【荒木淳平】国内ECこそ「工程管理」が利益を生む。薄利多売で勝ち抜くための経営戦略
JP.Company代表の荒木淳平が、国内ECで薄利多売を成功させる秘訣を解説。利益率が低い国内市場で、いかに効率的な工程管理とシステム構築が重要か、実体験を交えて語ります。
国内販売は海外販売と比較して、どうしても利益率が低くなりがちなんですよね。参入障壁が低い分、多くの売り手が集まって価格競争が激化し、必然的に「薄利多売・高回転」のビジネスモデルに傾倒していきます。僕の経験から言っても、国内販売の方が100%利益率は低いと感じています。
だからこそ、国内販売では商品選びと同じくらい、いや、それ以上に「工程管理」が重要になってくるんじゃないかと思うんです。効率よく、たくさん売るための仕組みをどう構築するか。そこにフォーカスしないと、今の国内市場で勝ち続けるのは難しいと感じています。
国内販売で工程管理が重要になるのはなぜか?
海外販売と国内販売を比べると、圧倒的に海外販売の方が面倒なんですよ。トラブルも多いですし、商習慣の違いから返品率も高くなりがちです。だからこそ、海外販売では1商品あたりの粗利が大きくないと、正直やってられない部分があります。1発1発でしっかり利益を確保しないと、手間とリスクに見合わないんですよね。
一方で国内販売は、海外に比べて簡単で手軽に始められる。これは売り手にとって魅力的なので、どうしても参入者が増えてレッドオーシャン化しやすいんです。同じような商品を売るのであれば、価格競争に巻き込まれて利益率が低くなるのは避けられません。希少性の高いレアな商品ならまだしも、大多数の商品は効率よく売るのがメインになってきます。
この「薄利多売・高回転」という国内販売の宿命を乗り越え、安定的に利益を出すためには、徹底した工程管理と効率化が不可欠なんです。それ以外に、この市場で生き残る道はなかなか見つけにくいんじゃないかと僕は考えています。
EC・オンライン物販
効率的な国内販売を実現するための具体的なポイント
効率よく販売するために、いくつか心がけるべきポイントがあります。特に、僕らのように少人数で事業を回している場合、マンパワーやスペースには限りがありますから、いかに効率を追求するかが重要になってきます。
物の流れ(動線)の最適化
まず大切なのは、物の流れ、つまり「動線」ですね。二度手間になるのが一番効率が悪いんですよ。例えば、商品を撮影して、一時的にここに置いて、それから梱包場所に移動して…といった一連の作業の中で、無駄な動きがないか。撮影から出品、保管、梱包、発送まで、すべての工程が一連の流れとしてスムーズに構築されているかを確認すべきです。僕らは常に、いかに最短ルートで作業を完結できるかを考えています。
時間の流れ(生活リズム)への組み込み
個人で事業をやっている方なら、自分の生活リズムに販売作業をどう組み込むかも重要です。例えば、午前中に出品作業を済ませ、売れた商品は休憩時間に近くの郵便局で発送する。夕方にはメルカリの作業をする、といった具合に、時間帯も含めた動線を考えるべきだと思います。商品を置く場所も工夫が必要で、玄関近くに発送する商品をまとめておく、といった細かな配慮が積み重なると、大きな効率化につながります。
道具の選定と工夫
意外と見過ごされがちなのが「道具」です。特にECでは、梱包材選びが非常に重要だと感じています。梱包材によって梱包にかかる工数も違いますし、受け取ったお客様の反応も変わってきます。効率だけを求めすぎて見た目の悪い梱包材を使えば、クレームにつながりかねません。そうなると、結局は効率が悪いんです。お客様に喜ばれ、かつ効率的に使える質の良い梱包材を探すことが大切です。
テープ一つとってもそうですね。指で切れるタイプとそうでないタイプでは、作業スピードが全然違います。ただ、どちらがより綺麗に仕上がるか、といったバランスも考慮する必要があります。回転率、返品率、そしてリピート率、これらすべてをバランスよく高めていくための道具選びが求められます。
データ管理とバックヤード業務の効率化
出品から販売、そして最終的な経理まで、一連のデータ管理をシステムとして構築できるかが鍵です。個人事業主であれば確定申告も必要になりますよね。売上や原価のデータを効率よく入力し、集計できる仕組みは必須です。僕らの場合、GoogleスプレッドシートとGAS(Google Apps Script)を組み合わせて、出品時に原価などを入力すれば、売上確定後にボタン一つで確定申告用のデータまで自動で連携できるようなシステムを自作しています。
メルカリのようなプラットフォームとの直接連携は難しい場合もありますが、バックヤードの管理システムは自分で作ったり、外部のエンジニアに依頼したりすることも可能です。また、サードパーティ製のツールを活用するのも良いでしょう。ただし、コストがかかる分、利益を圧迫しないか、自分に最も合ったやり方は何かを経営判断として見極めることが重要です。
経営・チーム
在庫管理における「人間心理」を考慮したロケーションの工夫
在庫のロケーション管理にも、実は奥深いコツがあるんですよ。よくあるのが、同じ商品を同じ棚にまとめて置く方法。例えば、A-1の棚にはすべてマウス、A-2にはすべて傘、といった具合ですね。スペースが限られている場合は効率よく置けるんですが、正直言って、これはミスにつながりやすいんです。抜き出し(ピッキング)の際に、同じような商品の中から目的のものを間違えて取ってしまうリスクが高い。特に、少し広めの場所でやるのであれば、このやり方はあまり良くないと感じています。
僕らが推奨しているのは、むしろ「あえて異なる商品をぐちゃ混ぜに入れる」方法です。例えば、A-1の棚にはマウス、傘、キーボードなど、全く違う種類の商品を置く。こうすると、抜き出しの際に「マウスは一つしかない」という状況になり、間違える可能性が極めて低くなります。Amazonの倉庫なども、最近はこの方式を採用していると聞きますね。人間が間違えやすい心理まで計算に入れてロケーション管理を構築する。これこそが、効率的なピッキングを実現する意外なコツだと僕は思っています。
まとめ:国内販売で成功するための「総合力」
国内販売で薄利多売を成功させるには、仕入れから販売、そして最後の経理まで、全ての工程を効率的に管理し、システムを組んでいくことが非常に重要です。なぜなら、多くの人がこのレベルの徹底した工程管理ができないからです。だからこそ、それができると、たとえ利益率が低くても十分に利益を生み出し、競争優位性を確立できるんです。
商品選びやマーケティング、顧客対応のセンスももちろん大切ですが、バックヤードをいかにうまく回せるかという「工程管理のセンス」も、経営者にとって不可欠な能力だと僕は考えています。自分一人で全てを完璧にするのは難しいので、従業員がいるならそれぞれの得意分野を活かしたり、外部の力も借りながら、常に組織全体をブラッシュアップしていくことが、国内ECで長く勝ち続けるための鍵になるんじゃないでしょうか。
FAQ
Q.国内販売で利益率が低いのはなぜですか?
Q.国内販売で効率化が特に重要になる理由は何ですか?
Q.効率的な販売を実現するための具体的な「物の流れ」のポイントは?
Q.梱包材選びで効率と品質のバランスをどう考えますか?
Q.バックヤード業務の効率化で具体的に何をすべきですか?
Q.在庫のロケーション管理で「人間心理」を考慮するとは?
Q.国内販売で薄利多売を成功させる秘訣は何ですか?
Q.経営者として国内販売で最も重視すべき「センス」とは?
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