には大きく分けて2種類あると僕は考えています。一つは、お客さんの手元に届いて開封した後、「思っていたのと違う」「気に入らない」といった理由で返送する一般的な「返品」。もう一つは、お客さんが商品を受け取らずに返送される「受け取り拒否の返品(Return to Sender、通称RTS)」です。

DDPが導入されてから、このRTSは明らかに減少したと感じています。なぜなら、お客さんは関税を支払う必要がないため、受け取りを拒否する理由が減ったからですね。しかし、一般的な「返品」については、DDP導入後もそんなに大きくは変わっていないかもしれません。むしろ、関税を払っていない分、お客さんからすれば「返品しやすい」と感じる側面も出てきていると思うんです。

結果として、うちの会社で言うと、総合的に考えた返品に関わるコストは上がっていると判断しています。返品率は微減かもしれませんが、個々の返品にかかる費用が全体として増えている、ということなんですよね。これはDDPのデメリットの一つでもあると僕は考えています。

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越境ECにおける「返品問題」が参入障壁となる理由

返品問題は、正直、越境ECを始めた当初からずっとある課題で、まさに参入障壁の一つだと感じています。越境ECをやりたくない理由を挙げるなら、英語ができない、配送方法が分からない、設定の仕方が分からない、といったことの次くらいには「返品がよく分からない、大変そう」という点が来るんじゃないでしょうか。ベスト5には入ると思いますよ。

ただ、見方を変えれば、この返品の大変さがあるからこそ、参入障壁となって競争率が下がり、高く売れるというポジティブな側面もあるわけです。海外では特にeBayやAmazonといったマーケットプレイスでは、返品を受け入れるのが当たり前という文化があります。日本とはこの点が大きく違うところですよね。

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返品の「しづらさ」は変化している?マーケットプレイスの動向

海外では返品が当たり前、という文化は変わらないんですけど、僕がここ数年感じているのは、返品の「しやすさ」や「受け入れやすさ」が以前に比べて少し下がってきているんじゃないか、ということです。例えばAmazonもそうですよね。以前は一律で受け入れていた印象ですが、最近は理由によっては断られるケースも出てきていると聞きますし、手続きも前よりは増えているように感じます。

マーケットプレイスによっては、最終的な返品の判断を、出品しているお店側が持っていることもあります。そこが受け入れなければ返品できない、ということも実際に起きていますね。なぜこういう傾向にあるのかというと、返品にかかるコスト自体が国内外問わずすごく上がっているからだと思うんですよ。

原油価格の高騰やインフレによる人件費の上昇で、一度商品を動かして返品されると、大きな赤字になってしまうリスクがあるんです。だから、なるべく返品をさせないようにする、返品を抑制するようなバイアスがかかってきている。以前に比べて返品が経営課題としてより強く認識されるようになったのは、こういった背景があるからだと考えています。

越境ECでの返品コストを価格に織り込む重要性

越境ECにこれから参入する方、特に初心者の人には、もう「返品ありき」で価格設定をするべきだと強く伝えたいですね。僕の経験から言うと、eBayで商品を売るなら「約10%の商品が返品コストとして返ってくる」という考え方で価格を盛り込んだ方がいいと思います。

もちろん、実際の返品率はそこまでいかないケースも多いですが、一度あたりの返品にかかる送料や手数料はかなり高額になることが多いんです。例えば、1回の返品で返送料に3,000円かかるとしたら、10%の返品率を想定すれば、商品1個あたり300円を価格に上乗せしなければいけない、という計算になりますよね。

もし、この返品コストを価格に盛り込んだら商品が売れなくなる、利益が出ないというのであれば、その商品は越境ECでは売れないと判断すべきです。返品が返ってこない前提でビジネスを組み立ててしまうと、どこかで必ず破綻してしまいますから。初めからしっかりとコストを織り込んで、それでも商売になる商品を選ぶことが、長く続ける秘訣だと思います。

eBayに求める返品対応の改善点

返品問題に関して、正直なところ、eBayなどのプラットフォームにはもっとセラー(出品者)をフォローアップしてほしいな、と思っています。今はセラー任せな部分が多いと感じるんですよね。返品が多いのは間違いない事実なんですから、そこをなんとかしてほしいのが本音です。

例えば、日本のメルカリなんかは「返品無料」といったサービスを提供しているじゃないですか。あれはすごいことだと思います。eBayもそこまでとは言わないまでも、せめて半分のコストでも持ってもらえたら、セラーとしては本当に助かります。

特に、アメリカ国内への返品で利用するリターンラベルのコストは高いと感じています。日本には法人向けの特別料金がある運送会社が多いですが、アメリカではそれが少ない印象です。eBayがもっと返品問題に向き合って、例えばプラットフォームとしてまとめて運送会社と契約し、スケールメリット(規模のメリット)で送料コストを安く提供してくれたら、セラーはもっと多様な商品を扱えるようになります。結果的に、eBayの手数料収入も増えるわけですから、効率が悪い現状を改善してほしいと切に願っています。

アメリカは国土が広いので難しい部分もあるのは理解していますが、日本でできていることがアメリカでできないはずはないと思っています。そこは今後の改善に期待したいですね。

FAQ

Q.DDP(Delivered Duty Paid)とは何ですか?
DDPは「関税込みの配送」を意味します。越境ECでは、お客さんが商品を受け取る際に関税を支払う必要がなく、出品者が関税を負担する形式のことです。
Q.DDP導入後、越境ECの返品率はどのように変化しましたか?
DDP導入により、受け取り拒否の返品(Return to Sender)は減少しましたが、お客さんが開封後に気に入らず返品する一般的な返品は大きく変わっていません。全体的な返品コストは増加傾向にあります。
Q.越境ECにおける「返品問題」が参入障壁となるのはなぜですか?
返品にかかるコスト(送料、手数料、関税など)や手続きの複雑さが、越境EC未経験者にとって大きな心理的・経済的負担となるため、参入をためらう要因となっています。
Q.返品コストが増加している主な原因は何ですか?
DDP導入によりお客さんが返品しやすくなったことに加え、世界的な原油価格高騰やインフレによる人件費上昇が、物流コスト全体を押し上げているためです。
Q.越境EC初心者は、返品コストをどのように価格設定に反映すべきですか?
返品は必ず発生するものと想定し、商品価格にあらかじめ返品コストを織り込むべきです。例えば、eBayでは「約10%の商品が返品コストとして返ってくる」と見積もって価格設定することをおすすめします。
Q.海外の顧客は日本の顧客より返品を多くしますか?
はい、海外、特に欧米では返品を受け入れるのが当たり前という文化が根付いており、日本に比べて返品率が高い傾向にあります。
Q.eBayなどのマーケットプレイスは返品コストに関してどのような対応をしていますか?
現状、返品コストの多くは出品者(セラー)が負担する形になっています。出品者は、プラットフォーム側が返品コストの削減支援や一部負担をしてくれることを期待しています。
Q.将来的にeBayで「返品不可」は実現する可能性はありますか?
返品コストの高騰から、マーケットプレイス側も返品を抑制する傾向にはありますが、海外の商習慣を考えると、完全に「返品不可」となる可能性は低いと見ています。

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