環境省が描く“リユース国家戦略”の真意 | 2030年4.6兆円市場の光と影を荒木淳平が語る
環境省が推進するリユース国家戦略の全貌と、2030年に4.6兆円規模に拡大する市場の展望を、JP.Company代表の荒木淳平が解説。その成長の背景にある日本経済の課題にも切り込みます。
CHAPTERS
- 00:00環境省が本気で動くリユース国家戦略
- 00:302030年リユース市場目標4.6兆円の内訳
- 02:00中古車市場の現状とビッグモーター問題
- 03:45不動産はリユースではないのか?
- 04:30優良事業者ガイドライン策定の狙い
- 05:40古物商の管轄が警察であることへの疑問
- 07:30リユース市場の今後の展望
- 08:00リユース市場成長の裏にある日本経済の課題
- 09:30日本に新たな軸となる産業は必要
経済産業省ではなく環境省がリユース市場の拡大に本腰を入れる――このニュースを聞いて、ちょっと意外に感じた人もいるんじゃないでしょうか。僕も正直、最初はそう思いました。
でも、よくよく考えると、環境問題とビジネスが密接に結びつく現代において、これは必然の流れなのかもしれませんね。今回は、環境省が掲げるリユース市場の数値目標と、その背景にある僕なりの見解をお話ししたいと思います。
環境省が掲げるリユース市場の成長目標とは?
環境省は、2030年までにリユース市場を4兆6,000億円規模に拡大するという具体的な数値目標を掲げています。これは2024年(市場規模3兆5,000億円)と比較すると、約30%増という計算になりますね。
うちの業界でも、この数値目標は現実的なラインだと感じています。特に、中古車市場の存在は大きいですよ。一点あたりの単価が非常に高いので、市場規模を大きく牽引しているのは間違いないでしょう。
実際に、消費者におけるリユース品購入・利用の実施率(消費者実施率)は、従来の40.8%から約50%にまで上がっているそうです。さらに、自治体と事業者との連携も300社から600社へと倍増する見込みだといいます。自治体がリユースに力を入れるということは、そこに国の予算もつく可能性が高いので、ビジネスチャンスは広がると見ています。
ただ、ビッグモーター問題以降、中古車業界の勢力図は大きく変わりつつありますよね。大手が一気に失速したことで、他の業者にとっては大きなチャンスが生まれているんじゃないかと見ています。
余談ですが、個人的には中古住宅や土地といった不動産も、本質的にはリユースだと考えているんですよ。誰かが使っていたものを次に繋ぐという意味では、古物と変わらない気がするんです。ただ、税制や法規の関係で不動産業界という別の枠組みに入れられているのが、長年の疑問なんですよね。親戚のようなものだと思うんですけど、意外と横の繋がりがないのも不思議です。
EC・オンライン物販
優良事業者ガイドライン策定の狙いと古物商制度への提言
環境省は、令和9年度(2027年度)までに「優良事業者ガイドライン」を策定する予定だと聞いています。これは、良い業者とそうでない業者を明確にし、業界全体の質を高めようという狙いがあるのでしょう。ISO認証のようなイメージで、この業者は安心だ、と消費者が判断できる基準を作るということだと思います。
正直なところ、この業界には、残念ながら「押し買い」や、金の輸出を悪用した不正など、グレーな業者も少なからず存在します。だからこそ、環境省がクリーンな市場を目指す姿勢は非常に評価できるポイントだと感じています。
ただ、ここで一つ疑問があるんです。そもそも、古物商の許可って警察の管轄なんですよ。犯罪防止という側面は理解できるんですが、良い事業者を育成したり、業界全体をポジティブに推進したりする役割は、警察には期待しづらいですよね。警察の生活安全課が担当していると聞くと、どうしても優先度が低い業務なんだろうな、と感じてしまいます。
古物商の許可は一度取れば更新がないですし、取得する際のルールも時代に合っていない部分が多いのが現状です。リユース市場がこれだけ伸びて、国が力を入れようとしているなら、いっそのこと管轄を環境省に移し、定期的な更新制度や試験導入など、より実態に即したルール作りを進めるべきじゃないかと僕は思うんです。環境問題と密接に関わるリユースは、環境省が管轄する方が自然じゃないでしょうか。
リユース・二次流通
リユース市場の成長は日本経済にとって何を意味するのか?
リユース市場が今後も伸びるだろうというのは、僕も強く感じています。なぜなら、リユースは不景気でも伸びやすい特性を持っているからなんですよ。特に今は、インフレで新品の価格が高騰し、消費者が「しょうがなく」リユース品を選ぶ、という側面は大きいと感じています。リユース品を買うことへの抵抗感が薄れてきているのも、このトレンドを後押ししている要因でしょうね。
市場が伸びれば、当然、参入するプレイヤーも増えます。そうなると、市場が荒れる可能性もあるので、今後のルール設定は非常に重要になってくるだろうなと考えています。
ただ、リユース市場が伸びるのは、僕らプレイヤーとしては嬉しいことなんですけど、正直、手放しには喜べない部分もあるんですよ。なぜなら、これは新品が売れていないことの裏返しでもあるんじゃないか、と感じるからです。もし日本に、もっと他に伸びている産業があるならば、国はそっちに力を入れるはずだと思うんです。
日本で今強い産業といえば、車、そして任天堂のようなトレーディングカードやホビー、漫画といったIP(知的財産)系くらいでしょう。家電産業は世界に遅れをとり、デジタル産業は完全に敗北しています。物流も弱いし、観光も円安頼み。これが円高に振れたら、観光産業も一気に厳しくなるでしょう。
日本経済の軸となる新たな産業が、現状では見当たらないのが実情なんですよね。だからこそ、リユースが注目されている。これは、ちょっと悲しいというか、もっと日本全体として新しい物作りや産業を頑張っていってほしいな、という思いがあるんですよ。
日本人には物作りの強みがあるはずですから、人工ダイヤのような世界で勝負できる技術があるなら、そこをどんどん伸ばしていくべきですよね。リユースが目立たないくらいに他の産業が伸びてくれた方が、国としてはもっと潤うと思うんです。
FAQ
Q.環境省がリユース市場に注力する理由は何ですか?
Q.2030年のリユース市場規模の目標はどのくらいですか?
Q.リユース市場の成長を牽引しているのは何ですか?
Q.環境省はリユース業界の健全化のために何をしますか?
Q.古物商の管轄が警察である現状についてどう思いますか?
Q.リユース市場が伸びる背景には何がありますか?
Q.リユース市場の成長は日本経済にとって良いことばかりではないのですか?
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