MONOSHARE
2026.03.11環境省リユース国家戦略

環境省が描く“リユース国家戦略”の真意 | 2030年4.6兆円市場の光と影を荒木淳平が語る

環境省が推進するリユース国家戦略の全貌と、2030年に4.6兆円規模に拡大する市場の展望を、JP.Company代表の荒木淳平が解説。その成長の背景にある日本経済の課題にも切り込みます。

CHAPTERS

  • 00:00環境省が本気で動くリユース国家戦略
  • 00:302030年リユース市場目標4.6兆円の内訳
  • 02:00中古車市場の現状とビッグモーター問題
  • 03:45不動産はリユースではないのか?
  • 04:30優良事業者ガイドライン策定の狙い
  • 05:40古物商の管轄が警察であることへの疑問
  • 07:30リユース市場の今後の展望
  • 08:00リユース市場成長の裏にある日本経済の課題
  • 09:30日本に新たな軸となる産業は必要

経済産業省ではなく環境省がリユース市場の拡大に本腰を入れる――このニュースを聞いて、ちょっと意外に感じた人もいるんじゃないでしょうか。僕も正直、最初はそう思いました。

でも、よくよく考えると、環境問題とビジネスが密接に結びつく現代において、これは必然の流れなのかもしれませんね。今回は、環境省が掲げるリユース市場の数値目標と、その背景にある僕なりの見解をお話ししたいと思います。

環境省が掲げるリユース市場の成長目標とは?

環境省は、2030年までにリユース市場を4兆6,000億円規模に拡大するという具体的な数値目標を掲げています。これは2024年(市場規模3兆5,000億円)と比較すると、約30%増という計算になりますね。

うちの業界でも、この数値目標は現実的なラインだと感じています。特に、中古車市場の存在は大きいですよ。一点あたりの単価が非常に高いので、市場規模を大きく牽引しているのは間違いないでしょう。

実際に、消費者におけるリユース品購入・利用の実施率(消費者実施率)は、従来の40.8%から約50%にまで上がっているそうです。さらに、自治体と事業者との連携も300社から600社へと倍増する見込みだといいます。自治体がリユースに力を入れるということは、そこに国の予算もつく可能性が高いので、ビジネスチャンスは広がると見ています。

ただ、ビッグモーター問題以降、中古車業界の勢力図は大きく変わりつつありますよね。大手が一気に失速したことで、他の業者にとっては大きなチャンスが生まれているんじゃないかと見ています。

余談ですが、個人的には中古住宅や土地といった不動産も、本質的にはリユースだと考えているんですよ。誰かが使っていたものを次に繋ぐという意味では、古物と変わらない気がするんです。ただ、税制や法規の関係で不動産業界という別の枠組みに入れられているのが、長年の疑問なんですよね。親戚のようなものだと思うんですけど、意外と横の繋がりがないのも不思議です。

EC・オンライン物販EC・オンライン物販

優良事業者ガイドライン策定の狙いと古物商制度への提言

環境省は、令和9年度(2027年度)までに「優良事業者ガイドライン」を策定する予定だと聞いています。これは、良い業者とそうでない業者を明確にし、業界全体の質を高めようという狙いがあるのでしょう。ISO認証のようなイメージで、この業者は安心だ、と消費者が判断できる基準を作るということだと思います。

正直なところ、この業界には、残念ながら「押し買い」や、金の輸出を悪用した不正など、グレーな業者も少なからず存在します。だからこそ、環境省がクリーンな市場を目指す姿勢は非常に評価できるポイントだと感じています。

ただ、ここで一つ疑問があるんです。そもそも、古物商の許可って警察の管轄なんですよ。犯罪防止という側面は理解できるんですが、良い事業者を育成したり、業界全体をポジティブに推進したりする役割は、警察には期待しづらいですよね。警察の生活安全課が担当していると聞くと、どうしても優先度が低い業務なんだろうな、と感じてしまいます。

古物商の許可は一度取れば更新がないですし、取得する際のルールも時代に合っていない部分が多いのが現状です。リユース市場がこれだけ伸びて、国が力を入れようとしているなら、いっそのこと管轄を環境省に移し、定期的な更新制度や試験導入など、より実態に即したルール作りを進めるべきじゃないかと僕は思うんです。環境問題と密接に関わるリユースは、環境省が管轄する方が自然じゃないでしょうか。

リユース・二次流通リユース・二次流通

リユース市場の成長は日本経済にとって何を意味するのか?

リユース市場が今後も伸びるだろうというのは、僕も強く感じています。なぜなら、リユースは不景気でも伸びやすい特性を持っているからなんですよ。特に今は、インフレで新品の価格が高騰し、消費者が「しょうがなく」リユース品を選ぶ、という側面は大きいと感じています。リユース品を買うことへの抵抗感が薄れてきているのも、このトレンドを後押ししている要因でしょうね。

市場が伸びれば、当然、参入するプレイヤーも増えます。そうなると、市場が荒れる可能性もあるので、今後のルール設定は非常に重要になってくるだろうなと考えています。

ただ、リユース市場が伸びるのは、僕らプレイヤーとしては嬉しいことなんですけど、正直、手放しには喜べない部分もあるんですよ。なぜなら、これは新品が売れていないことの裏返しでもあるんじゃないか、と感じるからです。もし日本に、もっと他に伸びている産業があるならば、国はそっちに力を入れるはずだと思うんです。

日本で今強い産業といえば、車、そして任天堂のようなトレーディングカードやホビー、漫画といったIP(知的財産)系くらいでしょう。家電産業は世界に遅れをとり、デジタル産業は完全に敗北しています。物流も弱いし、観光も円安頼み。これが円高に振れたら、観光産業も一気に厳しくなるでしょう。

日本経済の軸となる新たな産業が、現状では見当たらないのが実情なんですよね。だからこそ、リユースが注目されている。これは、ちょっと悲しいというか、もっと日本全体として新しい物作りや産業を頑張っていってほしいな、という思いがあるんですよ。

日本人には物作りの強みがあるはずですから、人工ダイヤのような世界で勝負できる技術があるなら、そこをどんどん伸ばしていくべきですよね。リユースが目立たないくらいに他の産業が伸びてくれた方が、国としてはもっと潤うと思うんです。

FAQ

Q.環境省がリユース市場に注力する理由は何ですか?
リユースは環境負荷軽減に貢献するため、環境省が市場拡大を推進することで、環境保全と経済活動の両立を目指しています。これは現代社会において必然の流れだと考えられます。
Q.2030年のリユース市場規模の目標はどのくらいですか?
環境省は2030年までにリユース市場を4兆6,000億円に拡大することを目指しています。これは2024年(3兆5,000億円)と比較して約30%増にあたります。
Q.リユース市場の成長を牽引しているのは何ですか?
中古車市場が大きな割合を占めており、一点あたりの単価が高いため、市場全体の規模拡大に大きく貢献しています。ビッグモーター問題後の業界再編も影響していると考えられます。
Q.環境省はリユース業界の健全化のために何をしますか?
令和9年度までに優良事業者ガイドラインを策定し、業界全体の信頼性を高め、消費者にとって安心できる市場環境を整備する予定です。不正業者の排除も期待されます。
Q.古物商の管轄が警察である現状についてどう思いますか?
犯罪防止の観点では理解できますが、業界育成の役割には不向きだと感じています。環境省が管轄を担い、定期的な更新制度や試験導入など、より時代に合った制度改革を進めるべきだと考えます。
Q.リユース市場が伸びる背景には何がありますか?
インフレによる新品価格の高騰や、リユース品購入への抵抗感の低下が主な要因です。経済的な理由からリユースを選ぶ消費者が増えていると感じています。
Q.リユース市場の成長は日本経済にとって良いことばかりではないのですか?
プレイヤーとしては嬉しいですが、新品が売れない状況の裏返しとも言えます。日本全体としては、リユース以外の新たな基幹産業の育成が急務だと考えています。

関連クエリ:

環境省 リユース 市場規模 2030年リユース国家戦略 荒木淳平リユース業界 今後 課題古物商 警察 環境省日本経済 リユース市場 影響優良事業者ガイドライン リユースインフレ リユース市場 成長

CONTACT / VIEW SERVICES

SHARING JAPAN'S FINEST
WITH THE WORLD.

ご質問・お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。