人手不足で会社が終わる!? 経営者が語る「従業員退職型倒産」のリアルと対策
帝国データバンクも警鐘を鳴らす「従業員退職型倒産」が急増中。JP.Company代表の荒木淳平が、その背景と経営者が取るべき対策を語る。
CHAPTERS
- 00:00人手不足で会社が終わる!? 従業員退職型倒産のリアル
- 00:30人手不足倒産が急増する背景
- 01:20帝国データバンクの調査結果と業界別の傾向
- 03:15コロナ融資の終焉が倒産を加速させた側面
- 04:50なぜ給料を上げられないのか?
- 06:10国が「淘汰」を容認する時代の経営戦略
- 07:30伸びる業界を選び、変化を恐れない経営を
- 09:30未来を見据えたリスクヘッジとチャレンジ
最近のニュースで倒産が増えているという話はよく聞きますが、物価上昇だけでなく、**従業員が辞めてしまって人手が足りなくなり倒産する「従業員退職型倒産」**が、実はすごく増えてきているんですよ。
今までの倒産とは少し違う、新しいパターンだと感じています。日本の人口ピラミッドを見ると、団塊の世代が60歳以上になり、20代の人口とは全然違う構造になっているじゃないですか。だから人手不足になるのは当たり前なんです。その中で、人がいなくなると成り立たない業界は特に厳しい状況に直面していますね。
従業員退職型倒産が急増する背景とは?
帝国データバンクの調査を見ると、2025年1月から7月までの間に判明した人手不足倒産251件のうち、従業員や経営幹部の退職が直接的・間接的に起因した「従業員退職型」の倒産は74件に上るそうです。これは前年と比べて1.6倍の急増で、かなりの量だと感じますね。
特にIT産業や映像制作などのサービス業、そして建設業での倒産が多かったとあります。2025年には業績悪化による賃金引き下げが原因の倒産も発生していて、転職市場で待遇改善を求める動きが広がる中で、賃上げできない中小企業が淘汰される可能性が指摘されています。要は、賃金を下げて従業員が辞めたり、賃上げができないために人が集まらず、会社が成り立たなくなるという状況ですね。
経営・チーム
なぜ特定の業界で「人手不足倒産」が目立つのか?
建設業は、人がいてこそ成り立つ業界です。材料がなくても困りますが、人がいなければ話になりません。実際に現場では、外国人の作業員がすごく増えていますよね。日本人だけの現場なんてほとんど見ないくらいです。これは、若い日本人が建設業に就職しなくなってきた影響が大きいんだと思います。
また、IT産業のプログラマーや映像制作のクリエイターも、結局は人がいてなんぼの世界です。他の会社に行けば給料が上がるという選択肢がある中で、給料が上がらない会社からは人が流出してしまいます。帝国データバンクの事例では、システム開発の会社がエンジニアの引き抜きや人材流出に直面し、外注費が増加して収益性が低下、事業継続を断念したケースもあります。外注で賄うことはできても、内製化するよりもコストがかかることが多いですからね。
意外だったのは、建設業において、現場作業員だけでなく、設計者や施工管理者といった資格を持つ人材や営業担当役員などの幹部社員が相次いで退職し、事業運営が困難になった企業が目立ったという点です。これは、より良い条件を求めて引き抜かれているケースが多いんじゃないかと僕は見ています。引く手あまたな優秀な人材ほど、待遇に敏感だということですね。
経営者の視点
コロナ融資の終焉が倒産を加速させた側面
「従業員退職型倒産」の急増には、もう一つ理由があると考えています。それは、コロナ融資の終焉です。2020年や2021年にコロナ融資で延命できた企業が多かったわけですが、その返済が始まった去年あたりから、立て直しができなかった企業が倒産を選ばざるを得なくなっている側面もあるんじゃないかと思うんです。
コロナ禍によって社会の働き方も大きく変わりましたよね。リモートワークの普及はその代表例です。経営者側からすると、リモートワークばかりでは効率が落ちるケースも少なくありません。管理が緩いと、知らず知らずのうちに営業力の低下につながり、結果的に粗利が出ず、従業員の賃金に回せないという悪循環に陥ってしまう。その戦いに敗れた結果、従業員が辞めていくという流れもあるんじゃないでしょうか。
国が「淘汰」を容認する時代の経営戦略
賃上げしたくても業績悪化などでできない企業が多い中で、従業員に十分な報酬を支払う余力のない中小零細企業の淘汰が今後さらに表面化する可能性は高いと言われています。おそらく国としては、中小企業が淘汰されて、その人材がより良い会社に集まることで、強い会社がさらに強くなるという構図を容認しているんじゃないかと思うんですよね。
まともに経営ができないところに助成金や融資を出すのは無駄だという考え方も、国側からすれば理解できます。強いところが強い、という考え方なのかなと。だからこそ、経営者は会社を潰さないためにどうすれば良いか、リスクヘッジを徹底的に考えて経営する必要があるんです。
伸びる業界を選び、変化を恐れない経営を
うちの会社(JP.Company)では、幸いなことに退職率はそれほど高くありません。特に中古ブランド品業界はバイヤーの引き抜きなどが頻繁に聞かれる業界なんですが、その中でもみんな伸び伸びと働いてくれていると感じています。もちろん辞める人もいますが、長く働いてくれる人が多いのはありがたいですね。業界自体が伸びているというのも大きいと思いますし、うちもずっと賃上げは続けています。だから、今のところこの「従業員退職型倒産」のような問題には直面せずに済んでいるのかもしれません。
僕自身、以前は書籍業界にいたことがあるんですが、正直あまり良い業界とは言えなかったんですよ。デジタル化が進み、本を読むという行為自体が減ってきている中で、どれだけ優秀な人が頑張っても、それに似合った給料が得られないという現実がありました。それは個々の会社が悪いのではなく、業界全体の流れだったんだと思います。
だからこそ、僕は一つの業界で頑張り続けるだけでなく、広い視野を持って違う業界に飛び込むことも必要なんじゃないかと思っています。これまでの知識や経験は、未経験の業界でも生かすことができるはずです。一歩踏み出してみると、意外と新しい業界の方が全体的な従業員レベルが低かったりして、これまでの経験値を生かして活躍できる可能性は十分にあるんですよ。
時代の流れとして業界の淘汰は避けられません。従業員が流出し、倒産が増えるのは、ある意味で仕方がないこと。だからこそ、経営者はリスクヘッジを徹底し、会社を潰さないための戦略を練るべきなんです。僕自身も、ダメだった時のことを常に考えてリスクヘッジをしていますし、先を見据えて新しいことにもどんどんチャレンジしています。今まで通りがずっと続くという考え方は、うちの会社にはありません。
チャレンジングな人が集まって、それぞれの良い配置で活躍できれば、業績も上がり、それが賃金として従業員に還元できる。みんながハッピーになる、そんな理想を目指してこれからも経営を続けていきたいですね。
FAQ
Q.「従業員退職型倒産」とは何ですか?
Q.なぜ「従業員退職型倒産」が増えているのですか?
Q.どのような業界で「従業員退職型倒産」が目立ちますか?
Q.コロナ融資の終了と「従業員退職型倒産」には関連がありますか?
Q.経営者は「従業員退職型倒産」を防ぐために何をすべきですか?
Q.従業員が流出する主な理由は何ですか?
Q.荒木社長の会社はなぜ退職率が低いのですか?
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