EU制裁で高級ブランド再販が自由化へ?リユース市場の未来と僕が描く共存の仕組み
EUによる高級ブランドへの制裁は、リユース市場に大きな変化をもたらします。JP.Company代表の荒木淳平が、その背景と影響、そしてメーカーとセラーが共存できる未来の仕組みを語ります。
CHAPTERS
- 00:00EUの制裁と高級ブランド再販の自由化
- 01:00制裁の背景とブランド側の本音
- 03:00メーカーとリユース業界のWin-Winな仕組み
- 07:00中古セラーへの影響と今後の動向
- 09:00ブランド側の変化と未来のリユース市場
最近、EUがGUCCIなどのハイブランドに制裁金を課したというニュースがあったのを知っていますか? これは、ブランド側が小売店に対してリユース商品の販売を規制したり、価格を固定したりする行為に対して、EUが「価格競争を妨げている」と判断し、罰金を科したものなんです。
EC・オンライン物販
簡単に言うと、ブランド側が「この商品は〇〇円でしか売っちゃダメ」「このサイトでは売っちゃダメ」といったルールを小売店に課していたんですね。それに対して小売店側が異議を唱え、EUが動いて「自由に売って良い環境」を守ろうとした、というのが今回の制裁の背景にあるみたいです。合計で270億円もの制裁金が課されたという話で、これはかなり大きな動きだと感じています。
もちろん、メーカー側の気持ちも分からなくはないんです。大義名分では「サステナブル」なんて言いますけど、正直なところ、リユース品が市場に出回れば新品の売れ行きに影響が出るのは避けられない。だから、中古品の流動性を望ましくないと思うのは当然だと思います。ただ、それを規制してはいけない、とEUの中で決まったというのは、世界的な影響があるんじゃないかと見ています。
例えば、本を考えてみてください。一度読んだら売ることができてしまうわけですよね。新品と状態の良い中古品で価格が大きく違えば、多くのお客さんは中古品を選ぶでしょう。そうなると、著者や出版社には印税が入らない。一生懸命書いたのに、中古品ばかり売れたら悲しいじゃないですか。著者や出版社から見れば「中古品なんて売るな」という気持ちになるのは当然だと思います。
今回のEUの判断は、リユース業界にとっては少なからず安心材料になりました。メーカー側が「売るな」と全面的な規制をしてきたら、僕ら中古品を扱っている側としてはどうしようもなくなってしまいますからね。今回の制裁は、少なくともリユース品を自由に販売できる環境を守ろうとする動きだ、と前向きに捉えています。
メーカーとリユース業界がWin-Winになる仕組みは可能か?
今回の件を受けて、僕が思うのは「メーカーの気持ちにも寄り添ってあげる仕組み」ができないものか、ということです。現状、リユース品が売れても、メーカーや著者に一切お金が還元されないのは事実です。これでは、ものづくりをするモチベーションが下がる可能性もありますよね。
先ほどの本の例で言うと、新品の本が売れる時は「取次(とりつぎ)」という問屋を通して出版社にお金が入り、そこから著者へ印税が支払われる仕組みになっています。でも、中古品になるとこの「取次」の概念がなくなり、めちゃくちゃな流通になるため、著者や出版社にはお金が回らないんです。
そこで僕が提案したいのは、中古品が売れた際に、例えば数パーセントでも良いので、何らかの形で元のメーカーや出版社にお金が還元される仕組みです。プラットフォーム側がそれを徴収し、税金のように特定の機関に納めて、それが業界全体やものづくり側に回るようにする。金額が高すぎると買う側も売る側も嫌になりますが、ほんの数パーセントであれば、僕らの立場としても「良いかな」と思えるんじゃないでしょうか。
実際、僕も会社を立ち上げる前は書籍業界にいたこともあって、本に対する思い入れが強いんです。毎週3、4冊はビジネス書を読んでいた時期もありました。当時、ヤフオクやブックオフでも安く本が買えたんですけど、著者にちゃんとお金が回らない仕組みだと知っていたから、あえて高い新書を買っていたんです。それも無駄だよなと思いつつ、そういう気持ちを気持ちよく解決する方法が、さっき話したような仕組みづくりなんじゃないかと考えています。
これは本だけでなく、高級バッグなども同じです。中古品を売る際に、その売上の一部がメーカーに還元される仕組みができれば、メーカー側も「良いものを作ろう」というモチベーションになるはずです。僕が言うのもなんですが、そのくらいしても良いんじゃないかと、正直そう思うんですよね。
中古セラーへの影響と今後の動向
今回のEUの制裁が、僕ら中古品を売っているセラーに直接的に経済的な影響をもたらすかというと、今のところはないんじゃないかと思います。ただ、「リユース業界は良い方向に向かっている」という安心感は少なからずありますね。
EUが決めたことって、意外と世界に波及することが多いんですよ。アメリカが追随したり、最終的に日本も世界の世論に押されて動く、といった流れができることがよくあります。もしかしたら、僕が提唱したような「リユース品からメーカーに還元する仕組み」のようなものが、ドイツあたりから「リユース法」や「サステナビリティ法案」として生まれる可能性もゼロではないと思っています。
もしそうなれば、みんながもっとリユースを積極的にやるようになるかもしれません。今まであまり素材が良くなかった商品も、リユースを前提とした品質の高いものに変わっていく。ファストファッションのような使い捨て文化が減り、長く使える良いものが評価される方向に変わっていくとしたら、それはそれで良い方向なんじゃないかなと思いますね。
ブランド側の変化と未来のリユース市場
今回の制裁で、ブランド側はリユース・リサイクルを完全に抑え込むことが難しくなったわけですよね。だとすれば、逆に「ブランド自らリユースをやる」という動きに振れる可能性もあるんじゃないかと見ています。車業界では、ホンダやトヨタの公式中古車があるように、高級ブランドバッグでも「公式中古」のようなものが登場するかもしれません。
実際に、LOUIS VUITTONなどは以前まで製造番号の刻印で管理していましたが、今はICチップが埋め込まれていて、そこで製品を判別しているんです。つまり、メーカー側がその商品をコントロールしようとしているわけですよね。ただ、LOUIS VUITTONは比較的中古市場に対してオープンな考え方ですが、CHANELなどは意外とクローズな姿勢です。ブランドによって考え方は異なりますが、リサイクルを推進するなら、自社で中古品を扱う方向に進む可能性も十分あると思います。
もちろん、ブランド品が自ら中古品を扱うことによって、新品の売れ行きにマイナスになる部分もあるでしょう。そこらへんのバランスをどう取るのかが、今後のブランド側の大きな課題になってくるはずです。
まとめ
EUの制裁で高級ブランドの再販が自由になる可能性が出てきた今、リユース業界は大きな転換期を迎えています。僕が一番理想的だと考えるのは、中古品が売れることで、たとえ微々たるものでもメーカーや著者、つまり「ものづくり側」にお金が回る仕組みです。そのお金を環境整備に使ったり、業界全体のために活用したりすることで、みんなが幸せになる循環が生まれるんじゃないかと思うんですよね。
リユースだけが完全に自由になりすぎている部分もあると感じています。これからの時代は、もう一歩踏み込んで、全ての関係者がWin-Winになるような「ワンクッション」を置く仕組みを考えていくべきではないでしょうか。10年後、リユース業界がさらに良い方向に変わっていくことを期待しています。
FAQ
Q.EUが高級ブランドに制裁金を課した理由は何ですか?
Q.今回のEUの制裁はリユース業界にどのような影響を与えますか?
Q.なぜメーカーはリユース品が売れることを好まないのですか?
Q.荒木淳平さんが考える「メーカーとリユース業界がWin-Winになる仕組み」とは何ですか?
Q.今後、高級ブランド側はどのように変化していくと予想されますか?
Q.リユース品からメーカーへの還元は、どのようなメリットがありますか?
関連クエリ:
