捨てられたスーツケースは“宝の山”か? 越境EC経営者が語るリユースビジネスのリアルな壁
街に溢れる捨てられたスーツケースは本当にビジネスになるのか? 越境ECで年商70億円を達成した荒木淳平が、リユース業界の視点からその課題と可能性を深掘りします。保管コストの壁とは?
CHAPTERS
- 00:00捨てられるスーツケース問題の背景
- 00:30リユースビジネスの考え方とは?
- 00:50捨てられたスーツケースの再利用ビジネスの実態
- 01:45なぜスーツケースのリユースは難しいのか?
- 02:40リユースビジネスを阻む「保管コスト」の壁
- 03:55「ゴミ」を「価値」に変えるアイデアの難しさ
- 05:00ホテルでの再利用案と現実的な課題
- 06:05リサイクルしやすいスーツケース開発の必要性
- 06:40スーツケース問題は世界的な課題
- 07:15本当の意味でのリユースビジネスとは
- 07:50リユース・リサイクルのモラルと社会的な解決策
- 09:00ビニール傘やシェアサービスから見るリユースの課題
- 09:45科学的解決と教育の重要性
最近、「リユース新聞」でホテルなどに置き去りにされるスーツケースの問題が深刻化しているという記事を見たんですよ。海外から来た方が、壊れたり、もういらなくなったりしたスーツケースを、持ち帰るのが面倒だったり、追加料金を払いたくなかったりして、そのままホテルに置いていってしまうケースがすごく増えているみたいなんです。駅に置いていく場合もあるみたいですけど、やっぱりホテルが一番多いみたいですね。
こういう社会課題をリユースで解決しようとする動きはすごく大事だと思うんですけど、実際にビジネスとして回すにはいろんな課題があるんですよ。今回は、このスーツケース問題を例に、僕が考えるリユースビジネスのリアルな考え方についてお話ししたいと思います。
捨てられるスーツケースの現状と「再利用ビジネス」の難しさ
実際に、東京のビジネスホテルではたくさんのスーツケースが捨てられているそうです。それを回収する業者さんもいて、ホテルから1個1000円くらいで引き取って、再利用しているという話がありますね。麻薬犬のトレーニングに使ったり、部品取りにしたり、中にはそのまま中古品として販売しているケースもあるみたいです。
ただ、正直なところ、これをビジネスとして成立させるのはすごく難しいと僕は見ています。なぜかというと、ホテルに置いていかれるスーツケースって、ほとんどがいいブランドのものではないんですよ。リモワみたいな高価なものだったら、みんな持って帰りますからね。5000円とか6000円で売られているような安価なものが多くて、中古市場では2000円でもなかなか売れないのが現実です。
EC・オンライン物販
リユースビジネスを阻む「保管コスト」という現実
スーツケースがリユースビジネスにおいて一番のネックになるのは、やっぱり「場所を取る」ということなんです。うちの業界では、ノーブランド系のスーツケースは結構嫌がられる対象なんですよね。EC(電子商取引)で売ろうとしても、保管コストがかさむし、配送料もバカになりません。そこまでして中古のスーツケースを買いたいという人は、残念ながら多くないのが実情です。
買い取り店でも、大きいものってどうしても査定が下がる傾向にあります。スーツケースもそうですし、ベビー用品なんかもそうですね。場所を取るということは、消費者も家に置きたくないし、買い取り店も在庫として抱えたくない。だから、壊れているものなんて、古物市場でもほとんど売買対象にならないんですよ。経済的に回していくのは、かなり厳しいと言わざるを得ません。
経営者の視点
「ゴミ」を「価値」に変えるためのアイデアと課題
本来であれば、たとえ0円で回収したものでも、それをうまく価値に変えることができれば最高ですよね。例えば、機械だったら鉄やレアアース(希少金属)を抽出して、素材としての価値を生み出すことができます。でも、スーツケースにはそういう素材としての価値がほとんどないんですよ。だから、その形をうまく利用して、別の用途で使うというアイデアを考えるしかない。
例えば、ホテルが捨てられたスーツケースを回収して、今度旅行に来たお客さんがお土産を持って帰るのに使ってもらう、といったサーキュラーエコノミー(循環型経済)的なアイデアも考えられます。でも、東京の一等地にあるホテルが、広い場所を確保してスーツケースを保管するというのは現実的ではありません。倉庫代もかかりますし、結局マイナスにしかならないんですよね。
持続可能なリユース社会へ、僕たちが考えるべきこと
このスーツケースの問題は、日本だけじゃなくて世界中で起こっているはずなんですよ。結局、本当に「ゴミ」と呼ばれているもの、壊れたりいらなくなったりしたものを、どうすれば利用価値のあるものにできるのか。これを考えるのが、本当の意味でのリユースビジネスだと僕は思うんです。化学的に再利用するのか、あるいはサービスとして新しい価値を生み出すのか、何かアイデアがないと結局無駄になってしまう。
今回の話で一番重要なのは、「スーツケースのような場所を取るものは保管コストがかかる」という考え方を持たないと、お金には結びつかないし、リサイクル・リユースも難しいということなんです。だから、小さく何かものを作るとか、そういった視点も大事になってきますね。
リユースやリサイクルは、モラルも絡んでくる問題です。EV(電気自動車)が本当に環境問題を解決するのか微妙だと言われるように、リユースも広い視野で考えないと成り立たない。僕たち個々の企業だけで解決できる問題ではないとすら感じています。
結局、国や自治体が音頭を取ってルール作りをしていかないと、こうした社会課題はなかなか解決しないんじゃないでしょうか。世界的な規格を作って、企業同士が再利用しやすい製品を開発するとか、スーツケースの形状自体を見直す必要があるのかもしれません。例えば、折りたためるような素材や構造にするとかですね。ビニール傘の問題や、シェアリングサービスで借りパクが横行した中国の事例なんかを考えると、モラルだけでなく、科学的な素材の解決や教育も、これからのリユース社会には不可欠だと考えています。
FAQ
Q.なぜスーツケースが捨てられる問題が深刻化しているのですか?
Q.捨てられたスーツケースを再利用するビジネスは成り立ちますか?
Q.スーツケースのリユースが難しい最大の理由は何ですか?
Q.中古のノーブランドスーツケースはなぜ売れないのですか?
Q.スーツケースの再利用を促進するためにどんなアイデアがありますか?
Q.リユースビジネス全体で「保管コスト」はどれくらい重要ですか?
Q.スーツケース問題は日本特有のものですか?
Q.リユース・リサイクルを成功させるために必要なことは何ですか?
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