越境EC経営者が語る、商品の値段はなぜ決まる?需要と供給から読み解く新品・中古品戦略
越境EC経営者・荒木淳平が、商品の価格が需要と供給でどう決まるかを解説。新品と中古品の違い、ブーム商品の落とし穴、賢い仕入れ戦略を実体験に基づき語ります。
CHAPTERS
- 00:00商品の価格は「需要と供給」のバランスでどう決まるのか?
- 00:00新品と中古品で異なる価格決定のロジックとは?
- 00:00需要の変動を見極める難しさ、そして「価値ゼロ」のリスク
- 00:00多品種戦略は新品と中古品でどう違うのか?
- 00:00価格決定の「自然な競争」がビジネスを面白くする
商品の価格って、一体どうやって決まるんだろう?僕ら商売人にとって、これは永遠のテーマだと思うんです。結論から言うと、やっぱり『需要と供給』のバランスが全てなんですよね。このバランスが崩れると、物の価値がゼロになることだってある。いつまで売れるかを予測するのは本当に難しい。でも、それこそが商売の醍醐味なんじゃないかな、と僕は思ってます。
商品の価格は「需要と供給」のバランスでどう決まるのか?
『需要と供給』って言葉自体、ちょっと難しく感じる人もいるかもしれませんね。でも、すごくシンプルに言えば、「欲しい人がどれだけいるか(需要)」と「商品がどれだけあるか(供給)」のバランスで価格が決まる、という大原則なんです。
例えば、みんながすごく欲しがっているのに、市場にほとんど出回っていない商品があったらどうなるか。当然、価格は高くなりますよね。逆に、誰も欲しがらない商品が大量に市場にあれば、価格は下がっていく。これが基本の考え方です。
うちで起きたケースで言うと、最近「ボンボンドロップシール」って大人気だったじゃないですか。あれはまさに需要がめちゃくちゃ高いのに、供給が少なかった典型例です。メーカーの抽選販売になるくらい手に入りにくかったから、メルカリなんかでは定価550円の商品が、一時的に1,000円、2,000円、3,000円と信じられないような値段で取引されてました。僕がeBayで見た時も、かなり高値で出品されてましたね。
この状況を整理すると、価格が動くパターンは主に4つに分けられます。
- 欲しい人がたくさんいて、商品が少ない場合: 価格は最も高くなります。
- 欲しい人がたくさんいて、商品もたくさんある場合: 価格は一般的な水準になります。
- 欲しい人が少なく、商品がたくさんある場合: 価格は下がります。最も安くなるパターンですね。
- 欲しい人も少なく、商品も少ない場合: 価格は普通か、徐々に市場から消えていきます。
ボンボンドロップシールはまさに1のパターンだったわけです。でも、ブームはいつか去るもの。半年後、1年後に同じ値段で売れるかというと、それはかなり難しいんじゃないかな、と僕は見てます。
EC・オンライン物販
新品と中古品で異なる価格決定のロジックとは?
この需要と供給の原則は、新品でも中古品でも基本は同じなんです。ただ、少しだけ考え方が違うところがあるんですよね。
中古品って、基本的に「一点物」だと僕は考えてます。同じ商品がたくさんあるように見えても、状態がまったく同じものって意外と少ないんですよ。傷一つ、汚れ一つで価格は変わってきます。だから、中古品は価格に幅が出やすいんです。
一方で新品は、状態がすべて同じですよね。だから、完全に需要と供給のバランスだけで価格が決まる。自分の工夫で価格を決めづらい、という側面があります。新品の価格は、その商品への需要がどれくらいあるか、周りの競合がどれだけ出品しているか、といった外部要因でほぼ決まってしまうんです。
せどり(転売ビジネス)をする人には、大きく分けて「仕入れが得意な人」と「売るのが得意な人」がいると思うんです。売るのが得意な人は、売れる商品を効率よく仕入れて数をこなすのが向いている。逆に、安く買うのが得意な人は、ちょっとマニアックな商品でも安く仕入れて、ブルーオーシャン(競合が少ない市場)を開拓する、というやり方が適しているかもしれませんね。
経営・チーム
需要の変動を見極める難しさ、そして「価値ゼロ」のリスク
需要って、生き物みたいに常に変わっていくものなんですよ。人間の気持ちと同じで、欲しいものって変わるじゃないですか。「朝欲しかったけど、夜にはもう欲しくない」ってことも全然ありますよね。だから、需要は細かく変動するんです。
さっき話したボンボンドロップシールも、今は「めちゃくちゃ欲しい」って言ってる人が多いけど、1年後には「もういらないです」って言う人がほとんどだと思います。それはブームが終わって、新たなブームに需要が移る可能性があるから。よほど定番の商品じゃない限り、この需要の変動は常に意識しないといけないんです。
売れる前提で大量に仕入れてしまうと、これが本当に危険なんです。もしメーカーが供給を増やしたり、ブームが去ってしまったりしたら、一気に価格が暴落します。そうなると、いくら値下げしても売れない、という状況に陥ってしまう。需要がゼロになった商品は、どんなに安くしても売れないんですよ。これが新品の怖いところで、在庫が100%残ってしまい、物の価値がゼロになる可能性が高いんです。
中古品はそのリスクが意外と少ないと僕は見てます。なぜなら、中古品は元々誰かが「好きだ」「価値がある」と思って一度買っているものだから。だから、たとえ在庫として残ってしまっても、その価値が完全にゼロになることは滅多にないんですよね。業者に買い取ってもらうなど、まだ次の手が打ちやすい。ただ、売るのは新品より手間がかかります。状態が一つずつ違うから、その説明や写真撮影が大変なんですよ。
多品種戦略は新品と中古品でどう違うのか?
「いろんな商品を仕入れる」という戦略について、僕なりの考えがあります。中古品を扱う場合は、基本的に『専門店化』する方がいい、と僕は思ってるんです。中古品は、商品ごとの価格差に加えて、状態によっても価格が大きく変わる。だから、幅広い商品を扱おうとすると、そのすべての知識を網羅するのがすごく難しいんです。知識が定着しきれず、適正価格を見誤ってしまうリスクが高くなります。
一方で新品は、状態を見る必要がない分、中古品よりはっきり言って簡単です。需要と供給のバランスだけを見ていけば済む。だから、多品種戦略がリスクヘッジになる、という考え方ができます。新品は、急に一つの商品の需要がなくなると、一気にマイナスになるリスクが高い。なぜなら、中古品に比べて想定粗利率(売上から原価を引いた利益率)が低いことが多いからです。だから、複数の商品を扱うことで、どれか一つが売れなくなっても他の商品でカバーできる、という考え方ですね。
新品はAmazonや楽天市場のようなモール系で売ることが多いので、専門店化する必要もあまりない。いろんな商品を仕入れて、広く展開する方が得策だと僕は思います。だから、新品はアリ、中古品はナシ、というのが僕の答えですね。
価格決定の「自然な競争」がビジネスを面白くする
先日、埼玉の激安スーパーに行ったんですよ。そしたら、ちょっと前の人気キャラクターの新品の筆箱やノートが、ものすごく安く売られていたんです。あれはもう需要がなくなってしまったんだろうな、と。誰も買わないから、結局価値がゼロに近づいていくわけです。
ただ、面白いことに、そうやって価値がゼロになったものが、回り回って10年後、ヴィンテージとしてまた価値を持つこともあるんですよね。何がヴィンテージになるかなんて、本当に分からない。結局、そこにも『欲しい人がいるかどうか』という需要が絡んでくるんです。
僕は、この『需要と供給によって価格が決められる』という自然な競争こそが、ビジネスを面白くすると思ってるんです。例えば、日本の書籍には『再販制度』というものがあって、本の価格は法律で決められていて変えちゃいけない。これって、価格という一つの差別化ポイントを奪ってることにならないかな、って思っちゃうんです。アメリカには再販制度がないから、もっと自由に価格競争が行われる。自然な競争を無理に抑えることで、かえって不自然な市場になってしまうこともあるんじゃないかな、と。
仕入れがほぼゼロ円のような価値のなくなった商品を専門で集めて、多少の需要がある層に売る、というやり方もあります。粗利率は高くなるわけだから、それも一つのプレイスタイルですよね。みんなが同じやり方をするんじゃなくて、いろんなやり方でビジネスが展開される方が、社会として面白いんじゃないかと僕は思います。
結局、商売って、この見えない需要と供給の波をどう読み、どう乗りこなすかだと思うんですよね。僕らがやっている越境ECも、ラグジュアリーリユースも、基本は同じ。市場の声に耳を傾け、時には大胆に、時には慎重に、価格戦略を練っていく。これが、ビジネスを面白くする秘訣なんじゃないでしょうか。
FAQ
Q.需要と供給とは何ですか?
Q.新品と中古品で価格決定に違いはありますか?
Q.ブーム商品の仕入れは危険ですか?
Q.中古品はなぜ価値がゼロになりにくいのですか?
Q.多品種の商品を扱うのは、新品と中古品どちらに適していますか?
Q.再販制度は商品の価格にどう影響しますか?
Q.商品の価格設定で最も重要なことは何ですか?
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